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【スタンダード】青黒ゾンビ①―破滅に向かって―【真夜中の狩り】


さぁ、狩りの時間だ。

イニストラード:真夜中の狩り/Innistrad: Midnight Huntは、スタンダード用のエキスパンション。2021年9月24日発売。
キャッチコピーは「己が恐れるものになれ/Become what you fear」。
シンボル:満月と狼男
略号:MID
コードネーム:Golf
発売日
MO、Arena:2021年9月16日
紙:2021年9月24日 セット枚数 全277種類

MTG Wiki

全ての始まりは真夜中のミッドナイト!
―最後の瞬間(とき)を駆け抜けろ―

目を瞑れば「イニストラード:真夜中の狩り(以下MID)」の発売日が昨日のことのように感じるが、本来であれば既にローテーションでスタン落ちしているセットである。
従来のローテーション期間は2年だったが、2024年現在ローテーション期間は3年に延長され、それによりMIDの使用できる期間も増えたというわけだ。これは僥倖…っ!
そんな訳で、イニストラードの頼もしいやつらを「サンダージャンクションの無法者(以下OTJ)」までのカードと共に解説していこう。最後の輝きを魅せてくれるのはどいつだッ!?
(流石に長くなりすぎるのである程度は抜粋します。ここに書かれていないカードは察してください。要望があれば別企画で解説するかも…)

腐乱ゾンビは悪事と相性がグンバツなのだ

イニストラードではゾンビの色として青と黒が与えられている。という事は必然的にデッキのカラーは青黒になるわけだ。
とりわけ青黒はコントロール色の強い色の組み合わせであるため、各種妨害も豊富。OTJのメカニズムである「悪事」と非常に相性がいい。
(そもそも青黒のドラフトアーキタイプがMID…「腐乱ゾンビ」、OTJ…「悪事」なので当然である)
粘り強く相手のリソースを削りながらゾンビを展開し、相手の隙をついてゾンビの群れで一気にとどめを刺すのだ!

※補足…「悪事」とは、

  1. 対戦相手

  2. 対戦相手がコントロールしているパーマネント、呪文、および能力

  3. 対戦相手の墓地にあるカード

のいずれかを呪文や能力によって「対象に取る」ことである。

そもそも「悪事」のなにがいいのって?それはね…

笑顔が素敵なギサ姉さん

以前であれば「対象を取る」効果は呪禁や護法で回避されやすいため、「対象を取らない」効果や全体に影響を及ぼす効果の方が強いとされてきたが、この度の悪事メカニズムにより「対象を取る」ことで強力なシナジーが生まれるようになった。特に《厄介者、ギサ》がゾンビロードでありながらトークン生成能力を持つので、これを利用して妨害=勝ち手段として利用できるのである。
これは、カードパワーがインフレしていく中で時代遅れのクリーチャー呪文を多く採用せざるを得なかったこれまでのゾンビデッキにとって革命であった!

おすすめカード①《腐敗した再会》

おかげ様で生きておりまぁす!!!

言わずと知れた腐乱メカニズムの象徴のようなカード。
このカードの強みは
①1マナインスタント
②フラッシュバックがあり、コストも軽い
③墓地を対象に取るので悪事も働ける
④腐乱を持つゾンビトークンを生成する
このように、とにかく高い汎用性といったところだろう。
《厄介者、ギサ》《肉大工、ゲラルフ》両方ともに相性がいいので4枚採用しても全く問題ない…ハズ。
トークンがブロックできない、攻撃すると自壊してしまうデメリットをもつため、それらをゾンビとは別方向で活かすギミックがあると安定度が増すかもしれない。
腐乱ゾンビ全体に言えることだが、《過充電縫合体》の濫用コストや機体の搭乗コスト、《イニストラードへの侵攻》を裏返すための使い捨て火力のような感覚で使うこともできる。もちろん本体へのダメージソースとして使ってもよい。

ゾンビパラダイスを作りたいなら是非

おすすめカード②《穢れた敵対者》

いろんなフォーマットでお世話になるゾンビ

2マナという軽さに加えて2/3のハイスペック。更に接死まで持つという(当時としては)破格の性能を持つゾンビ。
今でこそ当たり前のサイズと能力になってしまったが、それでもタフネス3はありがたい。除去されてしまっても相手にカードを使わせたと捉えれば決して悪くはないはず。
序盤は早いデッキの攻撃をガッチリ受け止めてくれる頼もしい存在、後半に引いても1枚で大量のゾンビを引き連れて来ることができるので腐りにくいカードだ。《肉大工、ゲラルフ》とも相性がいい。3〜4枚採用して問題ないだろう。

おすすめカード③《回路切り替え》

「回路切り替え」で「過充電」ってフレーバー的にもなんか良いよね

おすすめと言っておきながら、正直に言うとそこまで強くはない1枚。
それでもゾンビ関連だし何とか使いたいカードではある。
このカードの強みは青シングルシンボルと色拘束が緩く、不確定ながら要求コストが4マナなので序盤までは打ち消しやすい。また、打ち消しが失敗したとしても腐乱ゾンビは出るので次の《過充電縫合体》へと繋げやすい点も魅力。
ただし3マナの割に不確定カウンターなのが足を引っ張る。採用は1~2枚が限度だろう。
当然これも悪事なので《厄介者、ギサ》を守りつつゾンビを展開することが可能。
3マナでカウンター+ゾンビ3体って考えたらめちゃ強い気がしてきたな…

腐乱トークンを濫用コストにあてよう

その他のゾンビ関連カード

《滅びし者の勇者》

まさか君を不採用にする日が来るとは…

登場当初はゾンビデッキの中核を担っていたが、ゾンビトークンの展開を《厄介者、ギサ》に頼る都合上、序盤に出してもサイズアップが難しく、終盤で腐りやすいことから泣く泣く不採用となった…(悲しいね)
パイオニアではバリバリ現役なのでそちらでの活躍をお祈りしております。

《縫込み刃のスカーブ》

え!?一人でゾンビロードしてた私をクビですか!?

こちらも登場当初はデッキの中核であった2マナのロード。
多色とはいえ2マナで2/3と(当時としては)ハイスペック且つゾンビロードという事もあり、使いたい気持ちは十分あったがやはりパワーのみの修正という点、加えて2マナ2/3というサイズが珍しく無くなってしまったことによりインフレの波に飲まれて消えた。
せめて一つくらい能力があれば…
全部ギサのせいだ。

《八方塞がり》

ハンドとボードだけ見ればアド+2なんだけど…

ハンデスに腐乱ゾンビがついた地味つよカード。2枚捨てさせるので少なくともアドは稼げるのだがやはり後半腐りやすい点、捨てるカードは相手が選ぶため影響が少ないという部分がネック。《回路切り替え》とは対照的に、アグレッシブな動きができる。どちらを採用するかはお好みで。

《ネファリアのグール呼び、ジャダー》
《グールの行進》

ノーコストでトークン生成って普通に強い(なお現代では…)
墓地解放の調整版?個人的には結構好き

腐乱ゾンビを継続的に供給してくれる効果を持つ2枚。
どちらも2マナでジャダーは自分の終了ステップに、グールの行進は非トークンクリーチャーが死亡するたびに腐乱ゾンビを1体生成する。
「ジャダー」は1/1というサイズで除去されやすいが軽い点を生かして伝説クリーチャーでも複数枚採用しやすいのが強み。《チビボネの加入》も誘発させることが出来る。

伝説クリーチャーを出すだけで悪事を働けるすごいやつ

「行進」のほうは単体では何も起きないが、除去カード等に合わせて腐乱ゾンビをガンガン作っていける点が優秀。ターン1回制限はインクの染み。弱点としてはやはり序盤に腐乱ゾンビが並んだところでほとんど意味がないという点だろうか。そこを活かすギミックが用意できれば採用圏内ではある。

《戦墓の大群》《引きずり足のゾンビ》

墓所のタイタン(ニセ)。ETBで墓地追放できるので悪事を働ける
アルケミー版では2マナに調整されている…最初からそうしろよ!

効果はさほど悪くない、が単純にマナコストが重い。
特に《戦墓の大群》に関しては《穢れた敵対者》が半ば上位互換のようなものなので本当に採用する意味がない。
《二重屍》や《うろつく玉座》を採用するならばこちらにも強みがある…かも。
コモンカードに求めるのものではないが、いずれにしても現代のカードパワーには到底太刀打ちできないだろう。

《異形の隼》

アルケミー版では瞬速持ちになったが、こちらはやや控えめな調整

3マナで2/2飛行と2/2腐乱が戦場に出せると言えば悪くない性能。十分に採用圏内ではあるのだが、他のカードとの噛み合いが悪くテンポが悪いため活かすことができなかった。(過充電縫合体とのつながりだけはいい)
3~4マナにロードがいれば使っていたかもしれない。
やはり《二重屍》《うろつく玉座》とセットで輝く1枚。

《驚愕》

黒の呪文と違い除去としては使えない点が明暗分かれた

2マナインスタントでパワー修整、キャントリップ、腐乱ゾンビ生成と小回りが利く1枚。悪事を働くこともできるし、タフネスには影響ないので自分のクリーチャーに使ってドロー+腐乱と割り切ってプレイすることも可能。
…が所詮その程度なので発売当初ならともかく、流石に近年のカードパワーのインフレについていけるものではない。
キャントリップを活かして《肉大工、ゲラルフ》と組み合わせるとギリギリ戦えるか…?

《戯れ児の縫い師》/《戯れ児工場》

本体がゾンビだったらよかったのに…

インスタントかソーサリーを唱えるたびに腐乱ゾンビを生成するおじさん。
ゲラルフのお供に良いかもしれない…が、両方揃えてからスペル連打はテンポが悪いのでがちょっと微妙かも。
裏返ると疑似的なロードになるが、順番を間違えると《先見的な縫い師、ゲラルフ》や《厄介者、ギサ》で付与される飛行や威迫まで失ってしまうので注意が必要。
伝説ではないので複数展開できる点が長所でもあり短所でもある。

単純に優秀な呪文

《冥府の掌握》

昔はみんなこれ使ってたよね

2マナインスタント単体除去。デメリットとして2点のライフロスがつく。
《喉首狙い》と比較するとアーティファクトクリーチャーも破壊できる点がグッド。環境によって使い分けよう(まあもうすぐローテーションなんだけどね)。ただ2点ライフが終盤に響いてくることもあるため油断は禁物。

最近は強いアーティファクトクリーチャーも多いので油断できない

《考慮》

青単とかでもよく見る1枚

これは普通に使ってる人も多いドローソース。《肉大工、ゲラルフ》の呪文数稼ぎにも持ってこい。クロックパーミッションに寄せるなら4枚投入必須(適当)。

《消えゆく希望》

完全な除去とは行かないが、テンポアドはとれる。反面ETB持ちには使いづらい

軽量バウンス+条件付き占術と悪事シナジーに寄せるならこれ。
上記の《考慮》と合わせてゲラルフとの相性も◎。

《記憶の氾濫》

自分ではほとんど使ったことないけど死ぬほどよく見る呪文

説明不要の最強ドローソース。フラッシュバック付きなのが本当に優秀。

《脅迫》

これがないスタンってあったの?

おなじみ黒1マナハンデス。唯一これだけはローテーション後も使用可能。

《踊り食い》

破壊不能をすり抜けたり死亡誘発を誘発させない点が良いね

1マナソーサリー単体除去。近年のセットでも似たような効果とコストを持ったカードがよく収録されるが、こちらは追放なのが特徴。PWも除去できる点が強み。

《病的な日和見主義者》

昔はみんな使ってたんだよ!嘘じゃないって!本当なんだ!

腐乱をドローソースに変換できる昔なじみのクリーチャー。
ゾンビではないのが非常に残念。

まとめ

2021年のスタンダードではカードパワーのインフレがまだ緩やかで、当時は強かったが現代では…というカードが多い印象。
OTJ発売前までゾンビカードはイニストラードに集中しており、急激なインフレに伴ってどんどんと他のデッキと差をつけられて時代遅れの紙束と化していた。
そんなゾンビデッキを再び輝かせてくれた「悪事」メカニズムにこの場を借りて感謝したいと思う。✌✌マジ感謝✌✌
イニストラードが落ちてもゾンビデッキは!終わらねぇ!

このトークン全然出ない




…でもやっぱり落ちるのはさみしいね
(初めてのリアルタイムイニストラードが真夜中の狩りなので)

最後までお読み頂きありがとうございました。
次回は「深紅の契り」の予定です。

実はマヨカリにも青黒のゾンビトークンがあった

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