マスターデュエルにおける炎王鉄獣戦線について、展開論、構築論など雑記



【炎王鉄獣戦線とは?】

その名前の通り、
OCGにて2023年に絶大な強化を受け現在のマスターデュエルのトップtierをひた走る、
破壊をトリガーに戦う炎属性テーマ「炎王」と、
かつて最初期のMDにおいては最強の一角の呼び声もあった、
墓地の獣族、獣戦士族、鳥獣族(以降、便宜上「ケモ」と呼びます)を素材にリンク召喚を行い展開を伸ばすテーマ「鉄獣戦線」。
この二つを組み合わせたデッキです。

炎王の「メインデッキのモンスターが全てケモ」であるという点と、
鉄獣の「主力のキット、フラクトールが炎属性であり、シュライグが展開を伸ばしながら炎王モンスターをサーチできる」という点に着目して、
そのシナジーを最大限に活かすことを考えたデッキです。

このシナジーはデッキの知名度に反して侮れない強さがあり、
妨害の質、先手後手の手数、貫通力の側面から双方にとって大きなメリットをもたらします。

現時点での鉄獣が絡む系列デッキとしては恐らく最強であり、
炎王デッキとして見ても上位に位置するデッキだと考えています。


【MD炎王鉄獣のOCGとの最大の違い】

当然ですがこのデッキはOCGにも存在し、使い手も存在します。
鉄獣に触れてきたプレイヤーならば炎王の面々の種族を見た瞬間にこの組み合わせにはすぐにピン!と来るでしょうし、
もしかしたら炎王の強化が入る前から使っていたという人もいるかも知れません。

マスターデュエルでは明確に一つOCGとは大きく違う点が存在します。
それは「スプライト・エルフ」の存在です。

盤面にリンク2、または鉄獣戦線キットorケラスのどちらかがいれば簡単に召喚でき、
墓地の鉄獣を蘇生しその後の展開を大きく伸ばし、対象耐性まで付けつつ、
なおかつこのカード自身が炎属性でもあるという炎王目線でも鉄獣目線でもありがたいパワーカードです。

このカードが炎王鉄獣の貫通力、展開力を凄まじく強化しており、
OCGをやっていない自分ですが恐らくこのカードがあるとないとではtierが2段階は変わりかねないと考えています。
アポロウーサや篝火が禁止になってもまあ大丈夫ですしキリンが制限になっても戦えますが、
エルフが禁止になるとかなり厳しいと言わざるを得ないほどです。

【立ち位置、強み、炎王スネークアイとの比較】

そんな炎王鉄獣ですが、今(2024/9)現在ではtier2〜3程度だと思われます。
(もっと上手い人ならあるいは…)

強みになる点は、誘発耐性、妨害性能、後攻での捲り札への耐性が特に高い点が挙げられます。
炎王スネークアイとは別軸の強みもあります。

誘発耐性に関しては、一つには炎舞ーテンキの存在が大きいです。
これにより初動のフラクトールだけでなく炎王獣ガネーシャをサーチできます。
ガネーシャサーチを見せた段階で相手が焦って増殖するGを投げてくればPSYフレームギアγが刺さってかなり勝ちに近づけますし、
γが無くとも1枚もドローさせずにガネーシャを構えるなり他の動きをするなりで有利に立ち回れます。
Gを投げなかったらそれはそれで手札が強ければガネーシャ通常召喚からGやニビルをケアできる状態でのケラスや孤島で最大展開スタートの可能性もあります。

もちろん炎王デッキなのですから孤島やキリンで無効系誘発に対しての解答も用意できる可能性があります。
このような感じでかなりの確率で1枚では止まらないか対処できる(ドロバはキツいけど…)手札になっている程度には貫通力があります。

妨害性能に関しては、基本の最大展開では
前…エルフ、(リトルナイトor3ウーサ)
後…リボルト、聖域
墓…聖ガル、咎姫
手…(場合により)DDクロウorキリン
まで行きます。

素の炎王の妨害と比較しても勝るとも劣らない布陣を敷けます。
ここまで決まった場合はよほど相手に都合の悪い引きをされていない限りは負けることはほぼありません。

ほとんどの場合で妨害にリボルトが絡むので、破壊では対処し辛かったり対象耐性があったりする相手(例えば粛声、神碑など)には
炎王スネークアイよりも上手く対処できたりするケースもあります。

捲り札への耐性ですが、ライトニングストーム、サンダーボルト、拮抗勝負、三戦の才、冥王結界波、禁じられた一滴などのメジャーな捲り札は単品だとあまり効果がありません。

三戦の才は一見ウーサを奪われると咎姫などが封じ込められてキツいように思えますが、
このデッキの場合は奪われた瞬間にリボルトで仕留められるので容易に対処可能です。

拮抗勝負も即バトルフェイズに入られた段階でリボルト発動、
もしリトルナイトがいるなら拮抗勝負にチェーンしてシュライグを逃がしエルフを残しておけば2妨害しか減っていませんしリソースもしっかり残ります。
さらに拮抗勝負のブラフであったとしてもエルフがいればシュライグの効果はいつでも発動できるのでそれこそ1妨害も減りません。

フィールドのモンスターを破壊する効果やモンスター効果を止めるカードの効き目の薄さなどはもはや言うに及ばずです。炎王なので。

ライストや羽根箒で後ろを狙われても孤島は聖域に守られますし、リボルトは拮抗勝負の時と同様に発動してしまってもエルフがいれば問題ないのでやはり実質ほぼ被害なしです。

こんな具合に単品の捲り札はかなり余力を残して耐えてしまう事が出来ます。


あと細かい強みだとフラクトール、ガネーシャ、炎舞テンキで通常召喚モンスターの打点が比較的高かったりするので、
炎王の力も加わって対メタビ後攻の耐性もそれなりにあったりなど、
MDで戦うことを考えたらあると助かるかもレベルの強みもあります。


……しかしハッキリと言ってしまうなら、「同じ炎王を使うなら現時点では炎王スネークアイの方が強い」です。
あちらは文句なしのtier1デッキなので仕方ないのですがやはり同じサブギミックとして比較した時に、

・スネークアイ+ディアベルスターのギミックの汎用性や手数に鉄獣で対抗するのはさすがに役者不足
・EXデッキに鉄獣関連のカードを採用しなければならないのでEX汎用カードの枚数が減る(主にマスカレーナ、アンブロエール、サンライトウルフなど)

などの点ではどうしても劣ってしまいます。
差別化点もちゃんとありますが、弱点もそこそこ似通っているのでシンプルに対応力の差で負けていると言わざるを得ません。

なので、このデッキはあくまで筆者の様に鉄獣に対して思い入れのあるプレイヤーが握るデッキと割り切って戦いましょう。

【デッキ構築について】

このデッキは、炎王側に寄せるか鉄獣側に寄せるかで未だに私の中で結論が出ていません。
どちらにもメリットデメリットがあるので、とりあえず中間(炎王、鉄獣共に同程度の比重)と思われる現時点での私の構築を貼ります。


現在の私が使っているデッキリストです。


このデッキに関しては薄型にするか少し厚めにするかで迷うところですが…
私的にはちょっと大事なところを削ってでもなんとか40〜42枚前後の薄型に抑えることを推奨します。

初手に引いていたくない炎王神獣ガルドニクスなどのカードがあるのは確かなんですが、
その上でもやはり灰流うらら、増殖するG、サイフレームギア・γ、炎王神獣 キリンなどを
何とか初手に持ってくる確率を上げたい方が大きくメリットが上回るはずです。

・鉄獣関連

鉄獣戦線ーフラクトール

2枚か3枚採用。
2枚初動のワイルドカードにして、このデッキにおいて唯一本当にシナジーのあるカードを何も引けなかった時でも完全1枚初動で妥協展開できる強カードです。
3枚採用が基本かなとは思いますが初動確率が十分だと思うなら2枚もアリです。
炎舞テンキ込みで5〜6枚デッキにあるとかなり安定します。


鉄獣戦線ーキット

3枚採用!
このデッキにおけるキーパーソンにして圧倒的最重要カードです。

フラク+キットが最大展開になり、
ケラス+キットが最大展開になり、
ウルカでキットを割ったら最大展開になり、
孤島でキットを割りポニクスや聖ガルの召喚条件を満たし、
聖ガルでデッキからキットを割り展開を伸ばし、
咎姫でキットを蘇生してエルフを出し、
エルフでキットを蘇生して展開を伸ばし…

と八面六臂の大活躍、あらゆる方面から寵愛を受けるモテモテの最強カードです。
私的には咎姫とキットのイチャイチャの絵面を想像するのが好m

唯一このカード単品では妥協展開の1枚初動にもできないところが欠点ではありますがそもそもそれはこのデッキにおいて他にフラクトールにしか出来ないことですし、
どの展開においても2枚初動の相方ポジとして最強格でその欠点を物ともしない強さがあるので3枚積むべきです。


鉄獣戦線ーナーベル

2枚採用。
キットと比べるとシナジーが弱くあまり2枚採用したくないカードではありますが、
2枚採用ならフラクトール+ナーベルが最大展開にできるところを
1枚しか採用していないと妥協展開の手札になってしまいます。
一応ナーベル+孤島も最大展開初動になるので2枚採用が安牌でしょう。

初手に2枚同時に来た時は貴様ホンマふざけんなよって言っておk。


鉄獣戦線ーケラス

1枚採用。
普通の鉄獣ならどの鉄獣とも組み合わさってかつ唯一初動の手数を増やせる札として複数枚採用が基本になる強いカードですが、
このデッキにおけるケア的な動きは炎王の方に任せるのでサーチしてくる用の1枚で大丈夫です。
鉄獣側に寄せるのであれば2枚採用も考えられるかも知れません。


鉄獣の抗戦(リボルト)

このデッキの主力の妨害カードです。
主に効果を使って弱ったりユニコーンに狙われたりしたウーサをバトルから守ってあげるためや、致命傷になりうるモンスター(初手フェンリルなど)や魔法(ネクロバレーなど)を打ち抜くために使います。

当然ですが、咎姫がフィールドにいたりメインモンスターゾーンが2体分以下しか空いていなかったりすると使えません。
フェリジットでのマリガンの事もありますしあまり勿体ぶらず早めに発動してしまうことをオススメします。

小技ですが、発動する場合は原則としてナーベル、キット、フェリジットを巻き込んでシュライグを召喚し、
1…フェリジット
2…ナーベル
3…シュライグ
4…キット
のチェーン順で効果を発動しましょう。

まず一番意味のないキットの効果を上に乗せて他の3つの効果を守りつつ、
キットとナーベルでデッキを圧縮した後にフェリジットのマリガンが入るため、
先攻展開で削れた分も合わせてかなり薄くなったデッキから高い期待値で手札誘発を引き込めます。

採用しない構築もあるにはありますが、炎王鉄獣では使ったほうがいいと思います。


炎舞ーテンキ

2枚採用、初動に極めて真摯にするなら3枚もなくはないです。
鉄獣カードではないですがこちらで紹介します。

主に初動となるフラクトールをサーチするためのカードですが、ガネーシャもサーチ範囲に含まれています。
初動を既に確保しているシーンでガネーシャをサーチすることで誘発の打ち合いにおける駆け引きを相手に要求することができます。

特にここにドロールを喰らうと結構致命傷になるのでそのケアの意味でもγ採用を強くオススメします。

このカードの存在で実質1800以上の打点がデッキに6体以上いる事になるので
メタビ対面とかはちょっとやりやすくなります。


・炎王関連

炎王妃 ウルカニクス

2枚採用。
強初動です。
召喚権を使ってしまう上にうららも泡影も食らってしまう初動なのですが、
ケアする方法が大量にある上に一度通れば(神ガルを引いてしまっていない限り)最大展開が確定します。
3枚は初動の確率的にちょっと多すぎると思うので2枚採用ですが、炎王側に寄せるなら一考です。
キットとイチャイチャさせるのがこのデッキの最強の初動です。


真炎王 ポニクス

1枚か2枚採用。
貫通力を高められるカードではありますが、初動としては少し弱めなので2枚採用するかどうかで絶妙なラインのカードです。
ポニクスで聖域をサーチする前に鉄獣で除外しなければならなくなってしまう、というケースは恐らく存在しないためその意味でも1枚あれば仕事してくれるのでなおのこと悩むカードです。


炎王獣 ガネーシャ

1枚か2枚採用。
いきなり召喚してG、ニビル、ドロバなどの誘発を弾くための札としても使えますし炎舞ーテンキでもサーチできます。
2枚採用だと「テンキでサーチして相手にプレッシャーを与えつつも聖ガルで割るためにデッキにもう1枚残っている」という状況を作れますし、
他にもキリンや孤島で割って大きな展開に繋げたりなど用途が多いので私的には2枚がオススメかなと思います。


炎王神獣キリン

3枚採用。
キットやウルカニクス、エルフなどの効果に飛んできた無効系妨害を回避してくれるスグレモノ。
それ以外にも相手の妨害、展開強化など炎王鉄獣においてもその用途は多彩であり、文句なしの3枚採用でいいと思います。
このカードを手札に引き入れたいので出来ればデッキ枚数を薄く抑えたいです。


聖炎王 ガルドニクス

1枚採用。
強いので2枚目が欲しいシーンも無くはないのですが、さすがに自力で通常召喚できないカードに2枠割くのは怖すぎます…
ただでさえ↓のカードもあるので素引きで苦しむ可能性の高いカードは減らしたいところです。


炎王神獣 ガルドニクス

1枚採用。
素引きがかなりイヤなカードです。
LL鉄獣の巨神鳥よりは少しマシかなとは思います…

これが入っていないとウルカニクスがかなり弱くなるので仕方なく。
初動でフラクトール(→ケラス初動)の相方が聖ガルやコイツしかいなかったりすると最大展開にならなくなったりするので炎王なのに冷えます。

この手のカードをフェリジットでデッキに戻せるのは鉄獣系列の強みを実感できます。


炎王の孤島、炎王の聖域

それぞれ2+1枚、もしくは2+2枚の採用。
展開の肝を担うカードであり貫通札としても非常に優秀なので、
このカードが1枚ずつしか入っていないと誘発ですぐ止まって動けない事が多くなりがちです。
合わせて3枚以上は最低でも採用しておきたいところ。
炎王側に寄せるのであれば2+2採用もありでしょう。


炎王神天焼

1枚採用。
かみてんやきーなどと弄りたくなる程度にはお世話になるし強いです。
ウルカ→ポニに対する増Gの止まりどころなどでもありますし、
メタビ対策であったり3ターン目以降のポニクスのやることであったりと活躍シーンは多いので1枚は入っていて欲しい存在です。

・誘発他

うらら、G、墓穴、抹殺は割愛します。

PSYフレームギア・γ

欲しい。というか必須枠に近いかも。
例えばテンキ→フラクトールを初動で使った際にドロール&ロックバードやディメンション・アトラクター等の致命傷になるカードが飛んでくるケースはかなりあります。
その面倒を見られるカードがデッキ内に2枚(墓穴)しかないのと4枚あるのは全ッッッッッッ然話が変わります。

また、前述した通りテンキからガネーシャを引っ張ることもできるので、
対戦相手の応手次第では増Gを撃ち落とせる場合もあります。
普通のデッキより打てる機会がかなり多いはずなので採用を強くオススメします。


エフェクト・ヴェーラー

1枚はいて欲しい。
まずもちろんサイフレームギアγを打った後には泡影は使えませんがヴェーラーは使えます。
あと相手ターン中にリボルトでフェリジットの効果を発動させた際に引き込んだと仮定しても、泡影は使えませんがヴェーラーは使えます。
このデッキにおいては相性の都合で無限泡影よりも価値が高いかもです。


D・D・クロウ

ウルカニクスで初動をスタートした場合や、最初から手札に展開に必要なパーツが1枚多くあった場合などは
シュライグによってサーチできる手札誘発になります。
昨今の60GSや炎王スネークアイを止めるには1枚では心許ないですが、
展開のついでにサーチ出来るとなれば話は変わりますので1枚入れておくことをオススメします。

シュライグがDDクロウをサーチするシーンはLL鉄獣などの使い手にとっては懐かしい光景なのではないでしょうか。


ドロール&ロックバード、原始生命態ニビル

今回不採用ですが、抹殺の指名者でこれらを弾きたいケースはやはり多いので採用を検討してもよいかもしれません。

・EX

鉄獣側の展開に必要な面々から紹介します。


鉄獣戦線ー徒花のフェリジット

2枚必須。
鉄獣側スタートの先攻展開でいきなり2枚とも使います。
展開をサポートするだけでなくリボルトを駆使することで自ターンと返しの相手ターンで往復2枚の手札を入れ替えられるパワーカードに変貌します。
展開の序盤で出した場合に神ガルをデッキに戻せるのもかなり有能です。

一つ忘れがちですが、フェリジットの手札からの特殊召喚効果を使った場合でも鉄獣制約は付きます。
うっかりこの効果を使った後に咎姫やヒータを出してリンク素材にできなくなってしまった!
などというミスをしないように気をつけましょう(n敗)


鉄獣戦線ー凶鳥のシュライグ

2枚必須。
基本的に鉄獣系列はかなりの確率で先攻展開でシュライグを使うので、
リボルトを採用する以上は先攻展開用とリボルト用の2枚が絶対に必要になってきます。
このデッキにおけるサーチも除去もこなす優秀なエースカードです。

鉄獣戦線ー塊撃のベアブルム

展開の途中に挟んで最重要妨害カードのリボルトを持ってくる役です。
初動で消費した手札を回復する手段があまりないので基本的に除外蘇生の効果は使わないです。


戦華名将ー双龍

妥協展開の時などに増Gを投げられた際の止まりどころです。
またこのデッキは先攻展開した後にリボルトを開くとそれでEXの鉄獣モンスターを使い切ってしまうケースが多々あるので、
このカードが入っていないとその後の鉄獣たちがただのバニラになってしまいます。
私的にはマスカレーナよりも優先度が高いと思っています。


転生炎獣アルミラージ

初手のナーベルやキットを墓地へ送るための手段です。
鉄獣リンク効果を発動する前ならばこのカードもエルフの素材に出来るので
キット+ナーベルのような手札の時に妥協展開するために採用します。

…つまりこれを呼ばなければならない状況はどう転んでも弱い展開にしかならないので、
ちょっと不採用を考え始めている1枚です。


スケアクロー・ライトハート

鉄獣効果で1枚を除外することで出せるケモです。
フル展開でも妥協展開でも結構使うケースが多いので必須枠です。


続いて炎王関連及び汎用枠です。


炎王神 ガルドニクス・エタニティ

聖域で呼び出したり、後手で呼び出し全体除去効果を発動した後に破壊して展開を伸ばしたりと非常に強いカードです。
炎王デッキですから言うまでもないことですが聖域を採用する以上1枚は必ず入れてください。


<(╹ヮ╹)> の火霊使いヒータ
賜炎の咎姫

炎王を使う以上は当然採用の必要が出てくる汎用枠です。
1枚ずつの採用。

賜炎の咎姫の制約を上手く制御しながら展開、妨害が出来るかで展開練度の差が出ます。
間違ってもリボルトを発動する前に手拍子で相手の特殊召喚に合わせて咎姫を蘇生したりしないようにしましょう。(2敗)


スプライト・エルフ

OCG炎王鉄獣との最大の相違点にして非常に重要なカードです。
既に説明したので割愛しますが、展開例を見ていただければどれほどこのカードを利用するのかがよくわかると思います。


世海龍ジーランティス

トドメ用カードです。
シュライグやアポロウーサを素材に簡単に出せて3ターン目のキルに貢献してくれるのでかなり評価が高いカードです。
ただし、鉄獣リンク効果で出した双龍やシュライグはフィールドに出し直せず消えてしまう点には注意しましょう。


召命の神弓ーアポロウーサ

展開の終着点にして言わずもがなの鉄獣、炎王の双方で愛用される最強汎用リンクです。
絵違いの演出が美しすぎてムービーがOFFに出来ません。


S:Pリトルナイト

主にベアブルムをリンク素材に最後に置くケースが多いです。
言わずもがなの強カードですが、このデッキにおいては「リンクモンスターも素材にできる妨害持ちの終点」としての側面が大きいです。

【炎王鉄獣の展開】

まず前提としてこのデッキは2枚初動、つまり「最大展開をするには最低でもパーツが2枚必要」です。
とはいえ、その2枚は例えばウルカニクス+割る炎属性モンスター(うらら込み)ですとか、
対応範囲が広めな2枚初動が多いので初動確率が低いなどということは全く無いです。

このデッキの最大展開のパターンは2種類あります。
パターンAはシュライグからウルカニクスをサーチするパターン、
パターンBは聖ガルなどでキットを墓地に送りつつ3体のモンスターを盤面に揃えるパターンです。

どちらのケースもだいたいこんな感じを目指すように頑張ってください。

初動のポニクスが泡で止められて貫通した画像なので聖域がなかったりします。ゴメン。

・パターンA(鉄獣初動)

代表的な初動は
フラクトール(テンキ)+ケモ
ケラス+キットorナーベル
です。
今回はフラクトール+ケモのパターンを紹介します。

①手札のフラクトールの効果発動、キットを墓地へ送り効果発動、ナーベルを墓地に送り効果発動、ケラスをサーチ。

②手札のケラスの効果発動、ケモを墓地へ送り自身を特殊召喚。

③ケラスの効果発動、墓地のケモ(キット以外)を1体除外しライトハートを特殊召喚。

④ケラスとライトハートでエルフをリンク召喚、効果を発動し墓地のキットをエルフのマーカー上に蘇生。

⑤キットの効果発動、墓地のケモを4体除外しシュライグを特殊召喚。
(ニビルラインここ)

⑥キットとシュライグでフェリジットをリンク召喚し、シュライグの墓地効果でウルカニクスをサーチ。

⑦フェリジットの効果でウルカニクスを特殊召喚、効果を「使用しない」。

⑧フェリジットとウルカニクスで咎姫をリンク召喚、効果を発動しエルフのマーカー上にウルカニクスを特殊召喚。

⑨ウルカニクスの効果発動、咎姫を破壊してデッキからポニクスをサーチし、そのまま効果でポニクスをエルフのマーカー上に特殊召喚。

⑩ポニクスの効果で聖域をサーチ→発動し孤島を置き効果を発動、ウルカニクスを破壊して聖炎王ガルドニクスをサーチ。

⑪ウルカニクス効果で炎王神獣ガルドニクスを特殊召喚、聖ガル効果で自身をエルフのマーカー上に特殊召喚。

⑫聖ガル効果発動、ガネーシャをデッキから破壊してガネーシャ効果発動、キットを蘇生。

⑬キット以外のどれか2体で2体目のフェリジットをリンク召喚、キットとフェリジットでベアブルムをリンク召喚、ベアブルムと残った1体でリトルナイトをリンク召喚、ベアブルム墓地効果でリボルトをサーチ。(リトルナイト効果で墓地のシュライグを除外。)


基本最終盤面は
前…スプライト・エルフ、S:Pリトルナイト
後…鉄獣の抗戦、炎王の聖域
墓…賜炎の咎姫、聖炎王ガルドニクス
です。

後述しますが場合によりリトルナイトが3ウーサになりますし、
シュライグのサーチ先ウルカニクスを既に持っていた場合はシュライグでDDクロウをサーチするか、
先にポニクスをサーチすることでウルカニクスではキリンを持ってくるなどの対応も出来るので
さらに盤面や手札を固められます。


この展開ではウルカニクスのサーチに必要なシュライグを呼ぶために鉄獣戦線の共通効果を発動してしまうことで
賜炎の咎姫をリンク素材として使用できなくなってしまう問題点を、
ウルカニクス(場合によりアドリブで孤島やキリンなど)で破壊して墓地送りにすることで解決しつつその後のサーチを成立させるパターンです。

まず最初にケラスの特殊召喚から入るためこの展開だけなら召喚権を使用していません。
なので動き出す前にガネーシャをサーチしたり通常召喚するチャンスがあります。
ガネーシャを通常召喚しつつアクティブにできる手札ならば、ほとんどの手札誘発を1枚は貫通します。

召喚権を残して立ち回った場合は泡影への耐性が上がります。
ケラスでのライハ召喚の効果を無効にされた場合は何でもケモ1体召喚→エルフからキット蘇生で同じルート、
その後出したエルフを無効にされた場合でも手札に
鉄獣のうち誰か、ポニクス、ウルカニクス、キリン、孤島、聖域
のいずれかが残っていれば貫通もしくは妥協展開が可能です。
エルフも見逃した場合はその後フィールドで効果を発動するモンスターと終点のウーサまでが
全てエルフのマーカーの下に出るのでそこから打てる場所はないです。

ニビルを受けた場合でも召喚権が残っているので、フラクトールやウルカニクスなどが手札にあれば盤面は弱くなりますが動けます。


ちなみに、最後の⑬のフィールドのケモ達をまとめていく際のパターンも最初の行動や手札によってわずかに分岐が出ます。

(⑬'(動き出す前にガネーシャを先に通常召喚していた場合)キット以外の2体でフェリジットをリンク召喚、キットとフェリジットでベアブルムをリンク召喚、ベアブルムとガネーシャとさらに1体残っているケモでアポロウーサをリンク召喚。)

このパターンの場合は最終盤面をエルフ、リトナ、ガネーシャにすることも可能ですが、
初手超融合を喰らった瞬間にガネーシャ含むフィールドの炎属性が全滅して妨害がリトルナイトとリボルトだけになってしまうので、
ガネーシャも巻き込んでアポロウーサを召喚することをオススメします(4敗)。

(⑬"(ここまで召喚権と手札にフラクトールorナーベルを残していた場合)エルフマーカー下にいる2体でリトルナイトをリンク召喚、鉄獣をエルフマーカー下に通常召喚し効果でベアブルムを特殊召喚、ベアブルム含む4体でアポロウーサをリンク召喚。)

既にフェリジットのマリガンを切った上でなお手札が弱く余っている鉄獣がいるならウーサに貢ぐ方向に振り切りましょう。
このエルフ+リトナ+4ウーサ+いつもの後ろ&墓地が盤面の最大値ですね。

(⑬"'(既に抗戦が手札にある場合)エルフ以外のフィールドの4体でアポロウーサをリンク召喚。


リボルトが既に手札にあった場合もウーサが元気になります。
このパターンの場合は展開途中でベアブルムを出さないため、
何かの間違いでエルフが退かされて場に炎属性がいなくなってしまっても相手の特殊召喚効果にチェーンしてリボルトを発動、
ベアブルム(炎属性)を呼ぶことで墓地の咎姫を再びアクティブに出来るのは覚えておくと便利です。


・パターンB(炎王初動)

代表的な初動は、
ウルカニクス+炎属性なんでも
キット+孤島(聖域)orポニクス
ナーベル+孤島(聖域)
などです。

特にウルカニクスに初手うららや泡影直撃などが怖いですが、キリンや孤島の存在もあるので貫通できる可能性は高いです。

パターンAとBのどちらもできる手札の場合(フラクトール+ウルカニクスなど)は、
ウルカニクスへのうららや泡影、ガンマなどを一発までケアできる手札ならパターンB、
ウルカニクスを止められるとケアできない手札ならフラクトールから動いてパターンAにすると良いでしょう。
一番ありがちなウルカニクス+炎属性なんでものパターンを紹介します。

①ウルカニクスを通常召喚、炎属性モンスターを破壊してポニクスをサーチ、そのまま効果で特殊召喚。

②ポニクス効果で炎王の聖域をサーチ、そのまま発動し効果で炎王の孤島を展開。

③炎王の孤島でウルカニクスを破壊し聖炎王ガルドニクスをサーチ、ウルカニクス効果で炎王神獣ガルドニクス、聖ガル効果で自身をそれぞれ特殊召喚。

④聖ガル効果でキットをデッキから破壊、キットを効果でナーベル墓地送り、ナーベル効果でケラスサーチ。

⑤フィールドの3体で賜炎の咎姫をリンク召喚(ニビルラインここ)、咎姫効果でキットを蘇生。

⑥咎姫とキットでスプライト・エルフをリンク召喚、エルフ効果で再びキットを蘇生。

⑦キット効果発動、シュライグを特殊召喚しシュライグとキットでフェリジットをリンク召喚。

⑧シュライグ効果でDDクロウをサーチ、フェリジット効果でケラスを特殊召喚、ケラス効果でベアブルム特殊召喚、フェリジット、ベアブルム、ケラスでアポロウーサをリンク召喚、ベアブルム効果でリボルトをサーチ。

最終盤面は
前…スプライト・エルフ、召命の神弓ーアポロウーサ(2400)
後…鉄獣の抗戦、炎王の聖域
墓…賜炎の咎姫、聖炎王ガルドニクス
手…DDクロウ
です。

⑦はそのままキットからベアブルム→リトルナイトでもいいのですが、シュライグ召喚を挟むことによりウーサが盤面に出ることだけでなく、

1、実質的に手札の鉄獣をDDクロウに入れ替えられる。
2、フェリジットを素でリンク召喚するためリボルト発動時にフェリジットが召喚可能になりモンスターゾーンの空き枠が3枠でよくなる。
3、展開途中でフェリジット効果の手札マリガン、リボルト発動時にさらにもう一回マリガンできるため手札誘発を引き込む期待値が跳ね上がる。

と幾重にも+要素があり明らかにやった方が得になるためそこまで動くことを推奨します。


炎王初動をすることにより鉄獣の制約がかかる前に咎姫を呼べて、
かつ展開途中で落としておいたキットを咎姫が蘇生できてそのまま2人を素材にエルフに繋げられるために実現可能な展開パターンです。

展開途中でキットを墓地へ送るということは即ちケラスが手札にあるはずなので、
もしもニビルを食らったとしてもケラスを出せる状態ならそこからエルフ+リボルトは確定します。
ニビル時点で咎姫と聖ガルが墓地に落ちているはずなので減るとはいえ十分な妨害量でしょう。

このパターンは「鉄獣のリンク召喚効果(+フェリジットの特殊召喚効果)なしでフィールドに咎姫+墓地にキット」の条件を達成するのが肝であり、
逆に言えばそれだけできればいいのでかなり色々なパターンが存在します。

場合によっては聖ガルの効果を待たずにキットが墓地にいて聖ガルでガネーシャを破壊してキット蘇生→その後の咎姫でガネーシャ蘇生する、などが実現できたり、
ウルカニクスをうららで止められた際にキリンでキットを破壊し特殊召喚、ウルカキリンでヒータ召喚→相手のうららを蘇生→咎姫からキット蘇生へと繋いだりなど、
横に並べる方法をアドリブで導き出すために炎王関連のカードの能力をキチンと理解しておきましょう。

・妥協展開のパターン

フラクトール完全1枚の場合です。

①フラクトール効果でキットを墓地へ、キット効果でナーベルを墓地へ、ナーベル効果でケラスをサーチ。

②ケラスを通常召喚、効果でケモを2枚除外しフェリジットを特殊召喚。

③ケラスとフェリジットでエルフをリンク召喚、エルフ効果でキットを蘇生。

④キット効果でケモを2体除外しベアブルムを特殊召喚、ベアブルムとキットでリトルナイトをリンク召喚。

盤面上はリトルナイト+リボルトだけの2妨害ですが、エルフとリボルトが次のターンのリソースを増やしてくれますし、
フラクトール1枚しか初動がないなら手札は誘発が多いパターンがほとんどですので勝負にはなるはずです。

あと地味にフェリジットを噛ませることで1ドロー分だけ悪あがきをしています。
もしウルカニクスなどを引けたらキットでもフェリジットを呼び効果で特殊召喚して伸ばすことも出来ます。


炎王側からの展開スタートで2体までしか盤面に出力できない場合の2枚初動です。

例…キット+キリン

①キリンでキットを破壊し特殊召喚、キット→ナーベル→ケラスと繋いでケラス通常召喚。

②ケラス効果でキット以外のケモを1体除外しライトハートを特殊召喚。

③ケラスとライトハートでフェリジットをリンク召喚、フェリジットとキリンでスプライトエルフをリンク召喚し、エルフ効果でキットを蘇生。

④キット効果でケモ4枚を除外しシュライグを特殊召喚、キットとシュライグでフェリジット2体目をリンク召喚。

ここから鉄獣に行くか炎王に行くかの分岐です。

⑤シュライグ効果でフラクトールをサーチ、フラクトールをフェリジットで呼び出し効果でベアブルムを特殊召喚、3体でアポロウーサをリンク召喚しベアブルム効果でリボルトをサーチ。

もしくは、

⑤'シュライグ効果でウルカニクスをサーチ、ウルカニクスの効果を「発動せず」、フェリジットとウルカニクスを素材に咎姫をリンク召喚。

→咎姫効果でウルカニクスを蘇生、ウルカニクス効果で咎姫を破壊しながらポニクスをサーチしそのまま特殊召喚、炎王の聖域→孤島まで発動。

→孤島効果でウルカニクスを破壊し聖炎王ガルドニクスをサーチ、聖ガルと神ガルを特殊召喚し、聖ガル効果でガネーシャをデッキから破壊、ウルカニクスを蘇生させて盤面の4体でアポロウーサをリンク召喚。

最初の段階で3体並べることができなかった場合、リボルトか聖ガル聖域咎姫かを選ぶことになります。
基本的には後者の炎王側に持っていくほうがベターですが、対戦相手を人読みしたりでこの対面は除外効果が欲しい!という時は前者を選択する場面もあり得るでしょう。

【炎王鉄獣の今後の展望】

今後のこのデッキを立ち位置について考えてみます。

まず、同じ炎王系列として厳しい競合相手の炎王スネークアイはそう遠くないうちにもう1段階規制が強くなると思われますが、
その影響は恐らくほぼ受けずに済むはずです。

例えばもし炎王スネークアイのポプルスや篝火が制限などになってしまった場合かなりの弱体化になるのは間違いないはずですが、
炎王鉄獣ならばそこで受けるダメージは皆無です。
鉄獣関連のパーツに規制が入るとも考えづらいのでその点では一安心。

……とも言い切れないのが怖いところです。
というのも前述した通りスプライト・エルフの存在はこのデッキにおいて相当なウェイトを占めていますが、
エルフが今後禁止にならないかと言われると結構怪しいニオイがするからです。
エルフが禁止になった場合このデッキの展開はほとんど1から考え直さなければならなくなりますし、
今まで通りの戦力を持って戦えるのかと聞かれるととても首を縦には振れないです。

さらに、マルチャミーシリーズやデモンスミスなどがもし参戦すると立場が悪くなることが想定されます。
現時点で既にデッキ、EXデッキ共に枠がいっぱいなので、そのあたりを採用できない、もしくは採用する枠をどう捻出するかで非常に難しくなってしまうはずです。

なので、このデッキはここ数ヶ月のうちが勝負になると思っています。

【おわりに】

ここまで読んでくださってありがとうございました。
なにぶん人に読ませる書き物をするのに慣れていないので至らない点や読みづらい点などあったかもしれません。

もしこのNoteを読んでこのデッキを使ってみたい、あるいはこんな展開を思いつきました!などの感想があれば頂けると大変喜びます。

これを最後まで読んでくださった方々や、
このデッキの展開を考えてくださった方々など、
多方面に感謝をして締めとさせていただきます。

改めてありがとうございました。


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