よんもじ vol.4 一句感想
早いもので「よんもじ」も春夏秋冬、気づけば一年経ちました。
続けていく中でデザイン(レイアウト)が見やすいという声もちらほら聞こえてきまして、編集担当としてはうれしい限りです。これからも見やすさとおしゃれ感(言い方)のどっちも向上させていきたいと思います。ちなみに、デザイン系の勉強はまったくしていないので、これぞ下手の横好きってやつです。Canvaありがとう。ありがとうCanva(大抵どうにかなります。おすすめ)
今回は久留島さんをゲストにお招きし、大ボリュームとなっております。久留島さんとメンバーとの関係は、ぜひ冬号をご覧ください!
というわけで、一句ずつ紹介しつつ感想を書いていきます。わたしの鈍りきったBLセンサーでも作動するレベルの句がちらほらあったので、終始「かわいい」しか言ってません。悪しからず。
二人ずつ濡れて使って時雨傘 久留島元
傘は濡れないように使うものなんですが、敢えて「濡れて使って」なんですよね。しかも「二人ずつ」。なんでやねん……と一瞬抱えるんですが、「濡れて使って」の軽やかさが、ちょっと惚気にも思えるのが憎いですよね。かわいいなぁ。
外套脱いで憎まれ口から始まる 諸星千綾
これまたかわいい句。「憎まれ口」ってかわいくないですか? めっちゃ口悪く、どんだけ待ったと思ってんねんほんまに……とブツブツ言われているとしても、です。「始まる」ということは、これから一緒にご飯を食べるなり、飲むなりするわけじゃないですか。怒って帰らないわけじゃないですか。かわいいですよねぇ。
ウインドウにトミカの新車クリスマス 藤田亜未
トミカやプラレールって、男の子のおもちゃのイメージが強いし、CMも男の子が遊んでいることが多いですよね。わたしはトミカが欲しかった子どもだったので、大人になって「あ、トミカの新車や」って思うことがあります。大人だって欲しいもん。子どものためにおもちゃを探しに来ていたとしても、欲しいもんは欲しい。
君は勝手に湯湯婆の湯を使ふ 西川火尖
ええやん、べつに使っても!(ばくしょう) やかんからとぽとぽとマグカップにお湯が注がれていくのを見ながら「ゆたんぽに使うんだよそれ」って言うんでしょ。まだゆたんぽの湯と決まってない湯なのかな、と思いました。「勝手に」って言ってるけど、どうせお湯に限った話じゃないんだろうな。そんなささやかな日常がいじらしい。
冬って、人とのあたたかさとか、日常のささやかな幸福感をより強く感じる季節なのかな、と思います。そういうことを求めている季節なのかもしれません。
そんな大ボリュームのよんもじ vol.4はネットプリントは12日午前9時まで、ダウンロードは18日まで可能です。ぜひお手に取ってみてください。
今回、わたしの連作はモチーフがモチーフだったのでいろんな角度からお楽しみいただければと思います。最後に、お気に入りの自作句を。
親友じゃなくて相棒ひなたぼこ 相田えぬ