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ウェットFIPの猫の腹水を抜くのはNGな理由

猫の飼い主の皆さん、こんにちは。
いつもお読みいただきありがとうございます。

今日はみなさんに「ウェットFIPの猫の腹水を抜くのはNGな理由」についてシェアしていきたいと思います。


湿性(ウェット)FIPの猫では、腹部や胸部に液体が溜まるのは血管の炎症が原因です。これを医学用語では「血管炎」と呼びます。

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原因、見分け方、治療法、そして余命に関する完全ガイド

さて、この液体、抜いた方がいいのでしょうか? それはケースバイケースです。
ここでは、2つの異なるシナリオを紹介し、それぞれに対するおすすめの対応方法をお伝えします。

シナリオ I: 腹部の膨らみは見られるけれど、猫は元気に食べたり飲んだりしていて、呼吸にも問題はなし


こんな場合、腹水を抜くのはあまりおすすめしません。なぜなら、GS-441524を6mg/kgでしっかり治療を開始すれば、1.5~2週間以内に腹部の膨らみが小さくなり、腹水も自然に体内に吸収され、FIPウイルスは徐々に体外に排出されます。

腹水を抜いても、すぐに戻ってきてしまう上、脱水や体内のタンパク質が失われるリスクがあります。もし猫が元気に食べて飲んでいて、息苦しさを感じていなければ、そのまま治療を進めていく方が体へのダメージを減らせます。

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シナリオ II: 腹部の膨らみがひどく、呼吸や食事に支障が出ている


こんな場合は、腹水を全部取り除くのではなく、一部だけを取り除くことが必要です。呼吸困難があると心臓にも負担がかかり、最悪の場合、心不全につながることもあります。腹部の液体を少し取り除くことで、呼吸が楽になるメリットはありますが、脱水やタンパク質の減少にも注意が必要です。

ただし、気をつけるべきは、あまりに多くの液体を取り除くと、猫の体がショック状態になり、命に関わることもあるという点です。一般的には、腹腔内の液体の30%以下を取り除くのが安全と言われています。特に、子猫や高齢の猫には、さらに控えめに液体を取り除くことが大切です。

そして、忘れてはいけないのは、GS-441524という抗ウイルス治療を始めない限り、体液は再び溜まってしまうということです。治療を開始する際は、最初に4mg/kgで始め、徐々に6mg/kgまで増やしていくのがおすすめです。

このシナリオでは回復に時間がかかりますが、治療が進むにつれて、液体の減少が早くなるでしょう。

上記の2つのシナリオから、次ことが言えます

  1. 呼吸や食事が問題ないなら、水分を無理に抜くのは避ける
    猫が元気であれば、無理に液体を取る必要はありません。

  2. 液体を抜くときは、少しずつ慎重に
    一気に取り除くと、猫の体に負担がかかることがあるので、必要な量だけを取り除くようにしましょう。

  3. もしGS-441524で治療していないなら、体液はすぐに戻り、状態が悪化しやすい
    抗炎症薬は一時的に楽にするかもしれませんが、ウイルスの増殖を抑えるわけではないので、FIP治療にはGS-441524が必要です。

最後に


FIPの治療は飼い主さんにとって非常に辛い時期ですが、正しい情報と治療法が希望に繋がることもあります。大切な愛猫のために、焦らずに冷静な判断をしていただければと思います。何よりも、猫の体調に合わせた適切な対応が一番の治療につながります。

参考: CureFIP https://www.curefipjapan.com/

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もし愛猫がFIPの兆候を見せたら、すぐに近くの獣医さんに連れて行って、正確な診断と治療を受けてくださいね。

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