猫伝染性腹膜炎(FIP)の新しい有効な治療法 GS441524
猫の飼い主の皆さん、こんにちは。
猫伝染性腹膜炎(FIP)の新しい治療薬について、皆さんご存知でしょうか?
実際に使っている方々から「効果があった」という声をたくさん聞いています。
治療を始めてからの最初の1週間は少し大変かもしれませんが、この新しい治療薬を受けた猫は食欲や元気が戻ってくることが多いです。
FIPによる合併症や二次感染を防ぐためにも、できるだけ早く獣医さんに相談するのが大切です。
FIPの予防と治療に役立つヒントもあるので、ぜひブログをチェックしてみてください。
猫伝染性腹膜炎の原因は?
猫伝染性腹膜炎(FIP)の原因は「猫コロナウイルス」というウイルスです。
コロナウイルスという名前を聞くと、ちょっと警戒してしまうかもしれませんが、COVID-19の原因となる人間のコロナウイルスとは全く異なり、猫コロナウイルスは猫同士でしか感染しません。
実は、猫コロナウイルスはほとんどの場合、猫腸管ウイルス(FECV)という、無害で軽い症状しか引き起こさないウイルスです。ほとんどの猫はこれに感染しても、軽い下痢程度で済み、獣医の治療で簡単に回復します。
でも、まれに2%以下のケースで、このウイルスが変異して「猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)」に変わり、FIPを引き起こします。FIPは非常に重い病気で、ほとんどの場合命に関わります。
FIPは、年齢に関係なく、どの猫でもかかる可能性があります。これまで獣医さんたちはFIPに対して、インターフェロンオメガや免疫調整剤、ステロイド、抗生物質などを使ってきましたが、これらはあくまで症状を和らげるだけで、ウイルス自体を治すことはできませんでした。
数年前には「GC376」という新しい抗ウイルス薬が登場し、FIP治療の希望として期待されましたが、残念ながらその後の研究で、FIPの多くのケースに効果がなく、再発する可能性も高いことがわかりました。これにより、獣医師や飼い主さんたちは、今もFIPに対する有効な治療法を見つけられずにいます。
猫のFIP治療|GS441524
FIP(猫伝染性腹膜炎)の治療に関して、カリフォルニア大学デービス校のニールス・ペダーセン博士と研究チームが、人間用の抗ウイルス薬を使うことを決めたとき、獣医学において大きな転機が訪れました。このアイデアは大成功を収め、31匹の猫を12週間治療した結果、83%という驚異的な効果を示しました。この結果、世界中のFIPに悩む猫の飼い主たちは、ついに希望の光を見出せたのです。
使用されたのは「GS441524」という薬で、これがFIPに対して非常に効果的だと確認されました。この薬は、滲出性FIP(ウェットFIP)にも非滲出性FIP(ドライFIP)にも効果があることが分かり、獣医学の大きな進歩となりました。その後、世界中で実施された臨床試験でも、UCデービスチームの成果が再確認されました。現在では、GS441524がFIP治療における有力な選択肢として、世界中で注目を集めています。
GS441524は皮下注射で投与され、FIPウイルスの増殖を抑えることによって効果を発揮します。治療を受けた猫は、わずか3〜4日で目に見える回復の兆しを見せることが多いです。発熱や食欲不振、腹部の腫れといった一般的な症状に加えて、痙攣や麻痺といった神経系の症状にも効果があることが証明されています。また、GS441524はFIPの治療だけでなく、診断にも使うことができます。
この抗ウイルス薬は、アメリカをはじめとする多くの国で承認を待っていますが、現在ではインターネットのおかげで、多くの場所で猫の飼い主や獣医師が公式ではないルートから入手できるようになっています。もし購入を考えているなら、以下のサイトが参考になります。
www.curefipjapan.com - GS441524のオンライン注文を先駆けて提供しているサイトで、迅速で親切なカスタマーサービスが特徴です。
今では、Googleで検索すれば、あなたの地域にあるFIP治療のオンラインコミュニティも簡単に見つかります。FIPの治療は、まさに21世紀の獣医学の最前線です。ただし、この新しいアプローチには、リスクも伴います。
信頼できる供給元を選ぶことがとても大切です。
信頼性のある業者を見極めるために、どんな基準で選べば良いかをしっかり確認することが必要です。
FIP治療薬を購入する前に知っておきたい3つのポイント
1.価格ではなく、評判を重視
獣医師が最安値を選ばないのと同じように、飼い主さんも価格だけで選んではいけません。
最近、FIPの自助グループで、安価な無名の販売者から購入したGS-441524を使って治療した猫たちが残念ながら亡くなったという報告がありました。
GS-441524が有効であることは証明されていますが、これらのケースは非常に稀です。調査の結果では、これらの製品は「15mg/ml」と記載されていたにもかかわらず、実際には7〜8mg/ml程度しか含まれていないことが分かりました。さらに、品質が不安定で、製造のたびにpHや粘度が変動していることも。
質の良い薬を作るには、専門的な知識や精密な機器、高品質の材料が必要なので、それを安く手に入れることは難しいんです。
2.信頼できるブランドのウェブサイトや正規販売店から直接購入
購入先が信頼できるところかどうか迷ったら、まずそのブランドの公式サイトや正規の販売店から買うのが安心です。もしそのブランドがオンラインで見つからない場合は、注意が必要です。GS-441524は高価な治療薬なので、悪質な業者が水で薄めたり、発送中に中身を変えることもあります。こうしたことが起こるのは少ないですが、過去に実際にあった事例です。
3.FIPに詳しい販売者としっかり話す
単に薬を買うだけじゃなく、治療に関する知識も一緒に手に入れたいですよね。
販売者がFIPやその治療法について本当に詳しいか、しっかり確認しましょう。質問に対してオープンで透明性のある回答をしてくれるか、あなたの猫の状態を理解しようと努力しているか、そして治療の進行中にどんな問題が起こりうるかまで説明してくれるかが大切です。最終的に、その人の話が理にかなっているかどうかを判断するのがポイントです。
FIPの症状
FIP(猫伝染性腹膜炎)は、経験豊富な獣医師でも診断が難しいことがあります。
というのも、FIPの症状は他の一般的な病気と似ていることが多いからです。それに、FIPに感染している猫は世界中で約1%しかいないため、まずは他の病気を疑うことがほとんどです。もしFIPが進行して他の病気の疑いがなくなった場合に、初めてFIPが疑われることが多いです。
FIPの外から見える症状にはこんなものが…
無気力で動きが少ない
食欲がない
続く発熱
歯茎や目が黄色くなる(これを黄疸と言います)
お腹が大きく腫れる
体の麻痺
内部での症状(検査でわかるもの)
赤血球が少ない
白血球が多い
血液中のタンパク質が増えている
お腹や胸に体液が溜まっている場合、獣医師はその体液をサンプルとして取って調べることがあります。この液体が高タンパクで黄色っぽい場合、FIPの可能性が高いと言われています。そのため、獣医師はX線や超音波でさらに詳しく調べることが多いです。
また、FIPを診断するための検査もいくつかあります。例えば、免疫ペルオキシダーゼ検査では、ウイルスに感染した白血球を調べたり、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で体液や組織にウイルスがいるかを調べたりします。時には、感染した組織を生検することもあります。
ただし、これらの検査があっても、どれも100%正確というわけではありません。
ですので、FIPの診断は慎重に行う必要があります。
湿性FIP(滲出型猫伝染性腹膜炎)について
湿性FIPは、FIPの中でもよく知られているタイプで、感染した猫の体内でウイルスが全身に広がり、さまざまな症状を引き起こします。代表的な症状として、腹部に水が溜まる腹膜炎や、胸腔に水が溜まることがあります。さらに、ウイルスが脳、目、肝臓、腎臓などの重要な器官に炎症を引き起こすこともあります。
湿性FIPの原因は「血管炎」と呼ばれる血管の炎症です。この炎症が体中で広がり、あらゆる器官やシステムに影響を及ぼします。炎症でダメージを受けた血管からは、タンパク質が豊富な液体が漏れ出し、その液体が体の空間に溜まっていきます。
湿性FIPの中でも最も一般的な症状は、腹部に液体が溜まることです。このため、「腹膜炎」という名前がついていますが、実際には腹腔(お腹の中)の内壁に炎症が起こることを指します。
湿性FIPは、目に見える明確な症状が現れるため、診断が比較的容易です。例えば、お腹が膨らんでいる場合、腹部に水が溜まっているサインであり、息がしづらい場合は胸腔に水が溜まっている可能性があります。
湿性FIPの症状に気づいたら、早めに獣医師に相談することが大切です。
ドライFIP(非発症型猫伝染性腹膜炎)について
ドライFIPは、湿性FIPとは異なる症状を示します。このタイプのFIPでは、FIPウイルスが「肉芽腫性炎症」と呼ばれる特有の炎症反応を引き起こします。簡単に言うと、ウイルスを囲むように炎症が広がり、その周りの組織を傷つけていきます。どの臓器や器官にも影響を及ぼす可能性がありますが、特にウイルスが集中するのは中枢神経系と目です。
ドライFIPは、最初の段階では他の一般的な猫の病気と似た症状が現れるため、最初に診断するのがかなり難しいです。潜伏期間が長いことも特徴で、2週間以上症状が現れないこともあります。この間、猫は見た目には健康で元気に見えることが多いですが、症状が進行すると、身体の麻痺や痙攣などの神経系の問題が急速に悪化していきます。
もし猫にこんな症状が見られたら、早期に獣医師に相談することが重要です。ドライFIPは時間が経つと急激に悪化することがあるので、早めの対応がカギになります。
猫のFIPの診断
猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)は、診断が難しくて他の病気と間違えられることがよくあります。FIPの症状は、発熱、体重減少、下痢、元気がなくなる(嗜眠)、目の濁り、呼吸が苦しそうで喉から黄色っぽい液体を吐く、腹部の腫れなど、どれもよくある感染症と似ているため、FIPを疑うのは後回しにされがちです。だからこそ、FIPを早期に診断するためには、いくつかの検査と経験豊富な獣医師の直感が大事になります。
FIPを確定するために獣医師がよく行う主な検査を紹介します。残念ながら、FIPを完全に診断できる「これ一本」の検査はないのが現実。でも、これらの検査を組み合わせることで、FIPの可能性を絞り込んでいきます。
1. 抗体検査
抗体検査は、血液中に存在する抗体のレベルを測定するものです。これらの抗体は、ウイルスや細菌などの病原体が免疫系の反応を起こしたときに産生されます。抗体検査の詳細については、こちらをご覧ください。
2. 組織検査(ヒストパソロジー)
医師は、外科的に組織を採取して検査します。
まず、獣医師はその組織を保存し、薄くスライスして特別な染色を施します。この過程を「組織学」と呼びます。染色された組織は、獣医師が顕微鏡で詳しく調べ、FIPに関連する特徴的な炎症や異常を探します。
この方法は、診断の精度が高いとされていますが、時間がかかり、コストもかかるのが難点。ですが、獣医学の病理学者は、組織の状態を見て、病気がどう進行するかの予測(これを「予後」といいます)を立てることができるため、治療方針を決めるためには非常に役立つ情報を提供してくれます。
3. Rivaltaテスト
このテストは、特に湿性FIP(滲出型FIP)の診断に使われます。猫の腹部や胸部から液体を採取し、特定の液体と反応させて、FIPの特徴的な反応が出るかを見る方法です。シンプルで有効な検査法として、多くの獣医が行っています。
Rivaltaテストの実施動画はこちらからご覧いただけます
4. 血液検査
猫がFIPに感染しているかどうかを調べるために、獣医師がよく使うのが「総合的な血液検査」です。この検査では、まず「CBC(完全血球計算)」というテストで、白血球が増えているか、赤血球が少ないかを確認します。
生化学的プロファイルでは、血液中の総タンパク質やグロブリンの量を調べます。これらが増えている場合、体がウイルスに反応して炎症を起こしている可能性があります。また、獣医師はA/G比(アルブミンとグロブリンの比率)に注目して、FIP感染の初期兆候を見逃さないようにしています。
この血液レポートの例では、FIP陽性の猫で、総タンパク質やグロブリンの値が上がっている「高グロブリン血症」が確認されます。これは、体がウイルスに反応して炎症を起こしているサインです。
ただし、これらの検査結果だけでFIPと断定することはできません。他の病気でも同じような症状が出ることがあるからです。たとえば、FIPが疑われる高齢の猫で腎臓の値が高い場合、可能性として以下のようなケースが考えられます:
FIPを伴う慢性腎不全(FIPと腎不全が同時に発生している)
FIPではない慢性腎不全
FIPが原因で腎臓に影響が出ている
FIPによる脱水症状
他の病気が原因で脱水症状が出ている
これらの原因をしっかり区別するためにも、追加の検査や慎重な診断が必要です。
FIPを予防するには?
FIPを引き起こす猫コロナウイルス(FCoV)は、感染力が非常に強いですが、FIPそのものは猫から猫に直接伝染することはありません。FCoVは、感染した猫の唾液や尿、体液、さらには排泄物を通じて広がります。そのため、FIPは特に多頭飼いの家庭で見られることが多いです。もちろん、単独で飼われている猫でも、外に出ることで街中の猫と接触したり、レスキューやブリーダーの施設で感染することもあります。
多頭飼いの場合は、FIPに感染した猫を隔離することが推奨されていますが、実際には他の猫同士でウイルスが広がっていることもあるので注意が必要です。
もしFIPが心配なら、まず猫のFCoVの感染検査(クイックテスト)を行うことができます。陰性であれば、お近くの動物病院でFIPVワクチンの接種を検討するのも一つの方法です。現在のワクチンは約50%の有効性がありますが、それでも一定の予防効果が期待でき、猫がFIPにかかるリスクを減らすことができます。
また、もし猫を外に出す場合は、他の動物の唾液や糞尿に接触しないように気を付けましょう。リードをつけておくと、外出先でも安全に過ごせるのでおすすめです。
終わりに
このFIP治療に関する情報を、FIPという病気をもっと理解し、効果的な治療法を見つけるための参考になればと思って書きました。
この記事で紹介しきれなかった情報もまだたくさんありますので、公式サイトをチェックしてみてください。
参考: CureFIP https://www.curefipjapan.com/
Facebookにアクセス:https://www.facebook.com/curefipjp
もし愛猫がFIPの兆候を見せたら、すぐに近くの獣医さんに連れて行って、正確な診断と治療を受けてくださいね。
CureFIPでは、FIPウイルスとその治療についてさらに相談することができます。
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