トヨタなどの自動車メーカーの不正について④《車検》
前回③はこちら。初回①はこちら。
トヨタなどの自動車メーカーの不正についての、私の意見です。
現段階で、私は、一次情報(国交省やトヨタ自動車からのプレスリリース)を見ていません。あくまでネットやテレビでのニュースから受けた情報からの考察です。
これまでの回で、陸運局での《登録》について触れました。
今回は《車検》について考えようと思います。
自動車における検査は、《車検》と呼ばれています。
新車であっても、実は、3年有効の検査を受けなければなりません。
その後は2年毎の検査を受けることになります。
新車の時は、前回お話しした《型式指定・認証》によって、陸運局では無く、自動車メーカーが検査を済ます事ができる仕組みが出来ています。
購入後の2年毎の継続検査の時でも、わざわざ陸運局でやらなくても済む《指定工場》という制度が設けられています。
《指定工場》において、その整備工場に在籍し、登録している検査員(みなし公務員)が制度に則り検査してくれれば、国の機関である陸運局でやらなくても済むという仕組みです。
そうやって業者もユーザーも国も効率良く検査出来る、という仕組みをわざわざ作ったのです。
ちなみに継続車検で利用する《指定工場》ですが、この制度でも、やはり悪意を持って違反する事業者はたまに出てくることがあります。
記憶に新しい事案では、昨年のビックモーター騒動で、指定取り消しの事例がありました。
この場合、国による指定制度のお墨付きから外れることになり、その事業者(整備工場)は、顧客から車検で預かった車を、一台一台、陸運局に持ち込んで検査を受けなくてはならなくなります。
すなわち、民間の車検場(整備工場)における指定取り消しと言うのは、信用問題だけでなく、業務の大幅な非効率化に繋がる重大な事案なのです。
ちなみに、《車検》では、何を検査しているのか、というと、検査場のラインで検査する項目は、そんなに多い訳ではありません。
いわゆるユーザー車検をした事がある方なら、馴染みがあると思いますが、基本的に次のことが確認できれば合格になります。
車検証との整合性(用途、寸法、重量)
ヘッドライトの角度
サイドスリップがなく真っ直ぐ走る
排気ガスが汚くない
サスペンションがぐらぐらしていない
ブレーキがきちんと効く
スピードメーターなどの計器類が正常に作動している
これを、すべて国の機関である陸運局でやっていたらパンクするので、新車であればメーカー、使用中の車であれば指定工場で行うことで、世の中全体で効率良く検査が出来て、整備不良の車を減らす事が出来るという趣旨で検査制度は出来ています。
ちなみに、この制度自体は、私の拙い記憶をたどると、元々は田中角栄が作ったと記憶しています。
次回は《なぜ、今なのか?》について考えていきます。つづき⑤はこちら。