ショートストーリー~私の写真を撮って~
登場人物はこちら
ザリは彼女の美術の先生、オスカーを教室の外で呼び止めます。
「お願いです、私の写真を取ってくれませんか?」
「どうしてですか?」
オスカーが不思議に思って聞くと、ザリはこう答えます。
「私のソーシャルメディアのために必要なんです。」
「僕は今他の先生達との会議に遅刻しているんです、ザリ。」
オスカーが急いで言うと、ザリは頭を下げて言います。
「お願いです!」
「もう、わかりました。」
オスカーが諦めて言います。
「ありがとうございます。これが私の電話です。」
ザリが言うと、オスカーは適当に言ってもらいます。
「はいはい。」
「待ってください。私は素敵に見えていますか?」
オスカーが写真を撮ろうとするのを止めてザリが言うと、オスカーはこう言います。
「さあね。」
「そうですね。私はいつも素敵に見えます。」
「良かったですね。」
オスカーが言うと、ザリが聞いてきます。
「待ってください。あなたは写真をドアの横で撮りたいですか…」
「…それともドアの前でですか?」
「ドアの横でかな。」
オスカーが答えると、ザリがまた悩み始めます。
「やっぱりドアの前でかな…」
「ザリ!」
オスカーがイライラして言うと、ザリは写真を撮る場所を決めて言います。
「わかりました!その写真を撮ってください。」
オスカーは写真を撮ります。
「ありがとうございます!」
ザリはお礼を言った後、オスカーに言います。
「待ってください。間違っています。」
「これはあなたが被写体の写真です。」
そして、話し続けます。
「私が被写体の写真をとって欲しいんです!」
「そんな!この写真はすでにオンラインに投稿しましたか?!」
ザリが叫ぶと、オスカーは失敗したというように言います。
「しまった。」
「あっ…見てください!あなたの写真に50人も『いいね』しています!」
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