【B'z】 『FLASH BACK -B'z Early Special Titles-』を考察する【非公式】

※あくまでも、筆者の「独自考察」となります。


■B'zとBMGビクターとの関係性

現在も株式会社ビーイング(現:株式会社B ZONE)に所属するB'zは、かつて、BMGビクター株式会社のレーベルから作品をリリースしていた。

初期作品は、代表原盤権がBMGビクターにある。なお、音楽出版権はビーイングが保有。
1990年のシングル「BE THERE」以降は、BMGビクターからリリースされながらも、代表原盤権はビーイング側にある。

(1)BMGビクターが代表原盤権を有する作品
◎BMGビクター(air RECORDS) 全33曲
 ・『B'z』「だからその手を離して」
 ・『OFF THE LOCK』「君の中で踊りたい」
 ・『BAD COMMUNICATION』
 ・『BREAK THROUGH』「LADY-GO-ROUND」

(2)ビーイングが代表原盤権を有する作品
◎BMGビクター(air RECORDS)
 ・「BE THERE」「太陽のKomachi Angel」『WICKED BEAT』
◎BMGビクター(ZEZ)
 ・「EASY COME, EASY GO!」「愛しい人よGood Night…」
 ・『RISKY』「FILM RISKY」
 ・「LADY NAVIGATION」『MARS』
 ・「ALONE」『IN THE LIFE』
 ・「JUST ANOTHER LIFE」
 ・「TV Style SONGLESS VERSION」
 ・「BLOWIN'」


■株式会社BMG ROOMS

1992年8月31日。
ビーイングとBMGビクターの共同出資によって、「株式会社BMG ROOMS」を設立。

発売元…BMGルームス
販売元…BMGビクター

という体制になり、B'zの作品では、1992年10月7日リリースのシングル『ZERO』から採用された。


また、それに伴い、過去の作品は以下のようになった。

(1)BMGビクターが代表原盤権を有する作品
 ・発売権は移管されず。
 ・再発売されず。

(2)ビーイングが代表原盤権を有する作品
 ・発売権が移管された。
 ・BMGルームスより再発売され、品番も変更された。
 ・シングル作品はマキシ化して再発売。(2003年)


■B'zと同様のケース

B.B.クィーンズらビーイングアーティストの初期作品も、B'zの初期作品と同様である。

「おどるポンポコリン」もそのうちの一つだが、これは権利表記をする事で手を打っており、コンピレーションアルバムに収録される事が多い。(一番人気の曲だから)



■FLASH BACK -B'z Early Special Titles-

1997年4月26日(土)に、BMGジャパンより非公式アルバム『FLASH BACK -B'z Early Special Titles-』がリリースされた。

B'zの二人も知らなかったほどで、「大人の事情」が満載である。
また、サブタイトルの大文字の部分を取って繋げると「BEST」になるw


◎選曲
・BMGビクターが代表原盤権を有する作品の全33曲の中から24曲を選曲。
・漏れた9曲は涙目w
・星屑列車の謎のイントロカットw

◎売上
・初動売上枚数は47.6万枚で初登場2位。
・累計売上枚数は99.4万枚でミリオンには到達しなかったが、日本レコード協会からはミリオンセラーの認定を受けている。
・非公式ながらも、アーティストのトータルセールスに含まれる。

◎収納ケース
・初回盤
  1枚用のCDプラケース×2枚
  厚紙製のスリーブケース付き
・通常盤
  2枚組のCDプラケース

◎レーベル面
塗装はされておらず、アルバム名などが極小の文字で書かれているだけ。

◎肖像権
肖像権の都合で、B'zの写真が使えず、ガイコツや龍などのCGイラストが使われているが、センスが絶望的にヒドイ。


ビーイングやB'z側が公認していないアルバムであるが、権利上は何の問題も無い。
しかし、ビーイングやB'zの知らないトコロで、このような非公式アルバムが発売されると分かり、
ビーイングは、それに抗議する形で、同社所属のZARDのセレクションアルバム「ZARD BLEND ~SUN&STONE~」の発売日を、急遽、同週の1997年4月23日(水)に変更した。

その結果、ZARDが初動売上枚数66.7万枚で1位、非公式が初動売上枚数47.9万枚で2位となり、発売曜日にも助けられて非公式の1位を阻止した。


なお、同様の非公式アルバムの例として以下の作品がある。
・スピッツ「RECYCLE Greatest Hits of SPITZ」
・DREAMS COME TRUE「BEST OF DREAMS COME TRUE」
・宇多田ヒカル「Utada The Best」

いずれも、レコード会社がリリースを決定し、アーティストや所属事務所の許可を得ないまま、強行的にリリースされている。
これらについて、アーティスト本人が買い控えるような発言もあった。

B'zに関しては一切発言していないようだが、公式ディスコグラフィには掲載されていない。

他にも、アーティストがレコード会社を移籍・脱退する際には、それまでのレコード会社がそのアーティストのベストアルバムを非公式にリリースする事が半ば恒例化している。
※WANDS「WANDS BEST ~HISTORICAL BEST ALBUM~」、MISIA「MISIA GREATEST HITS」など。



■初のオフィシャルベスト

1998年5月20日、非公式アルバムへの対策として、「初のオフィシャルベスト」と強調した上で『B'z The Best "Pleasure"』を発売することになった。

しかし、当初の選曲は、BMG ROOMS設立後にリリースされたシングル13曲(「ZERO」~「Liar! Liar!」)の予定であった。



■表面上の和解(?)のMixture

2000年2月23日リリースの『B'z The "Mixture"』で、ビーイングとBMGの両社は、表面上の和解をしているようだ。

・原盤権は、ビーイング。
・発売元は、BMGファンハウス。
・選曲は全てB'z本人による!
・1st〜3rdアルバム楽曲からは4曲が再録!
・公式ディスコグラフィーに載っている!


B'z側は「マスト」と表現しているが、便宜上はベストアルバムのグループに属する。

・新録5曲
・シングルB面曲のリミックス6曲
・シングルB面曲の原曲3曲
・シングルA面曲の原曲1曲(金銀で選曲漏れしたMOVE)
・未発表1曲(あなたならかまわない)

という、文字通り、様々な種類の曲が混合した構成。

しかし、「Mannequin Village」と「哀しきDreamer」は忘れられてしまったようだw


購入特典は「B'z Cube」。
筆者の実家には、未だに新品未開封のままで残っていた。
とは言っても、経年によって、紙やプラスティックはそれなりに劣化してしまったが。

後に、B'z PARTY会員限定で、ミニサイズのキューブも貰えた。



■BMGジャパンはSony Musicへ

2008年10月、BMGジャパンが、Sony Music Entertainmentの完全子会社になる。
2009年6月1日、BMGジャパンの国内制作部門のレーベルとしてアリオラジャパンが発足。
2009年10月1日、「株式会社アリオラジャパン」が新設分割により設立。
BMGジャパンはSonyに吸収されて解散。


■B'z The Best XXV

2013年6月12日にリリースの『B'z The Best XXV 1988-1998』に、初期作品のシングル曲「だからその手を離して」「君の中で踊りたい」「LADY-GO-ROUND」が、ついに原曲で収録された!

この3曲には、歌詞カードに「Licensed by Ariola Japan Inc.」と表記されている。


■B'zのレコード盤

2014年4月1日、Sony Music Labelsが発足し、Ariola Japanは同社の社内レーベルになる。

そして、2018年4月1日、B'zのオリジナルアルバムが、レコードとして一斉発売。

初期3作はSony Music Labelsから発売。しかし、初期2作のレーベルにあるB'zロゴは、なぜか、1991年後期~1993年のものであるw



■音楽配信

音楽配信が主流になった現在ではあるが、BMGが代表原盤権を保有する初期作品の楽曲33曲は配信されていなかった。

また、初期作品や『B'z The Mixture』は、公式アルバムであるにも関わらず、 Musingサイトのディスコグラフィには載っておらず、販売もされていない。

しかし、2021年にサブスクリプションで全曲が解禁となり、Apple Music等でめでたく日の目を浴びるようになった。


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