留学三日目①
シエナに留学中の日本人の日記(らしきなにか)。
家族へ向けての報告も含んでいるため、記録がメイン。家族からの要望によっては、情報量を増やし、レイアウトも調整する。
プライバシーの関係上、個人に関する情報は抑える。
起こったこと
一日目
日本時間の9月29日に出発。
関空からドーハまで10時間、乗り継ぎが3時間、ドーハからフィウミチーノまで5時間ずつの、合計18時間前後で到着した。現地時間で30日。やたらと機内食が提供された。
フィウミチーノからシエナへ向かうために、列車を乗り継ぐ必要がある。
フィウミチーノからローマ・テルミニ駅までは順調に進んだ。
その後、テルミニ駅でテルミニ⇒キウージ・C・T⇒シエナという道のりをたどる必要があるのだが、不運が続く。
まず、切符を購入した列車に乗り遅れた。改札(のような場所)と件の列車のホームがあまりにも離れている(徒歩10分ほど)ことを知らず、のんきにあと数分で出発の切符を購入したためである。死ぬほど走ったが間に合うわけもなく。
他に10余名ほど同じような境遇の人間を見かけたので、そう珍しいことではないらしい。大人しく2時間ほど後の列車を買いなおす。
ようやく列車に乗車し、無事に乗り継ぎも成功した。あとはのんびり座って到着を待つのみと思いきや、車掌による切符点検時に、打刻を忘れたことに気が付く。イタリアでは列車でもバスでも、切符に乗車時刻を打刻する癖がある。テルミニからキウージ・C・Tのときは、忘れずに打刻を行った。しかし、乗り継ぎへの不安と緊張、度重なる移動と待ち惚けの疲労から、そのことがすっかり抜け落ちていた。罰金を払う(60ユーロ)。不慣れな外国人だなどという配慮はなかった。一度は打刻を行っていたことも原因であろう。ここまでの損害全て、自分の貯金から支払っていたことがせめてもの救いだろうか。
〈教訓〉
テルミニ駅は広い。特にターミナルEST1/2には気をつける。
睡眠大事に(眠れないわけだが)
打刻を忘れない(バスでも電車でも)
16:30頃シエナに到着。寮に向かう。
チェックインは簡単に済んだ。二人部屋だが、一人しかいない。
疲れてはいたが、寮住のイタリア人の友人Gに会いに行く。そこでGと、Gの友人L(国籍不明)と一緒になぜかトランプをした。「マキャヴェッリ」というゲームを教えてもらった。七並べとババ抜きを混ぜたような遊びで、1、2ゲームだけでも楽しかった。その後大富豪をしているときに、流れでベトナム人Rが参加した。優し気な人だった。
18:30頃に解散して、スーパーに向かう。パンと水とリンゴを夕食兼二日目の朝食と昼食として購入した。
寮に戻ると友人から連絡があり、誘われた先の寮内の一角でエジプト人の双子の誕生日パーティーに参加した。先ほどのベトナム人RやGの友人Lも参加していた。そこでさらに、ベトナム人一人とフランス人二人、イタリア人三人と知り合う。
書いていて、初日とは信じられない密度である。
21:30頃に部屋に戻る。Gは郷里へ戻るらしいので、ギリギリとはいえ話すことができてよかった。
荷物を簡単に整理して、シャワーを浴びて、日記を書いて寝た。23:30。
二日目
5:30に起きる。部屋の片づけやら外出の準備やらを済ませて、部屋を出たのは7:00。
集合は9:00だったので、8:30頃まで旧市街地を散策する。
二年前に滞在して以来のお気に入りである、S.Francescoを覗きに行った。教会も広場も落ち着いた雰囲気でゆっくりできる。以前の滞在は夏休み期間中の一か月だったため出会わなかったのだが、すぐ横にあるシエナ大学に通う学生で思いの他混みあっていた。
大学に戻り、プレイスメントテストを受ける。筆記試験90分と口頭試験で構成されていた。筆記は時間をほとんど使ってじっくり解いた。その後、口頭試験が12:00からと指定されたので、待つ間に現地の日本人チューターの方に簡単なオリエンテーションを受ける。
結局、口頭試験に呼ばれたのは12:30だった。内容としては簡単な日常会話ができるか、ある一定の語彙があるかを確認することが重視されていたように感じた。
ここまで終えて、授業のクラスが発表される。B1で通過することができた。口頭試験ではそこまでの手応えを感じなかったので、筆記試験が効いたようだ。
午後からは、滞在許可証(Permesso di Soggiorno)の申請に行く。同伴してくださったチューターの方曰く、滞在許可証が発行されるのは「早くとも」3、4ヶ月先であるらしい。許可証の現物を持っていることより、「発行中である」「申請を済ませている」という事実の方が大切なのだとか。何ともイタリアらしい。
申請中も、番号札を持っていない男性に横入されたり、受付の女性にビザの写真をからかわれたりするなど、新鮮な体験をした。
一度寮へ戻る。その際、昨日知り合ったエジプト人双子の片割れとフランス人に遭遇。同じバスで帰った。道中で日程未定の旅行に誘われた。
その後、買い物に出かける。しかし、行きと帰りで二度も違うバスに乗り、結局余分に歩く羽目になった。いっそ歩いたほうが早かったかもしれない。
帰ってからは、買ってきた玉ねぎと生トマトと豚肉で、よくわからないソースを作り、それとパスタを和えたものを食べた。初めてにしては上出来だが、些か塩が強すぎた。しかも、売っている肉にはどれも骨が付いていたので、処分に困った。とりあえず肉と一緒に煮込んで出汁が出ることを期待したが、骨の欠片が食事を阻害するだけだった。湯むきした生トマトが菜箸で潰せないことが、一番の驚き。日本のトマトより果肉がしっかりしている。あと、玉ねぎ5個は多すぎることがわかった。
横で料理をしていたベトナム人二人と同じクラスであることが判明。初日以来、何かと声をかけてくれる。
部屋に戻って片づけ。受付に延長コードを借りに行く。イタリア語では延長コードをProlungaという。
シャワーを浴びて、22:30頃に就寝した。