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「アイカツ!10th STORY ~未来へのSTARWAY~」感想

結論から言うと大傑作です。

創作物というものはこれ程人生を前向きに動かすのかと、その力強さを改めて感じられた作品でした。
大好きなアニメの完璧な続編だったからね。

本編がだいたい3つに分かれてるので、一つずつ感想書いていきます。


①卒業ライブ決定まで
見所は主に2つ。
1つ目は「星宮いちごから見た大空あかり」が完璧に言語化されること。

178話のサブタイは大空あかり目線のものなんですが、いちごちゃんにとってもあかりちゃんとユニットを組めることは「最高のプレゼント」なのだと、初めて見たときから目が離せなくてファンなのだと……!

冒頭のシーンだけで179話を名乗って良いくらいの解像度の高さです。

美月がいちごのステージを見て甦る劇場版アイカツ!と同じくらいのパワーがあるシーンです。

10th見てもっと好きになったシーン


2つ目は星宮いちごの目指す未来
あおいが教師、蘭が役者を目指す中、いちごちゃんの答えは「次会うときが楽しみなアイドル」

これはつまり、いちごちゃんにまた会いたくて辛くても毎日を頑張れたり、笑顔になってくれる人が少しでも増えたらいいなという意味で、「誰かの笑顔のきっかけになる」というアイカツ!のアイドル像そのもの。

1stシーズン終盤のいちごちゃん、スターライトクイーンカップのあかりちゃんにしろ、未来の選択を求められた時、女優・モデルみたいな職種ではなく、「どういう自分(アイドル)でありたいか」という状態で答えられる人間がアイカツ!の主人公足り得るのかなと思いました。


②大人になったいちご達
アイカツおじさんが劇場で度肝抜かれたのはやっぱりここでしょ。

髪型は変わり、車を操縦し、たらふく酒を飲み交わし、らいちが19歳!?と物凄く衝撃を受けるけど、このパートは大人になって変わった姿を前座に、あの日から変わらない姿を描いていたように思います。


役者や総合プロデューサー(劇場版アイカツ!の頃よりもっと本格的で責任が重いやつ)みたいな仕事の違いはあれど、目の前のアイカツ!に全力を出す姿はTVシリーズで見てきたいちごや蘭のまま。


3人がそれぞれ「MY STARWAY」を聴いているのも、離れたときにこそ友情が固くなる作劇だったと当時と同じ。


大人になるということを子供の全能感と比較して露悪に走るふざけた続編もある中、大人になったからこそ、状況は大きく変化しても精神性は変わらない姿を描写してくれて涙が止まりません。


特に「オトナだ・・!」と思ったのはここね


③卒業ライブ
一番ビックリしたのは、いちごちゃん達がアイカツ!してる姿、何てコトない毎日がトクベツになることに気付いてる描写に勝手に元気を貰っていたら、いちごちゃんが「キミ」っつって俺に話しかけてくれたこと。

いちごちゃん曰く、いちごちゃんも俺も今ここにいるのは今まで頑張ってきたからで、ならばこの先もきっと大丈夫だということ。

そして俺といちごちゃんは、同じ時代を生きる仲間であること。

アイドルとパンピを切り離して描いてきたアイカツ!が、アニメと視聴者の関係だった俺達が今繋がった。

「ここまで来られた」という共通点で。


2023年1月20日、いちごちゃんが俺に話してくれたこと、そしてMY STARWAYの最後の歌詞を初めて聞いた時の衝撃、ずっと忘れないと思う。


ありがとういちごちゃん


④アイカツ!とは何か

この作品を踏まえて、結局アイカツ!ってなんなのかを考えてみたい。


僕は「前に進み続けること」だと思います。


この作品はずっと同じことを言っていて、「誰かの笑顔のきっかけになれるようなアイドルを目指す」とか

「他の誰かには決してなれないけど、新しい自分になれる」とか

今作で完璧に言語化された「今までの自分が未来の自分を支えてくれる」とか

そのどれもがいちごやあかりがアイカツ!をする過程で分かったこと。

アイカツ!は努力が必ずしも報われる訳ではないし、願えば夢が叶うような甘い世界じゃない。

だけど、あの日美月の輝きに目を焼かれて、いちごの友達のために頑張る姿から目を離せなくて、それからずっと進み続けた物語。


人によって過程は違うけど歩き続けて、ここまで来て、今この瞬間生きていること その素晴らしさ
「アイドル」という女の子の永遠の憧れと一緒にアイカツ!が描いてきたものはそういう人間讃歌だったのではないでしょうか。


そして、アイドルが進み続けたように、俺達もそうやって今ここにいるのだと肯定してくれる作品が「未来へのSTARWAY」なのだと思います。

憧れの存在ではなく、自分自身を道しるべに歩き出したアイドル達の姿は物凄く輝いていて目が離せなかった。

俺もいちごちゃん達に続けるよう、頑張りたい。
 
おわり

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