見出し画像

28歳でFIREを達成した中国人エンジニア、郭宇(Guo Yu)氏

ソフトウェアエンジニアが経済的自由を達成するために参考にすべきロールモデルについて、FIRE太郎が勝手にまとめます。

Guo Yu氏のプロフィール

1991年、中国・江西省出身。父親は電気工事士で、幼少期は祖父母に育てられた後、中学時代に両親の住む深センに移住しました(JBpress同記事)。曁南大学で行政学を専攻するも、在学中に独学でプログラミングを学び始めます(Foresight)。

FIREに至るまでのストーリー

大学在学中にアリババグループのアリペイでインターンを開始し、キャッシュレス決済システムの初期開発に携わります(Livedoor News)。2013年には北京で友人とスタートアップを創業し、わずか1年でバイトダンスに買収されます(Foresight)。その後、バイトダンスで6年間エンジニアとして勤務しました(Livedoor News)。

2020年2月、28歳という若さでバイトダンスを早期退職し、日本への移住を宣言。この決断は中国のSNSで大きな話題となり、Q&Aサイト「知乎」では1000万回以上の閲覧を記録しました(JBpress)。

Zhihuの記事: 「まだ28歳のGuo Yu氏がByteDanceからの引退を発表したことについてどう思いますか?」
https://www.zhihu.com/question/375888332

スレッドのタイトル「如何看待年仅28岁的郭宇宣布从字节跳动退休?」(28歳という若さでバイトダンスを退職する郭宇氏の宣言をどう見るか)は、約1200万人が閲覧した大きな話題となりました。

このスレッドが大きな反響を呼んだ理由として、以下の要因が挙げられます

  • 当時のバイトダンスは世界最大のユニコーン企業であり、28歳という若さでの早期退職宣言は異例だった

  • 2015年以前のバイトダンス初期メンバーは、4年間勤務を継続できれば財務的自由を達成できる状況にあった

  • 中国のテック業界における「996」(朝9時から夜9時まで週6日勤務)という厳しい労働環境への問題提起となった

社会的影響

このスレッドは単なる個人の選択への議論を超えて、以下のような社会的な議論も巻き起こしました:

  • 中国の若手エンジニアの働き方に関する問題提起

  • 経済的自立と早期リタイアという新しいライフスタイルの選択肢の提示

  • テック業界における労働環境と報酬に関する議論

中国の世代観と社会への洞察

中国の世代について以下のような分析を示している。

  • 80後、90後(自身の世代)は波乱万丈の時代を生き抜いたがゆえの雑草魂や向上心がある

  • 00後は安定した時代に生まれ育ったが、激化する競争の中で安定した職を得るのが精一杯という状況にある

80後・90後は中国の改革開放政策が本格化する中で育った世代です。彼らには以下のような特徴があります。

  • 改革開放の成果が現れ始めた時期に生まれ、情報化社会への急速な発展を体験した最初の世代

  • 一人っ子政策下で育ち、親世代と異なる価値観や審美基準を持つ

  • グローバル化の進む社会で育ち、世界的な経済競争を理解しながら成長

  • 前向きな姿勢と新しいことへの挑戦意欲が強く、人生を楽しむことに価値を見出す世代

00後を取り巻く環境

00後世代は以下のような状況に直面しています。

  • 70後・80後が親である場合が多く、物質的には恵まれた環境で育つ

  • 多元的なアイデンティティや創造力を持つ一方で、就職市場での競争が激化

  • デジタルネイティブとしての特性が強く、オンラインでの消費や情報収集が主流

  • 社会階層の流動性が低下し、安定した職を得ることが主な課題となっている

世代間の価値観の違い

両世代の違いは以下の点に表れています:

  • 80後・90後は困難を冷静に受け止め立ち向かう傾向がある一方、00後は個人の趣味や自己実現を重視

  • 80後・90後は親戚付き合いを重視する傾向があるが、00後は個人主義的な傾向が強い

  • 80後・90後は貯蓄と消費のバランスを重視する一方、00後はより消費志向が強い

資産形成のアプローチ・ポートフォリオ

バイトダンスでの収入に加え、不動産投資を行い、複数の3階建て物件を所有。家賃収入は月数万元に達し、バイトダンス時代の給与に匹敵すると言います(China Daily)。

FIRE達成後の生活・働き方

日本移住後、Web3.0関連の新会社を立ち上げ、AI分野に注力しています(Livedoor News)。現在は11人の従業員を抱え、特に中国からの人材募集に成功しています(Livedoor News)。

Web3領域で挑戦する若者を応援する

私は彼らに、このベアマーケットは史上最大の機会であることを伝えたいです。若者にとって、ベアマーケットほど良い機会はありません。経済が不景気のとき、多くのスタートアップは人を雇いたいと思っても十分な現金がないため、急募の際には成熟したスキルや完璧な知識を持たない若者を雇う可能性が高いです。このような状況で努力し、自分の能力や知識を磨けば、必ず大成する日が来ると信じています。

https://www.chaincatcher.com/ja/article/2076864

学んだこと・アドバイス

不況期こそ最大のチャンスだと説く。特に若者にとって、企業のキャッシュ不足により、通常より容易に雇用機会を得られる可能性が高いと指摘しています(36Kr Japan)。プログラミングスキルの継続的な学習と、Web3プロジェクトへの積極的な参画を推奨しています(36Kr Japan)。

ソフトウェアエンジニアへの示唆

  1. 技術力の向上に継続的に投資することの重要性

  2. 経済的自立のために早期からの資産形成を意識すること

  3. 市場の変化に応じて新しい技術分野(Web3、AI等)にチャレンジする姿勢(Livedoor News

まとめ

28歳という若さでFIREを達成した郭宇氏の事例は、ソフトウェアエンジニアにとって示唆に富んでいます。単なる早期退職ではなく、新たなチャレンジとしての起業を選択し、技術を活かした事業展開を行っている点が特徴的です(Livedoor News)。日本という新たな環境で、AIWeb3という最先端分野に挑戦し続ける姿勢は、FIREが終着点ではなく新たなスタートになり得ることを示しています(Livedoor News36Kr Japan)。

いいなと思ったら応援しよう!