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投資入門書とバイアス

おはようございます。

先日、ひよこさんの記事のコメント欄でのやり取りで、お勧めの投資の本って何ですか、と聞かれて、

初心者ならリベ大の両学長の「お金の大学」をおすすめしました。

また、一冊、資産形成全般を俯瞰するのに、体系的な本として山崎元さんの本、特に「お金に強くなる」が、最も視認性が高くまとまりが良いためお勧めしました。


ただ、紹介した後で久々にペラペラめくっていくと、職業病と言いますか…気になる点がいっぱいある(笑)


研究者って、「疑問」や「疑うこと」からスタートする仕事だと思うんですよ。「常識」は本当に正しいのか?「最良」は本当にコレなのか?「再現性」はあるのか?みたいな。


一緒に駅から歩いてる先生とも「それどこのデータですか?私の知っている知識と反対ですけど」みたいなことを日常的にやりあってて、その2人にとっては雑談のつもりなんですが、多分知らない人から見たら口喧嘩にしか見えないと思います(笑)


多分そのような日常生活からくるものなのですが…補足を伝えずに放っておくのが、とても気持ち悪く感じるんですよね。


ということで、ひよこさんのこちらの記事のコメントで提案した本、特に最初に挙げた2冊への、補足をしておきます。


先に言っておきますが、紹介した書籍は、すべて間違いなく、読むに値する良著ですよ。以前言ったように、100%正しいものは無い、というだけです。そもそも私自身も100%正しいことを言っているとは限らないので、疑ってください(笑)

以下は、あくまで私の個人的解釈です。

また、ちょっと現実の私に近い感じでバッサリ行くので、不快に感じる表現があるかもしれません。そこはご了承ください。今回は上2冊の主要な突っ込みだけ書きます。




では行きます。




お金の大学の補足

既存の書籍の中では文句なしに良い入門書ですが、とりあえず
・増配・高配当株勧めすぎ
・基本、子育て世帯ではなく独身の若者向け」
がデメリットだと思います。

はっきり言いますが、高配当株投資は、リベ大が否定している保険と同じように、安心を金で買っている商品です。保険を否定して高配当株投資勧めるの、ダブスタでは?

※厳密には、「高配当なだけ」の銘柄は価値を毀損しながら無理して配当を出している可能性があり、安心を買っているつもりで買えていない可能性も

そもそも、株の利回りは増えた分に対してのみ課税されるのに対し、配当は「配当金の全額に対して」毎回課税されるし、連続増配であろうが何だろうが、高配当株は成長率は低いので、たとえば今2022年ですが、ここから数年の経済サイクルで、一時的にインデックスより有利になる可能性は十分ありますが、景気サイクルが一巡するころには結局負けてるでしょう。

おそらく、

放っておくと入金されるので(現実にはそのたびに損をしているのですが)心理的になんかうれしい

ということが言いたいんでしょうが、それ以外のメリットはありません。

損していることをわかったうえで自分の精神的満足のためにやるなら、もちろん個人の自由ですよ!性格的にそっちが向いている人もいると思う。ただ、万人に勧めるものではないよなぁ~と思います。

※セクタを入れ替えるアクティブ運用を自発的に行うなら、話は別です。



山崎元さんの本


分かり易さのかたまり、みたいな本ですね。素晴らしいです。


唯一の不満は、日本株&日本債券推しすぎだなぁという点です。

たとえば、全世界株式の7%未満に過ぎない日本株を50%持つのは、どう考えても日本という国にバイアスがかかってます。それ、一種のアクティブ投資で、理論的には自ら分散を弱めて期待リターンを削りに行ってま。日本株が世界を出し抜いて成長した場合にのみ意味を成しますが。

あと、日本の国債の変動金利はここ数年0.05%で、あおぞら銀行や楽天銀行の普通預金金利以下ですから、投資に不適格です。リスクが存在するのに利息が無リスク資産以下のもののことを、詐欺商品と呼びます

あと、日本の成長を信じるか、ですが、私は日本の技術立国を支える立場にいて、仕事を通じでその努力をしていますが、日本政府に本気で日本を再成長させる気は、微塵もありませんよ。

社会保障と地方への交付金が歳出の半分を占め、その2つの1/10、たった5%しか教育と科学技術振興に金を回さない国のどこに、技術立国を支える気があるというのでしょう。数字こそ事実です。見てみてください…

いや、ほんとこれからの日本のために財政を考えてください頼むから!!


さらに追い打ちをかけると、金銭的背景だけでなく、人的資本も絶望的です。学会等に出席しても、熱心に質問してくるのは国際学会でも外国人ばかり。日本人の多くはお友達とぺちゃくちゃしゃべってます。また、日本企業の参加者は毎年減り続けるばかり(海外企業は変わらずコンスタントに来ている)。本当に申し訳ないですが、こんな国が成長するとは微塵も思えない

※全員とは言ってないですよ。そういう意欲ある学生が、日本人では圧倒的に少数派、と言っています。

それもあって、私は日本株を一切推しません

この点だけは、山崎さんと私の考え方が全く合わないところですね。

ご年齢的に日本の凋落を肌感覚で理解しきれていないか、もしくは、分かってはいるが証券会社との付き合いがあってはっきり言えない、とか、いろいろ事情があるんでしょう。

山崎さんに関しては日本株推しすぎ以外の不満はありませんが、以下、少し全般的な話をしときます。


著者・インフルエンサーには必ず半信半疑で接すること


投資関連の人は、ほとんどがマネタイズしてますが、それにより特定の証券会社に寄ってたり、決して万人向けではないCFDの宣伝をおっぱじめたり(笑)、訳の分からない商品を動画中で宣伝していたり、まぁ色々と笑ってしまうようなことをなさっています。

そういうので生計を立てていく時代ですし、自己責任の世界なので、失敗してもそれは当人の責任です。また、少数はそれで成功する人もいるので、必ずしもそういう投稿を「悪い」とは言いません。

が、マネタイズしている以上、大体の人は利害関係を持っており、平気でバイアスのかかった記述・表現をしている、ということは覚えておくべきでしょうね。

SNSの投稿、本の記述ともに、100%信用できるなんてものは存在しません。


そんなところで、今回の投稿、特に後半は利害関係が存在せずマネタイズしていないからこそ言える暴言ですが、ぜひ、情報の受け手側としては意識しておいてほしいな、と思います。


私はマネタイズしないのか?


人間には向き不向きがあります。

マネタイズするために考える作業が(私の性格的に)全然楽しくないのと、自分の投資で増えた数字見てる方がよっぽど楽しいので、私は遠慮しときますね。

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