ケーキを見て拝む、その心は
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ことわざ:三つ子の魂百まで
意味:3歳の子供の性質は、100歳になっても変わらないということから、持って生まれた性格は、生涯変わらないことに例える。
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幼い頃のアルバムで見つけた3歳ぐらいの写真。
私はクリスマスケーキを前に拝んでいた。
アルバムの横にコメントがあって、”ケーキの前で「なーむー(笑)」”の文字。
幼い頃の私にとってロウソクの火はケーキの上よりも、仏壇の前にあるイメージなので、きっと間違っていない。
誕生日は8月13日。
世間的には夏休み、更にはお盆の初日である。
夏休みなので、友達を呼んで誕生日パーティーは夢のまた夢。夏は毎年、母の実家の田舎で過ごしていた。
お盆にだけ帰ってくる親族も多く、行けば忙しくする母に放っておかれ、人手が来たとばかりに祖母から何かを手伝うように頼まれ、近くに住んでいる小さないとこ達の面倒を見たり、何かと忙しい田舎での日々。
私の誕生日は忘れ去られていた。。。
中学にあがった年の8月13日、変化が起きた。
いつものように30人ほどの親族大集合で大勢盛り上がりつつ、縁もたけなわの頃、
叔母から「あれ?!今日、mcの誕生日じゃない?!」
私「そうだよ〜でもまぁみんな楽しく過ごしてるから、これがお祝みたいなものだよー笑」
その翌年、8月13日にはケーキが用意された。ただし、この1回のみ。
古民家と言えばおしゃれだが、田舎の茅葺屋根の家に突然現れた誕生日ケーキはお盆の雰囲気からはなんとなく浮いていた。
それよりも仏壇の前で静かに灯るロウソクの方がしっくりくる。
ケーキを見て拝む、その心は・・・三つ子の魂百まで
歳を重ね、ケーキの上のロウソクを見る回数の方がずっと多くなった。
それでも、その記憶も合わせて思い出す。
きっとその頃感じたことはこれから先も私の中に在り続けるだろう。