ながい指と
たくさんは喋らないくちびる
目を伏せた時におちる
ながい睫毛のかげ
ちょっとキレイな女の人みたいな男性
たぶん、彼とは何も喋れないだろうなと思わせるたたずまい
静寂が似合うわけじゃなくて、そこに混じり合っている
買いかぶっているのか
わからない
興味深そうにこちらを見つめてくる時
きらきらとした黒いひとみ
なにか喋りかけてくる君の眼差し
そんなふうに雄弁にはなれない
誰かの言葉でうたう君
自分の言葉はそのくちびるからは出ない
でも、なにかを雄弁に語っている
わたしは、しってる
くちびるでしない会話
もらさず、きいている、わたし
#詩みたいななにか