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【B'z】ULTRA Treasure Style【Best ?】
前回のnoteで、B'zが初出演した紅白歌合戦や、紅白効果によって再浮上したベストアルバム【ULTRA Pleasure】(赤盤)について記した。
その【ULTRA Pleasure】と双璧をなすと位置付けられているベストアルバムに『ULTRA Pleasure』(青盤)がある。
だが、個人的に、このベストアルバムはあまりオススメできないアルバムとして位置付けられている。
■『B'z The Best "ULTRA Treasure"』とは?
2008年9月17日にリリースした『B'z The Best "ULTRA Treasure"』(青盤)は、20周年記念のベストアルバム第2弾で、インターネットでの投票形式によって選曲された。
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リリース形態は二形態ある。
★3CD (=2CD+1CD)
・2CD
⇒投票ベスト30曲+新曲1「グローリーデイズ」
・1CD
⇒新曲2「いつかまたここで」
★2CD+DVD
・2CD
⇒投票ベスト30曲+新曲1「グローリーデイズ」
・DVD
⇒ライブ映像『B'z SHOWCASE 2007 -19- at Zepp Tokyo』(2007.6.21)
ライブ映像は、SHOWCASEゆえにマニアックな楽曲も多くあり、初心者の人にはついていけない内容になっている。
映像は、後に『LIVE in なんば』と共にBlu-ray化された。
Blu-ray派の筆者は、当然すぐにBlu-rayを追加購入!
Blu-rayの高画質を知ったら、もうクソ画質のDVDには戻れない。
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■批判の的はリリース形態?
前述のようなリリース形態については、かなりの批判があったと見受けられる。
AmazonやHMVサイト等の低評価レビューは軒並みそういった意見で占めている。
「そんなセコいやり方などせず、新曲2曲とも2CDに収録して、特典DVDを付属すればよかったのでは?」
…と思った人は少なくないだろう。
確かに、そうしてくれたほうが一形態買えば済むし、財布にも優しい。
だが、筆者はリリース形態については、さほど不満はなかったほうでもある。
★3CD ⇒ ベストアルバム盤と新曲
★2CD+DVD ⇒ ライブ映像作品とオマケの2CD
…と、このように、半分以上無理矢理に脳内変換できたからだ。
あのライブ映像だけで4000円の価値は十分あると思ったし、殆ど気にならなかった。
それに、CD全盛期をとっくに過ぎた2008年においては、このような売り方をしなければ利益を上げられないだろうし、利益を得られないと次回作やライブにもカネをかけられなくなってしまう。
そういう、一定の「大人の事情」がある事も理解している。
■批判するべきはリリース形態よりも投票による選曲!
筆者個人的には、青盤はベストアルバムの中で「ダメアルバム」だと思っている。
巷で不評だったリリース形態よりも、寧ろ選曲のほうに大いに不満があった。
インターネット投票は40万票超あったそうだが、その多くはコアなファンによるものである事は容易に想像できる。
また、中間発表や最終結果の動向を見比べてみても、予定調和感が漂っていると感じた人もいたのではないか。
特に、「OH! GIRL」(中間23位→最終圏外)の急落や、「TIME」(中間21位→最終9位)のジャンプアップは明らかに不自然だった。
※中間発表(上位40曲)
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※最終結果(30曲)
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※収録曲(30曲+新曲)
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インターネット投票形式によって選曲された結果、、、
◎シングルA面曲(5曲)
・BLOWIN'⋯⋯新録
◎シングルB面曲(7曲)
◎アルバム曲(16曲)
・LOVE IS DEAD⋯⋯イントロカット
・F・E・A・R⋯⋯Remix
◎英語詞曲(2曲)
・DEVIL⋯⋯音飛び箇所を確認!
・Home⋯⋯アウトロがフェードアウトするVersion
◎新曲(2曲)
・グローリーデイズ⋯⋯2CDに収録
・いつかまたここで⋯⋯3CDのみ収録
⋯と、一般的な"ベストアルバム"を謳うには苦しく、全体的に見て纏まりがなく、バランスを欠いているように感じる。
少なくとも、赤盤で入り切らなかったシングルA面曲は、青盤で補完されるものと思いきや、14曲も収録漏れしてしまった。
初週1位の連続記録の始まりの「太陽のKomachi Angel」が選曲漏れ。
(01)だからその手を離して
(02)君の中で踊りたい
(03)LADY-GO-ROUND
(05)太陽のKomachi Angel
(07)愛しい人よGood Night...
(19-2)MOVE
(20)Real Thing Shakes
(21)FIREBALL
(23)Liar! Liar!
(28)May
(30)RING
(32)GOLD
(35)野性のENERGY
(37)ARIGATO
逆に、"Ballads"と被っている楽曲は5曲もある。
アルバム曲に関してはマニアックな楽曲が少なくない。
ココまでくると、もはや"ベストアルバム"というよりも、"Mixture"に限りなく近いものがある。
"ベストアルバム"を謳う以上は、特定のコアなファンだけでなく、ライト層⋯⋯それこそ、紅白で初めてB'zを知ったような一般層や初心者の人たちにも広く認識されたほうがよいのではないか。
「Brotherhood」や「夢見が丘」あたりのファン人気が高いのは理解できる。
個人的に見ても、『The 7th Blues』収録曲が3曲あるのは素直に嬉しい。
1曲1曲が良曲であるのも確か。
しかし、だからといって、アルバムの人気曲が"ベストアルバム"の毛色に合うかどうかは全くの別問題。
アルバム曲は、あくまでもアルバム全体のピースの一つとして収まっているもの。
そういった観点から、この青盤は、ベスト盤CDも特典DVDも、明らかに既存のコアなファン向けであり、
ライト層や初心者の人たちにとっては、聴いた事のある楽曲が殆どなく、思いのほか取っ付きづらいのは明確である。
ゆえに、初心者の人に対してオススメできるような代物ではなく、"ベストアルバム"として「ダメアルバム」と判断せざるを得ないというのが筆者の個人的な感想です。残念ながら。
あくまでも筆者の個人的な感想ですがね。
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