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【胎教絵本】ふわふわ森の子守歌

夜の静けさが森を包み、空にはまんまるの月が輝いていました。
森の奥には、ふわふわとしたやさしい木々が生い茂る「ふわふわ森」があります。
ここに住む動物たちは、毎晩やさしい子守歌を聴きながら、安心して眠りにつくのです。

この森には、不思議な木が一本立っていました。
それは「子守の木」と呼ばれ、夜になるとふわふわとした葉がそよぎ、
風に乗せてやさしい歌を奏でるのです。

♪ そよそよ ふわふわ やさしい風
月の光と ともにゆれ
おやすみなさい かわいいこ
すやすや夢を みましょうね ♪

その音色を聴くと、どんな動物も心が落ち着き、すぐに眠たくなるのです。

ある晩、ふわふわ森の小さなうさぎ・ミミは、なかなか眠ることができませんでした。
「なんだか、今日は眠れないなぁ……」

そんなミミを見て、お母さんうさぎがやさしく微笑みました。
「それなら、子守の木のそばまで行ってみましょうか。」

ミミはお母さんと一緒に、夜の森をそっと歩きました。
月の光が木々の間からこぼれ、森はキラキラと輝いています。

やがて、子守の木のもとにたどり着きました。
大きな枝が、まるで森のみんなを抱きしめるように広がり、
その葉っぱがふわふわと揺れています。

♪ そよそよ ふわふわ やさしい風
小さなあなたを 包む風
おやすみなさい かわいいこ
すやすや夢を みましょうね ♪

「わぁ……」
ミミはうっとりと耳をすませました。

「ほら、ミミ。この森の子守歌が聴こえるでしょう?」
お母さんうさぎが、そっとミミを抱きしめました。

ミミは目を閉じて、ゆっくりと深呼吸しました。
心がぽかぽかと温かくなり、なんだか安心してきました。

「うん……なんだか、とっても心地いい……」
ミミのまぶたは、少しずつ重くなってきました。

ふと、木の上からやさしい声が聞こえました。

「眠れない夜は、風と一緒に歌を聴くといいよ。」

見上げると、フクロウのフーがにっこり微笑んでいました。

「子守の木は、森の子どもたちをそっと包んでくれるんだ。」

「ほんとう?」

「もちろんさ。ほら、そろそろ眠くなってきたんじゃない?」

ミミはフーの言葉に頷くと、お母さんうさぎの腕の中ですぅっと目を閉じました。

♪ そよそよ ふわふわ やさしい風
ゆめの国へと 連れていく
おやすみなさい かわいいこ
またあしたも あそぼうね ♪

その夜、ミミはとてもあたたかい夢を見ました。
やさしい風に包まれ、ふわふわと空を飛ぶ夢です。
そこにはお母さんもうさぎの仲間たちもいて、みんな笑顔でした。

翌朝、ミミはすっきりと目を覚ましました。

「なんだか、すごくいい夢を見たよ!」

お母さんうさぎは微笑みました。

「よかったね。眠れない夜は、いつでも子守の木のそばに来ていいのよ。」

ミミは嬉しそうにうなずきました。

それからというもの、森の子どもたちは、眠れない夜がくると、
子守の木のそばでそっと耳をすませました。

そして、ふわふわ森には、今日もやさしい子守歌が響いているのでした。

── おしまい ──
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