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FX取引と税金

2020年は色々な出来事があって為替の値動きも激しかったですね。

実は僕も少しだけFXをやっています。

人様に自慢できるほどの儲けは出ていないですが・・・。

まぁ、これだけ色々あった2020年に何度も被弾(?)しながら、とりあえず黒字を維持できているので、まだよい方なのかなと思っています。

FX取引に関する税金は改正が行われて分かりやすくなっています。国税庁の「確定申告コーナー」でも簡単に申告書が作成できるので、忘れずに申告しましょう。

FXと確定申告

1.FX取引の課税区分

所得税は、その所得をどうやって稼いだかによって10種類に所得を分けてそれぞれ計算をします。

まず、FX取引の場合には専業なのか副業なのかで異なります。

ざっくり言うと、

専業トレーダーの場合:事業所得 or 雑所得(先物取引等)

副業トレーダーの場合:雑所得(先物取引等)

となります。

事業所得は、言葉のとおり個人事業として行ったものです。

一方で雑所得とは、どの所得にも属さない雑多なもの、つまり”その他の所得”という意味です。

さらに雑所得は色々な種類のものがあるので、更にいくつかに細分化されています。FX取引は「先物取引等」という区分になります。


事業所得と雑所得(先物取引等)では課税の方法が異なります。

事業所得は「総合課税方式」で累進税率(15.105%~55.945%)

事業所得の場合には「総合課税方式」といって、

事業の他に給与や不動産などから得た収入などと合計して税率をかける方法で課税されます。

この場合、税率は累進税率といって所得が高ければ高いほど税率も高くなる方式が適用され、5%~45%の所得税がかかります。その他に復興特別所得税と住民税もかかるので、すべて合わせると15.105%~55.945%の税金がかかります。

雑所得(先物取引等)は「分離課税」(一律20.315%)

一方で雑所得(先物取引等)は「分離課税」といって他の所得や雑所得でも種類の違うものとは合計しないで、単独で課税する方法が取られています。税率は、所得にかかわらず一定で、20.315%です。(内訳は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)


上記のように専業の人であっても所得が多い人にとっては、雑所得として申告した方が有利になる可能性があります。


なお、専業トレーダーの場合には、

事業所得か雑所得か、どちらで申告するかを選ぶことができます。

ただし、事業所得とする場合には「開業届」を提出しなけれなりません。

開業届は、原則として事業をはじめてから1か月以内に提出をしないといけません。

なので、年末に「どっちにしようかな?」と選ぶことはできないので注意してください。


2.FX取引の税金の計算方法

FX取引による所得は、次のように計算します。

(決済損益 + スワップ損益) - 必要経費 = 所得

決済損益とスワップ損益については、証券会社やFX取引所などから手に入ると思うので、その金額をそのまま用います。

そして、やはり気になるのは「何が必要経費」なるかだと思います。

必要経費になるものの例

下記は必要経費の例です。

ただし、ケースバイケースなので税理士か税務署に相談してください。

〇基本的に全額必要経費にできると考えられるもの

・FX関係の書籍代金、有料サイトの代金

・研修や勉強会などの参加費、会場までの交通費や宿泊代(ただし、勉強会の翌日は観光したなどの場合には、注意。)

・EAソフトなどの料金


〇FX取引に使った分だけ経費にできると考えられるもの

・インターネット代、スマホの通信料

※実際に利用した時間など、例えば毎日2時間トレードしているなら、

 2時間分だけ費用にするなどの対応が必要。


・FX取引のために購入したパソコンやタブレット端末などの代金

※10万円未満の場合は、購入した年に全額経費にできる。

 10万円~20万円未満の場合には3分の1ずつ三年間で経費にする。

 20万円以上の場合には、パソコンなら4年間で経費にする。


〇おそらく難しいと思われるもの

よく自宅で事業をやっている場合に、

水道光熱費などもいくらか経費にできるという話があります。

ただ、構造上、トレード専用の部屋がある、など

明らかにスペースを分けられる場合でなければ、

実際には難しいです。

基本的には難しいと考えた方がよいです。


3.海外のFX取引所を利用している場合には「総合課税」!

高レバレッジが可能なことや手数料が安いこともあって、海外のFX取引所を利用しているトレーダーのいるかと思います。

海外のFX取引所を利用している場合には、上記の「分離課税」の対象にはありません。同じ雑所得でも「総合課税」の対象となります。

これは、分離課税となる「先物取引等」は日本の法律が適用される取引所に限られているからです。

海外の取引所には日本の法律は適用されない・できないので、この範囲から外れることになります。

4.ビットコインFXなどの仮想通貨のFXは「雑所得(その他)」で「総合課税」!

ビットコインなどのFXがありますが、これも分離課税になりません。

同じくどのような取引が税務上の「先物取引等」に該当するかは法令に書かれているのですが、

仮想通貨FXは現在のところ、この定義に当てはまりません。

したがって、仮想通貨FXは雑所得でも総合課税です。


5.年間で損失が出た場合でも申告して翌年以降に繰り越しましょう。

FX取引で損失が出た場合、確定申告をすることで3年間繰り越すことができます。

例えば、今年2020年に損失が出たけど、

翌年2021年は黒字という場合には、これを相殺することができます。

要件は、確定申告をすることです。

また、例えば、

1年目 ・・・ 赤字

2年目 ・・・ 利益が出たが20万円以下だったので申告しなかった

3年目 ・・・ 黒字

というようなケースでは、1年目の赤字を申告したい場合には

2年目の分も忘れずに申告しないといけません。


赤字が出ても翌年以降に黒字にすることができれば、

無駄にはならないので確定申告を忘れずにしましょう。

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