【オマケ記事】個別カード評価表【真夜中の狩り】
ここでは前回で拾いきれなかった青黒の(ゾンビ)カード達を簡単に個人的主観で評価していきたいと思う。
当然ながら私は大規模大会等で結果を残しているプレイヤーではないのでトーナメントシーンでの活躍とかプレイングとかそういう観点での評価ではなく”アガる”かそうでないかといった非常に曖昧な基準なので適当にお付き合い頂ければ幸いである。
青・コモン
《溺墓の融合体》
マナコスト…★☆☆
サイズ…★★☆
能力…★☆☆
フレーバー…★★★
何故か過去のイニストラードのノリでやってきた青いゾンビ。
タフネス寄りのサイズ感、切削効果といったスカーブっぽい能力を持つが、今回墓地利用が必要なカードがゾンビでは無いため何故こいつにその効果を持たせたのかが分からない一枚。
フレーバーやイラストが良いだけに惜しい。
《食糧庫のゾンビ》
マナコスト…★★★
サイズ…★★☆
能力…★★☆
フレーバー…★☆☆
1マナ1/3というサイズは悪くはないが、防衛という点が評価を下げる。
能力そのものはマナ不要の諜報といえば若干有用。生成しやすい腐乱ゾンビとはシナジーがある…とはいえ諜報1だけというのは流石に構築では活用しづらい(近年では土地を出すだけで諜報出来てしまうのでこのカードを使う意味が無くなってしまった)。
フレーバーテキストとカード名・能力に統一性がなく、結局どういう存在なのか良く分からないゾンビ。
(防衛は廃研究所に閉じ込められていたから、名前は廃研究所=未使用の素材=食糧庫と無理やりこじつけられなくはないが効果に関してはこいつらが何かをするわけでもなく3体タップ要求する意味も良く分からない)
《臓器の貯め込み屋》
マナコスト…★☆☆
サイズ…★☆☆
能力…★★☆
フレーバー…★★★
ETB誘発で《巧みな軍略》を内蔵したゾンビ。(内臓だけにね)
《巧みな軍略》が2マナなのでそれに合わせて2マナ3/2がくっ付いてくると考えると一見良さそうに見えるが4マナも払ってやることではない。
そもそもドローソースとしても普通に考えれば《衝動》の方が遥かに有用だし、墓地利用するなら単純に切削した方が早い。
そして今回のゾンビは墓地利用じゃない(2回目)。
フレーバーテキストは忠犬ハチ公を思わせる名文。
そう思うと効果も過去のイニストラードからずっと亡き主人のために切削しているのではないか…と思わせてくれる。
《溺死者の逆襲》
マナコスト…★☆☆
効果…★★☆
フレーバー…★★★
クリーチャーをバウンスする疑似除去に加えて腐乱ゾンビを生成するインスタント呪文。手札や墓地に直接行くわけではないのが特徴。
ただしデッキトップ・ボトムは相手が選ぶのでその点が残念。
クリーチャー以外に触れないのもBAD。
イラスト・フレーバー・効果から腐乱ゾンビによってデッキに戻す=水底に引きずり込むのを再現しているのだろう。(であればデッキボトム固定にしてほしかったとは思うが)
《墓地への幽閉》
マナコスト…★★☆
効果…★☆☆
フレーバー…★★★
墓地にたくさんカードがあるとエンチャント先をタップできるアンタップ制限カード。アンタップしなくなるだけで効果は失わないので除去としては不十分。まあそんなことはどうでもよくて、このカードの真骨頂(?)はフレーバーテキストにある。
なんと非ゾンビ関連呪文なのにゾンビの文言が入っているではないか!
これはとある界隈にとっては嬉しい要素である。
余談だが、イラストをよく見るとゾンビの姿を確認することが出来る。
みんなもストレージから探して確認しよう!
黒・コモン
《地下室からの這い上がり》
マナコスト…★★★
効果…★★☆
フレーバー…★★★
単体でも《死者再生》相当で、さらに自軍のゾンビを強化できるソーサリー呪文。フラッシュバックもついてバランスが良い。
しかしリアニメイトならともかく墓地回収程度では構築で使うのにやや難がある。強化できるのはゾンビ限定なので、今回のアーキタイプとカードのデザインが微妙にマッチしていない。フラッシュバックコストがもう少し軽ければ良かったのだが…
《モークラットのビヒモス》
マナコスト…★★☆
サイズ…★★★
能力…★☆☆
フレーバー…★★★
威迫に加えて突出したマナレシオを持つゾンビ・巨人。
追加コストは腐乱で賄ってネ☺というデザイナーの意図が読み取れる。
威迫以外の効果は持たないフレンチ・バニラであるため、これを運用するのは流石に厳しいか。生け贄に捧げたクリーチャーの数だけコストが軽くなる…とかだと活躍の場があったかもしれない。
フレーバーテキストにはギサが登場している。
確かに通常サイズのスカーブを上回ってはいるとは言え、彼は10年程前にそれよりも巨大なスカーブを作り上げているののだが…
《包囲ゾンビ》
マナコスト…★☆☆
サイズ…★☆☆
能力…★☆☆
フレーバー…★★☆
歩く死骸にオマケがついた。
《食糧庫のゾンビ》と同じくマナ不要のライフロス能力を持つ。
一応多人数戦を意識したデザインにはなっているが、たった1点というのが何とも言えない。無限コンボでクリーチャーを並べられるなら活用できるが、それならもっと他に良いカードがあるはずである。
どうせなら対象を取って「悪事」に対応してほしかった…(この時点ではしょうがないけど)
フレーバーテキストもイマイチパッとしない。
3体タップが包囲状態を表しているのだろうか。
青・アンコモン
《スカーブの世話人》
マナコスト…★★★
サイズ…★★☆
能力…★★☆
フレーバー…★★☆
ゾンビカードではないが腐乱と相性のいい1枚。
何と言ってもマナ不要で「悪事」を働けるのが大きい。
効果そのものはやや控えめだが、腐乱の「ブロックできない」デメリットを補える上、こちらの攻撃を通すのにも使える。
現代のカードパワーと比較するとさすがに見劣りするが、場合によっては採用圏内も狙えるだろう。ゾンビではない点が非常に悔やまれる。
黒・アンコモン
先日の記事ですべて紹介しているため該当なし。
多色・アンコモン
《継ぎ接ぎ死体》
マナコスト…★★★
効果…★☆☆
フレーバー…★★★
展開しやすい腐乱をコストに新しくゾンビを作っちゃおうというインスタント呪文。攻撃した後の自壊が誘発する前にコストにすると無駄がない。
インスタントタイミングで威迫を持つゾンビを出せる点は高評価。
フラッシュバックもやや重いが嬉しい要素。
上手くハマれば超デカいゾンビを作ることが出来るロマンカードではあるが単体運用ができない点、単純にディスアドな点がやや使いづらいか。
多色でマナベースがタイトになる点もマイナス。
スカーブ師なりきり呪文としては最高。
追加コストを墓地からも払えることが出来れば尚よかった。
《灰色熊のグール》
マナコスト…★☆☆
サイズ…★★☆
能力…★☆☆
フレーバー…★★☆
たまに数合わせのように出てくる黒緑のゾンビ。
効果を含めるとマナレシオはそこそこ良いのだが、出てしまえばトランプルだけのフレンチ・バニラなので構築級ではない。
黒緑のアーキタイプはリアニメイトなのだが、これはどちらかといえば腐乱を意識してデザインされたような効果となっている。
フレーバーテキストはザ・マジックという感じで良い一文。
若干イラストや効果との関連性が薄いような気がするが…
(死んだクリーチャーを貪ってパワーアップってことなのかな?)
レア・神話レア
《グール呼びの収穫》
マナコスト…★★★
効果…★☆☆
フレーバー…★★☆
墓地のクリーチャー数に依存したゾンビトークン生成ソーサリー呪文。
使ったことがないので良く分からないが、単純に腐乱ゾンビを並べたいだけなら《腐敗した再会》の方がよほど使いやすいような気がする。
なんせ4体落ちてようやく2体なので、準備にかかるコストを考えるとあまりにも効率が悪いと思うのだが…
しかも腐乱を大量に並べたところでブロックはできないので終盤で有利ならフィニッシュ手段になりえるが、不利な状態だと全く意味がなく、明らかに調整不足な感じが否めない。
これがレア…?
《屍術の俊英、ルーデヴィック》/《ルーデヴィックの傲慢、オーラグ》
マナコスト…★★☆
効果…★☆☆
フレーバー…★★☆
ゲラルフの師匠が通常セットで再登場。効果はやはりスカーブ師らしく切削となっている。素のサイズは2/3で及第点。しかし切削として使うには枚数が1枚だけと悠長過ぎる点がかなり問題。
肝心の変身効果も色拘束がキツイ・重い・ソーサリータイミングとかなり難がある。リアニメイト呪文として考えるなら普通だが…
裏面になると墓地のカードを合体させたフレーバーからか4/4のコピーに+1カウンターが乗ったゾンビとなる。
テキストがやや複雑だが、名前はオーラグのままなのでレジェンドルールに引っかからず伝説クリーチャーの能力を並べることが可能。
だがそれにどれほどの魅力があるかは微妙なところである。
開発段階では以下のような効果だったらしい。
このままカード化してくれたら割と面白かったのでは…と思わなくもない。
《素晴らしき復活術師、ギサ》
マナコスト…★★☆
効果…★★★
フレーバー…★★☆
今回のギサは腐乱に関連した効果を持つ。
対戦相手のクリーチャーをグール化して自軍に加えることが可能…
なのだが付与されるのは「腐乱」のみで何故かゾンビと無関係。
コストいらずで出せるのは嬉しい点だが、出てくるのは次の自分のアップキープ開始時とやや悠長。除去耐性もないのでその間に除去されてしまうとただ追放しただけになってしまう。(ちなみに一度戦場から離れると別のオブジェクト扱いとなるため、出しなおしてもそれまでに追放したカードが戦場に出てくることはない)
こちらも開発段階では
蘇生するタイミングも早く、しっかりとゾンビ化する効果であった。
しかしながら蘇生タイミングの変更、腐乱のキーワード化とともにテキスト欄が圧迫され最重要だったはずのゾンビ化が失われてしまった…😢
まとめ
近年のセットと比較すると明らかにコモン・アンコモンの性能が劣っており、下手するとレア・神話レアですら…といった印象。
逆に言うと、ここ最近のカードパワーインフレが異常とも言える。
しかしながらこういうカード達にも目を向けてみるのもたまには面白いのかもしれない。
決して構築級ではないが、フレーバーやストーリー、イラストにも着目してみよう。
最後までお読み頂きありがとうございました。
本編より長くなってしまったのはナイショ。