これで良いのかもしれない。
先日、世間知らズの西田さんから
「今日夕方から椎木と笹本と飲むけどどう?」と吉報が舞い込む。
僕は「行けます!」の返事を差し置いて、メンバーが楽しそうすぎて開口一番「やったー!」と返すくらいにワクワクして飲みの誘いに乗った。
楽屋に入った時にこの人たちが居たら一心不乱にこの輪に飛び込むくらいに仲は良いけど、一緒にお酒飲む頻度はそんなに多くないので飲み会自体は久々だった。
ここ最近はなんだかモヤモヤしていて、明日を生きるために空いた時間を見つけてがむしゃらにウーバーイーツする自分にムカつく日々。
そのウーバーの配達中めっちゃ転んで、転んで起き上がってあまりにも情けなすぎてやることがなかったから適当に「ふふw」って笑ってしまった。
景気が悪すぎる。
そんな勝手にうんざりしてた日々の中でこの楽しいお誘いは何かの縁だと思ってワクワクして行った。
結果、本当にとんでもなく楽しかった。
放送禁止用語が四六時中飛び交うしょーもない話を5時間話して飲んで食べて終わった。
内訳は7割、普段の椎木さんの挙動がおかしい話で、
2割は僕の挙動のおかしさも椎木氏に匹敵してしまうという話。
そして残り1割はゴシップ話。
正直あの飲み会、何も得てない。が、得てなさすぎるが故に永久に飲んでられる楽しさがあった。
椎木さんが家で使うコップはなぜか全て冷蔵庫に入れてあって、曜日ごとに使うコップを色分けしてるから西田さんが勝手に使おうとしたら、
「それは木曜日のコップ!!!!」って激怒された話なんて聞いてどうすんの?ってもんである。
笹本さんは、終始笑いすぎてチキンにかかっていたマヨネーズを、何度も着てたパーカーにぼろぼろ溢し、楽しくなりすぎて疲れちゃったのか2軒目で冒頭休憩で5分寝かせてと言って30分寝るというリアル赤ちゃんムーブを見せつけていた。
僕はというと、椎木さんと狩野どっちがヤバいやつか?論争が勃発し、マウントの取り合いをして、西田さんに「どっちもヤバいから2人で楽屋吸い寄せられるように集まるんだよ。」という残酷な判決を下された。それを見てた笹本さんがまた笑ってマヨネーズを溢していた。
なんかずっと面白くてとてつもなくたのしくて愛おしい時間だった。
後日3人に会ったら口揃えて「あれとんでもなく楽しかったな。なんだったあの飲み会。」って豪語してて素晴らしい世界だと思った。
僕はお笑いの話が大好き。だから先輩たちと盃交わしながらお笑い談義で心がホッカホカにアツくなる日ってのはめっちゃ最高。これで奮い立った日が何度もある。
でもこの日気づいた。何もお笑いのこと考えない何の気付きも得ないひたすら楽しいだけの飲み会もそれはそれでこんな幸せだったのか…!と。
さらにこっからまた数日後のつい先日、EXIT兼近さんの呼びかけで泥すすメンバーでの忘年会があった。
この日を迎える直前の僕は、兼近さんの最前線の仕事の話を聞いてアツい!みたいな飲み会になるのかなと思っていたら、初っ端兼近さんが「最近庭園で150円払ってもっちーと散歩するのが楽しい。」みたいな話から、大ちゃんのR-1グランプリ1回戦で恐ろしくすべったネタのお披露目会、あとは互いの軽いゴシップ話などで盛り上がるいい意味で刺激の無いみんなで笑うだけの飲み会だった。
8年目で切羽詰まりすぎて、なんか芸人と一緒にいる日々の中で、こういう楽しい人たちと楽しい話だけしてあれ楽しかったなぁと思いながら寝るようなそんなすごくシンプルな楽しさもあったことをすっかり忘れてた。
芸人となんかするのは“とりあえず楽しい”ものなのだと。
現場で上手くいかない日があって、その悔しさを忘れないようにアツいお笑い談義の飲み会で自分のケツに火つけて、それでいっぱい仕事頑張って、その疲れを仕事で稼いだお金で楽しい仲間たちとただ楽しい飲み会で使ってしあわせになる。そのためにまた仕事に向かう。
要は金と時間さえありゃこの世界でずっと楽しく生きていける。
そんな生活が僕が売れた末に手に入れたい芸人生活の1つの答えかもなぁと思った。