第50回衆議院議員総選挙 結果と総評

10月27日(日)20時に投開票が行われた。


■衆議院議員総選挙の結果と総評

NHKの「衆議院選挙2024特設サイト」より。


なお、「無所属」(12名当選)の内訳は以下の通り。
・自民党非公認……3(西村康稔、萩生田光一、平沢勝栄)
・自民党離党……1(世耕弘成)
・立憲民主党系……2(中村勇太、松原仁)
・会派「有志の会」……4(吉良州司、北神圭朗、緒方林太郎、福島伸享)
・会派「自由民主党・無所属の会」……1(三反園訓)
・無所属新人……1(広瀬建)



というわけで、
大方の予想通り、自公連立与党は過半数割れ。
目標としていた、与党過半数(233議席)を18議席も下回る215議席(自民191・公明24)と惨敗。

自由民主党は、軒並み逆風に晒されて、大物も含めて落選者が続出した。
更に、非公認の10名中7名落選。比例名簿非登載の候補も34名中20名が落選。
公明党は、大阪府の4選挙区で全滅し、代表自身も埼玉14区で落選した。
手堅い戦略が得意で、創価学会の固定票を持つ公明党が、小選挙区で4勝7敗。比例票も115万票減らした(16.16%減)。

立憲民主党は、選挙前より50議席増加。(98→148)
街頭演説や党首討論で訴えた事が裏金&統一教会一辺倒というクズっぷりを存分に発揮して大幅増なのだから、有権者なんてチョロいものですね。

日本維新の会は、本拠地の大阪府全19選挙区で完勝!
しかし、他の地域では伸び悩み、比例票を300万票も減らした。

日本共産党は議席を減らしたが、赤旗のスクープ力とスパイ力によって自民が倒壊し、立憲を大きくアシストした。

国民民主党は、選挙前の4倍増。(7→28)
しかも、まさかまさかの大躍進で、小選挙区で思いのほか当選者が出て比例復活対象者が減った事と、比例票を大幅に伸ばした事で、比例名簿者数が足らなくなってしまい、自民(東海)・立憲(東海)・公明(北関東)に各1議席ずつ譲る事となってしまった。勿体ねぇwww
でもしょうがないよね。
愛知県で4選挙区も勝てるとは正直思っていなかったでしょう。
2区以外(7区・11区・16区)は最後まで流動的だった。
埼玉県でも2選挙区(13区・14区)で勝てるとは正直思っていなかったでしょう。

れいわ新撰組は、比例代表のみで3倍増。(3→9)
だが、その内容はあまりにも酷いものだ。
単独比例……2(東北・東海)
得票率11~14%台の惜敗率28~36%台の比例復活……5
得票率22~28%台の惜敗率48~49%台の比例復活……2
いかに小選挙区落選からの比例復活が欠陥制度であるかがわかる。
ゾンビかよwww

社会民主党は、しぶとく小選挙区で1議席(沖縄2区)。

参政党は、例の如く、陰謀論を撒き散らし、比例代表で3議席を獲得。

そして、日本保守党は、小選挙区で1議席(河村)を取り、比例得票率が有効投票総数の2%以上となったため、政党助成法上の政党要件を満たして国政政党となった。政党交付金を得られる事に。



■個人的に注目していた小選挙区

◎愛知2区(現居住地)

いつも通り。今回はダブルスコア以上の大差がついた。
これで、自民党は小選挙区愛知2区で0勝10敗。プロ野球の監督ならクビ。


◎愛知11区(本籍地)

全トヨタ労連を味方につけたCBCアナがゼロ打ち当選!
石破の腰巾着は落選wwwww
さらば!


☆清和会幹部

清和会の幹部や五人衆の計6候補のうち、4候補は当選!

◎兵庫9区

西村候補は、他媒体で20時に当選確実が出た。
しかし、以前のように大差をつける事はできず、比例復活を許してしまった。
大票田の明石市では僅差で敗れている。


◎和歌山2区

参議院議員から鞍替えした世耕候補も20時に当選確実が出た。
二階王国で二階Jrを相手に3万票差で勝利して、比例復活も許さなかった。


◎東京24区

萩生田候補は、情勢調査では劣勢が伝えられ、出口調査でもほぼ互角もしくは劣勢と、かなり危なかったが、何とか踏み留まった。
八王子の生え抜きが、批判しか脳のない落下傘の外様に負けるわけにはいかない!


◎千葉3区

松野候補は、世論調査や出口調査では劣勢が伝えられていたが、蓋を開けてみれば何とか当選。


◎福井2区

髙木候補は、高市拓という"刺客"によって分裂選挙を余儀なくされて落選。
ただ、二人の票数を足し合わせても当選者に及ばなかったが。


◎東京11区

下村候補は、ゼロ打ちで落選確実となった。



■自民党は自滅により大逆風に

自民党の不記載問題については、清和会(安倍派)に問題があったのは確かだが、他の派閥でも不記載はあり、もはや自民党全体の問題。

だが、その内容としてはシンプルに不記載や誤記載であり、検察の取り調べを受けた結果、「嫌疑なしの不起訴」にされた者が殆どだった。その後は検察の指示により収支報告書を修正しており、返金も行った。
党としても政治的責任をとらせるために処分も行った。

しかし、マスコミの強烈な偏向報道に遭い、口を開けば裏金裏金とレッテル貼りをされまくった。

それに迎合した石破は、公示直前に非公認10名と比例名簿非登載34名を発表。


更に、投開票日の4日前には、支部会計責任者宛ての「支部政党交付金支給通知書」が、どういうわけか赤旗にスクープされた。
部外者が知り得ないはずの書類を、なぜ赤旗が持っている???

 意図的に漏洩した自民党関係者がいる?
 自民党内に共産党スパイが潜り込んでいる?
 自民党内からの自爆テロ?


だが、もっと重大なのは、非公認者への振込行為が金銭的な"裏公認"とも取られかねないという事。
候補者にとっては非常にありがた迷惑だし、落選させてやろうという政治的意図さえ感じられた。

「裏公認や偽装公認ではない」「法的には何ら問題ない」
と党執行部は火消しを図ろうとしたが、一般の有権者がそのように受け取れるはずがない。

政党交付金そのものは、政党助成法の範囲内であれば何ら問題ないものであるが、ただでさえ「政治とカネ」に揺れ動き、争点化させてしまった状況で、候補者本人さえも知らないうちに公示後に振り込みなんてするかね?
それこそ裏金だの何だのと言われかねない。

赤旗にスパイやスクープされた事も問題大ありだが、それ以上に状況を読めなさすぎる。あまりにもタイミングが悪い。何もかもが中途半端かつ悪手すぎる。マイナスに作用する事は大いにあっても、プラスに作用する事は絶対にない。

この件が追い打ち決定打になったのは間違いなく、
案の定、ラスト3日で更なる大逆風を受けてしまい、落選者が続出するはめになった。


■筆者の投票行動

そんなわけで、愛知2区民の筆者は、小選挙区は古川元久に、比例代表は国民民主党にそれぞれ投票した。

1998年7月25日の第18回参議院議員通常選挙で選挙投票デビューして以降、積極的か消極的かを問わず、一貫して自民党に投票してきた。

小泉内閣の郵政選挙の時も、安倍総理が参議院選挙で大敗して後に辞任した時も、福田康夫が総理になった時も、麻生内閣がどれだけ非難されても、それでも「腐っても自民党」と思い続け、鳩山民主党と赤旗共産党にだけは絶対に魂を売らないと歯を食いしばり、惨敗して野党に転落した時も逃げなかった。
しかし、今回ばかりはさすがにもう限界を超えていた。

白票や無効票も考えたが、最終的には国民民主党に投じた。何も、寝返ったわけではなく、これはこれで屈辱的な事。
だが、地獄の民主党政権や民進党の残党からは反省の色がほんの少しは見られたのと、あの当時にはいなかった比較的若手の議員が増えたという事もあり、玉木代表や榛葉幹事長らについて情報をアップデートした。
それと、愛知県は元々が民主王国ゆえに、自民党が勝てる見込みは薄いお土地柄の事もあり、思いのほか気楽に投票できたというのもある。

筆者は、いわゆる「自民党の岩盤支持層」というわけでもないと思っているし、自民党員ではあるものの事実上の無党派層になったわけで、これを機に一歩引いて俯瞰的に政治を見る事ができるというもの。


■今後のスケジュールと政局

選挙後、30日以内に特別国会が開かれる。(憲法54条)
特別国会が行われる日の午前中には内閣総辞職となる。(憲法70条)
午後の特別国会にて、内閣総理大臣指名選挙が行われる。(憲法67条)
選出された新総理が新組閣を行う流れとなる。

なお、衆議院と参議院とで指名が異なった場合は、両院協議会が開かれ、最終的に両院の意思が一致しなければ、憲法の規定により衆議院の指名が優先される。(憲法67条②)
だが、これまでに参議院の意思が通った事はなく、衆議院の意思が優越される。


自民党としては、衆議院で指名選挙で過半数を得られるよう、他党との合意を取り付けなければならない。(参議院では、自公連立が多数派を握っているから問題ない。)

自民党非公認組(西村、萩生田、平沢)や自民寄り無所属(世耕、三反園、広瀬)だけではまだまだ足りない。

キャスティングボートを握るのは、「日本維新の会」と「国民民主党」になる。
しかし、この二党は連立を組まない事を既に表明している。
指名選挙で合意を取り付ける条件となると、身を切る改革(維新)やらトリガー条項(国民)などといった相手方の政策を呑まされる事になるかもしれない。

果たして、彼らが指名選挙で誰の名を書くのか。

また、石破に不満を持つ議員に対する造反対策も必要だ。
過半数ギリギリでは危険性が伴う。
もしも土壇場で全野党が、例えば立憲民主党の野田代表に投票したら、石破自民は倒れて、野党に転落する事になる。
衆議院第一党でありながらの野党転落となれば、1993年の細川内閣の再来になる。


今回の指名選挙については、1回戦では誰も過半数に満たないと見込まれ、決選投票にもつれ込む可能性が高いと思われる。
1回戦では基本的に各党の代表者に投票するが、決選投票になった時に他党がどういう投票行動に出るのか。

キャスティングボートを握る二党が、立憲野田の名を書くとは思えず、政権交代が起こる可能性は高くないと思うが、
石破自民が維持されようと、立憲野田に政権交代(後退)されようと、難しい政権運営を迫られる「泥船内閣」になるのは間違いない。

特別国会までの間は、激しい政局が行われるだろう。


この辺りの諸々の難しい政局が石破(と、森山)にできるのか???

というか、石破は辞任しないの???
「やっと掴んだ総裁総理のイスを簡単に手放してたまるか!」って事ですか???
森山も辞めないらしい。

一般企業なら役職辞任や降格人事になるのだが、永田町の論理では、目標を下回っても役職辞任や降格人事にはならないらしく、自民党の執行部にもそのような概念は無いらしい。唯一、進次郎だけが泥船から脱出したようだが。

やはり、一般人とは考え方がかなり乖離しているのだろう。

政治離れが進むのも納得してしまう。




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