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食品表示法に基づく食品表示基準の一部改正に係る消費者委員会への諮問について 概要

食品表示法に基づく食品表示基準の一部改正に係る消費者委員会への諮問について 概要(本文1,527文字)
 
 
消費者庁は、令和6年12月25日付けにてニュースリリースを発信し、「食品表示法に基づく食品表示基準の一部改正に係る消費者委員会への諮問について」として、食品表示基準関する情報を公表しました。
 
 
<概要>
消費者庁は、食品表示法(平成25年法律第70号)第4条第6項の規定により準用することとされた同条第2項の規定に基づき、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)の一部改正に係る消費者委員会への諮問を行いました。
 
1. 諮問に至った経緯
1-1. 背景
食品表示法は、消費者が食品の安全性や栄養価を正しく理解できるようにするための法律である。近年、栄養強化食品や特定保健用食品の需要が増加しており、これに伴い食品表示の適正化が求められている。
1-2. 問題点の認識
現行の食品表示基準では、栄養強化目的で使用される食品添加物に関する表示が免除されている。この免除規定が消費者の誤解を招く可能性があるとの指摘があった。
1-3. 改正の必要性
消費者が正確な情報を得られるようにするため、表示免除規定の見直しが必要とされた。また、新しい「日本人の食事摂取基準 (2025年版)」に基づき、栄養素等表示基準値の改正も必要とされた。
 
2. 改正の内容
2-1. 栄養強化目的で使用した食品添加物に係る表示免除規定の削除
・ 令和2年3月に公表された「食品添加物表示制度に関する検討会報告書」を踏まえ、第3条第1項、別表第4「個別の表示ルール(名称、原材料名、添加物、内容量)」及び別表第24「一般用生鮮食品の個別的表示事項」に規定された、一般用加工食品の横断的義務表示における添加物の免除規定のうち、栄養強化の目的で使用されるものに関する記述を削除することとする。
2-2. 栄養素等表示基準値等の改正
・ 令和6年10月に公表された「日本人の食事摂取基準 (2025年版)」策定検討会報告書(厚生労働省)を踏まえ、別表第10「栄養素等表示基準値」に規定している栄養素等表示基準値を改正することとする。
・ 併せて、別表第12「栄養成分の補給ができる旨の表示の基準値」に規定している栄養素等表示基準値を根拠に基準値を決定している栄養強調表示の基準値も改正することとする。
・ 令和5年度に実施した調査において、「食物繊維」については、低含有量である場合、大きな試験室間誤差が生じることが確認されたため、許容差の範囲の見直し、0と表示することができる量の規定を追加する等、別表第9「栄養成分及び熱量の表示単位、測定法、許容差の範囲及びゼロと表示できる場合の含有量」に規定している当該物質の許容差の範囲等を改正することとする。
・ 令和5年度に実施した調査において、ビタミンB群における高速液体クロマトグラフ法について、分析方法として食品表示基準に位置付けることが適当である旨の評価があったことを踏まえ、別表第9「栄養成分及び熱量の表示単位、測定法、許容差の範囲及びゼロと表示できる場合の含有量」に規定している当該物質の測定及び算出の方法を改正することとする。
2-3. 個別品目ごとの表示ルールの見直し
・ 令和6年度に開催された「個別品目ごとの表示ルール見直し分科会」における検討結果を踏まえ、別表第3「食品の定義」、別表第4「個別の表示ルール(名称、原材料名、添加物、内容量)」、別表第5「名称の規制」、別表第19「追加的な表示事項」、別表第20「表示の様式」及び別表第22「表示禁止事項」について、所要の見直しを行うこととする。
 
 
<今後の展望>
食品表示基準の改正により、消費者はより正確な情報を得られ、食品購入の場面で選択が容易になっていくことが期待されます。食品業界においても情報の透明性が向上し、消費者からの信頼を高めることができます。これらによって、健康志向の高まりに対応した市場の拡大も見込まれます。
 
 
 
<一次情報>
食品表示法に基づく食品表示基準の一部改正に係る消費者委員会への諮問について
https://www.caa.go.jp/notice/entry/040562/
https://www.caa.go.jp/notice/assets/food_labeling_cms201_241225_03.pdf
 
<関連情報>

 
 
 

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