第50回衆議院議員総選挙 公示
10月9日(水)に衆議院が解散され、10月15日(火)に「第50回衆議院議員総選挙」が公示された。
10月16日(水)~10月26日(土)までが期日前投票。
10月27日(日)20時に投開票が行われ、「当選確実」も順次判明する。
■衆議院解散時の政党別議席数
☆自由民主党……258
※議長の額賀を含む。
※党員資格停止中の下村・西村を含む。
☆公明党……32
▽立憲民主党……98
※副議長の海江田を含む。
▽社会民主党……1
◇日本維新の会……41
◇教育無償化を実現する会……3
・日本共産党……10
・国民民主党……7
・れいわ新選組……3
・政党無所属……計12
・自由民主党・無所属の会……1
・立憲民主党・無所属……1
・有志の会……4
・無所属……6(うち1名は後に参政党に入党)
※欠員無し。
■衆議院解散とは?
総理大臣の専権事項として、政治センスと決断力を要する。
日本国憲法の下において、衆議院解散は今回で26回目である。
そのうち、、、
22回は、日本国憲法第7条に規定する「内閣の助言と承認」を解散権の実質的決定権の根拠として、内閣総理大臣による裁量で解散。(7条解散)
残り4回は、日本国憲法第69条に規定する「衆議院で不信任の決議案を可決」による解散。(69条解散)
※「衆議院で信任の決議案を否決」による解散は無い。
「伝家の宝刀」とも呼ばれている衆議院解散は、
勝利して国民の信任を得られれば、時の総理大臣は強い求心力を得られるが、
敗北して退陣というリスクも大いにある。
21世紀(2001年~)においては、以下のような感じになる。
◎解散総選挙に圧勝して強い信任と求心力を得た総理
→小泉純一郎(2005年)、安倍晋三(2014年・2017年)
×解散の好機を逃し、後に解散はしたが大敗した総理
→麻生太郎(2009年)、野田佳彦(2012年)
△解散の好機を逃し、解散できずに退陣した総理
→菅義偉、岸田文雄
※2003年の小泉自民は10議席減で、菅民主に40議席増の躍進を許したため、上記のいずれにも該当しない。(※公示前議席から見た増減)
※2021年の岸田自民は任期満了直前での解散だったため除外。(結果は、絶対安定多数261議席を確保)
さてさて、石破君は、圧勝して強い信任と求心力を得られるかな??
■衆議院議員総選挙の争点
来たる衆議院選挙では、様々な事が争点になると思われるが、
・岸田内閣の3年間の評価
・石破内閣に対する期待や評価
…が主な争点の一つとなります。
一つ言える事は、
自民党が過半数割れになって石破退陣となったとしても、岸田さんの再登板の可能性はないという事。
ごくイチブには、岸田再登板を夢見ているようであるが、
・「石破退陣→岸田再登板」の可能性は殆どゼロ。
・「石破退陣→(他の誰か)→岸田再登板」の可能性ならある。
圧勝したらしたで、石破内閣は継続されるので、岸田さんの出る幕はなくなってしまうだろう。裏で操るしかないw
筆者は、たかが1000人程度を対象にしたマスコミ世論調査における内閣支持率や政党支持率に一喜一憂するタイプではありませんが、
自民党の支持率が低下したのは、岸田総裁総理がナントカ教会の初期対応や不記載問題の初期対応を無駄に誤ったからだと思っている。申し訳ないが。
初期段階で迅速に鎮静化に向けて動いていたらあんな事にはならなかったし、総裁選挙に出馬して余裕で再選していたのかもしれない。
■区割りの改定等による影響は?
「第50回衆議院議員総選挙」より、区割りの改定が行われる。
全体の定数は、小選挙区289・比例代表176と、前回から変更はないが、
区割りが変更され、小選挙区は10増10減となり、比例代表も3増3減となる。
都市部の定数が増加し、地方の定数は減少する。
特に東京都は、小選挙区5・比例代表2増加する。
まさに、
小選挙区は『都市部10増・地方10減』
比例代表は『都市部3増・地方3減』
である。
定数是正による区割りの改定等がどんな影響をもたらすか。
少なくとも、前回の衆議院選挙と単純比較することはできないだろう。
石破は、地方の高齢者には人気があるようだが、都市部ではイマイチである。(総裁選挙の党員票で証明済み)
若者ウケもあまりよろしくない。
都市部の影響が増せば、石破の票田でもある地方の老人ばかりに配慮していられなくなるのではないか。
ただでさえ15年ぶりの自民党大逆風選挙というのに、
若者向けの政策パッケージを用意できなければ、都市部では苦戦することになるのではないか。
■より重要なのは、来年夏の参議院選挙
これから先1~2年の間で重要なのは、今回の衆議院選挙よりも、寧ろ、来年夏の参議院選挙であろう。
解散権が及ばない参議院で、自公連立が過半数割れをし、多数派(第一党)をバカ野党どもに明け渡そうものなら、どんな事になるか。
どれだけ衆議院で多数派を取って法案を通せても、参議院で多数派を取れていなければ法案は否決されてしまう。
そんな「ねじれ現象」が3~6年も続くとなれば、「決められない政治」と非難され、ゆくゆくは衆議院まで食われる事になりかねない。
衆議院と参議院の「数のチカラ」で考えられるのは主に以下の4パターン。
(1)衆議院は自公が多数派 ・ 参議院も自公が多数派
⇒政権運営安定
(2)衆議院は立憲らが多数派 ・ 参議院は自公が多数派
⇒ねじれ現象
※バカ法案が衆議院を通過しても、参議院で否決に追い込める。
(3)衆議院は自公が多数派 ・ 参議院は立憲らが多数派
⇒ねじれ現象
※法案が衆議院を通過できても、参議院で否決されてしまう。
(4)衆議院は立憲らが多数派 ・ 参議院も立憲らが多数派
⇒悪夢と地獄
※バカ法案が衆議院を通過し、参議院で可決成立されてしまう。
現在は(1)であるが、
今回の衆議院選挙の結果次第では(2)に転落する可能性もある。
(2)に転落すると、来年夏の参議院選挙で(4)も見えてしまう。
■二重処分の本当の理由が見えてきた
今回の衆議院選挙では、どんな形であれ、不記載・誤記載やナントカ教会云々に関する禊を済ませ、"決着"をつけておかなければならない。
(小泉進次郎が、総裁選挙で掲げていた"決着"の本当の意味も、もしかしたらココにあったのかも??? そう考えれば、段々と辻褄が合ってくるか。)
裏金だのナントカ教会だのと、いつまでも引き摺ったまま来年夏の参議院選挙に悪影響を与えるわけにはいかない。3年に一度やってくる参議院選挙は、常に「絶対に負けられない戦い」だ。
参議院は「衆議院の下部組織」とか「官邸の下請け」とか言われてきた事も過去にあったようだが、
選挙の重要度でいえば、衆議院よりも参議院のほうが遥かに上だと思う。
いくら「衆議院の優越」があるとはいえ、解散権が及ばない参議院を握られたら圧倒的に不利になるのは間違いない。
思い出してほしい。
2005年夏の衆議院選挙(郵政選挙)で、小泉自民党は圧勝したのに、
2007年夏の参議院選挙で、安倍自民党は大敗し、自公は参議院で多数派ではなくなってしまった。
これにより、「ねじれ現象」が生じてしまい、その後の福田内閣や麻生内閣では政権運営が不安定のまま。まさに「決められない政治」だった。
しまいには、衆議院まで多数派を取られてしまい、政権交代してしまった。
『悪夢で地獄の民主党政権』とは、衆参ともに民主党に多数派を取られた状態だったからこそ言えた事でもある。
2010年夏の参議院選挙でも自民党は勝つ事ができず、民主党の参議院第一党は続いた。(2013年夏に安倍自民がやっと奪還)
ここ二週間ほど冷静さを失い、感情的にもなってしまった筆者であるが、
掟破りの二重処分をしてまで、選挙戦術としては到底あり得ない「非公認」や「比例名簿非登載」にした本当の理由が段々見えてきたような気がする。
そして、石破は完全に「捨て石」。
"石"破だけに捨て"石"だった。
という事は、このシナリオは誰か別の者が描いているのでは???
そう思えてしまうくらいだ。
今回の衆議院選挙で「石破では来年の参議院選挙は戦えない」というのを作り出して退陣に追むのが理想であるが、果たしてどうなることやら。
■最高裁判所裁判官国民審査
衆議院議員総選挙と同時に「最高裁判所裁判官国民審査」も行われる。(憲法79条2)
今回、審査対象となるのは6名の最高裁判官。
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