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人見知りコミュ障がシェアハウスに住んだ話

集団行動が大の苦手・・・を通り越して無理な私が、実は1年ほど前までシェアハウスに住んでいた。

中学生の頃、ドラマ「ラスト・フレンズ」を見てシェアハウスに憧れつつも、家族以外の人間と一つ屋根の下で生活するなんて考えられなかったから、まさか本当に暮らすとは思わなかった。

しかもその間、実に3年半。めちゃくちゃ居心地がいい! というわけではなかったけど、なんだかぬかるみにハマってしまったようで、想定よりもずっと長く居着いてしまったし、このまま一生出ていけないんじゃないかと恐怖さえ覚えた。

そんな私が暮らしたシェアハウスは、建物の老朽化や入居者の減少によって運営が難しくなったとかが原因で、少し前に閉鎖されてしまった。

「そういえば、無くなっちゃったんだな」と、先日ふと思い出したので、今回はシェアハウスでの生活を振り返ってみようと思う。

陰キャがシェアハウスを選んだきっかけ

シェアハウスって、人との交流が好きでコミュニケーション能力に長けている陽キャが集うイメージだけど私は真逆だ。基本的には一人でいたい。

ではなぜ、シェアハウスに住んだかというと、

・パニック障害が原因で部屋に一人でいることが無理になった
・コロナ禍でこのまま誰とも関わりを持たず、一生を終えるかもしれないことに怖くなった
・在宅で働く環境を整えたかった(ローテーブルで仕事は無理)

上記3つが主な理由。他にも家賃が安かったり、大嫌いな水回りの掃除をしなくていいことなんかも魅力的だった(キッチンやお風呂などの共有スペースはほぼ毎日業者がしてくれる)。

実際に住んでみた感想

・相手から話しかけてくれることは少なく、自分から会話しないと交流できない
・想像以上に内向的な人(もはや社会不適合者)が多い
・人を見極める判断力が養える
・今まで関わったことのないタイプの人間がいて面白い
・自分の好きな時に共有スペースを利用できないのは結構ストレス
・騒音が気になっても相手の素性が分かっているから注意しづらい
・災害時や深夜の帰宅時など、心細い時に誰かがいてくれる安心感が大きい
・赤の他人でも友だちでもない関係性は案外ラク

シェアハウスでしばらく過ごしてみて感じたことは、ざっと↑のようなこと。

私がいた物件は交流目的の人は少なくて、家賃の安さとか職場・学校へのアクセスの良さなどを理由に入居した人が多かったからか、基本的には自室にこもっている人がほとんど。

かくいう私も、仲がいい人たちがいた頃は比較的交流していたけど、途中から部屋に引きこもっていたし、顔を合わせても挨拶くらいで世間話をすることはなくなった。グループLINEで名前は知っているが実物は見たことがない、なんて人はざらにいて、果たして入居者なのかはたまた遊びに来ただけの人なのか分からない。不法侵入者がいても間違いなく気づかなかっただろう。

人種のるつぼ状態で、人間観察にはもってこいの場だった。

例えば、
・挨拶をしても無視するしいつもなんだか怒った顔をしているけど、週に何度か連れてくる不倫相手とは、甘ったるい声を出しながらはちゃめちゃに笑顔で料理するクリエイター
・夕食時に2台あるオーブンレンジを両方占領してケーキを焼く、エグい自己中な営業マン
・動物ネタのライブ配信を大音量で視聴するオーガニック&スピリチュアル信者
・イヤフォンなしで会議を繰り広げ、社内情報を垂れ流すネットリテラシー皆無のエンジニア(たぶん管理職)

なんて人がいた。他にも変な人はたくさんいたけど、さすがに身バレしそうで書けない。いやもう上記の内容だけですでに身バレしそうだけども…。

「こいつ…本当にちゃんと社会人やってんのか…?」と、自分のことは棚に上げて、本気で心配してしまう人たちがゴロゴロいた。そういう人たちを見ていると、「なんだかこの人たちよりはマシな気がする」と安心でき、自信を取り戻すことができた。(失礼すぎて呆れる)

まあ自分もそうだけど、仕事をしている時とプライベートでは人格を変えていたりするから、もしかすると「なんだこいつ…」と思っていた人の中に、エリートサラリーマンとかバリキャリが潜んでいた可能性も否めない。

シェアハウスを去ったわけ

面倒に感じることも幾度となくあったけど、それなりに馴染んで3年半も生活した。それなのになぜシェアハウスを去ったかというと、

・転職した会社までの通勤時間が長すぎる
・深夜に帰宅して一刻も早くご飯とお風呂を済ませて寝たいのに、キッチンもお風呂も埋まっていて使えないストレスが限界に達した
・自室が狭くて希望のレイアウトができない

ほぼフルリモート状態から、完全出社の会社に転職(秒で辞めたけど)。通勤時間が長い上に乗り換え回数も多くて、とにかく通勤がストレスで仕方なかった。

その時にはもう、パニック障害もうつ病も寛解していたから、「まあ大丈夫だろう」と思って一人暮らしに戻ることを決意→退去するに至った。


シェアハウスで出会って結婚したカップルも何組もいたし、建物が閉鎖されて各々新しい環境に散っても交流が続いている人もいるんだろうなと思う。

私は人間関係を築くのが得意じゃなくて、せっかく仲良くなっても疎遠になってしまう人がこれまでにもたくさんいたから、入居中も誰かと特別仲良くなることはなかった(一度だけニート期間中に、割とよく話していた女の子とご飯に行った)。

だから、シェアハウスに住んでよかった!と胸を張って言えるような経験はしてないし、何かメリットになったわけでもないけど、人生に一度くらいは経験してみてよかったなと思っている。

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