夫婦といえど 最終1
11月17日GPSを確認すると、いつもの待ち合わせ場所に停車中…
今日終わらせようと思い行ってみる。
2人がいる…
心臓がバクバクしてる。
少し遠くに車を止め徒歩で近づく。
角度的に妻からは私の姿は見えない。
男が先に気づく、私は2人の前に姿を見せて一言
「なにしてるん」
妻は
「どうしたん」
それを無視して
男に自己紹介する。
「〇〇の夫です」
男は会釈する。
私は
「〇〇さんですよね」
男は
「はい」
私は
「2人は不倫してますよね」
と男に聞く。
すかさず妻が
「してない」
私は
「全部わかってるって、俺がここに来てる意味が分からんの?」
私はもう一度男に聞く。
「不倫してますよね?」
妻が
「してる」
私は
「いつから?」
妻は
「1年前から」
私は
「全部わかってるって」
妻は
「2年前から」
私は男に
「それでは今後の話し合いをしたいので、あそこのファミレスに行って下さい。あっ場所わかりますかね?分かりますよね?ご自宅の近所なんで」
男は
「わかります」
私は妻に
「あなたは娘のバレーの練習が終わり、家に送ってから来て下さい」
私は男に
「それでは行きましょう」
と促しファミレスに行く。
ファミレスに入る前に男と2人でタバコを吸いながら少々の雑談。
私は
「今回の不倫貴方は本気ですか?それとも遊びですか?」
男は
「遊びではない」
私は
「そうですか…じゃあ入りましょう」
といいファミレスに入る。
2人してドリンクバーだけ注文し話し合い開始。
私は最初に
「今後裁判などの可能性もあるので、録音と録画してもいいですか?」
男は
「はい」
スマホで録画開始。
私が
「それではこの書面を読み納得されたら、サインお願いします」
と先ずは誓約書を渡す。
内容は今後如何なる対応をされても異議申し立てをしない。
今回の話し合いで虚偽の内容を発言すると慰謝料50万円増加の2点である。
男は簡単にサインをする。
私は続いて
「次にこの書面を読み、質問に答えて下さい。」
といい質問状を渡す。
内容は罪悪感の有無や使い込んだ金額などだ。
質問にも淡々と答えを書いて行く。
私は男に
「次にこの書面を読み納得されたらサインしてください」
といい示談書を出す。
これにも簡単にサインするので、思わず
「公正証書の意味分かってますか?強制執行の意味分かっていますか?」
など聞いてしまう。
男は
「分かりません」
コイツ馬鹿なのか?
内容が分からない書面に住所、氏名、印鑑を押すとか等思ったが、態度には出さずに説明をする。
慰謝料も相場の倍以上の金額を書いていた。
男から
「質問いいですか?」
私は
「どうぞ」
男は
「この慰謝料の根拠を知りたい」
私は
「私達夫婦の婚姻期間と貴方たちの不倫期間、それと私の心的外傷です。相場よりは高いですよ」
男は
「相場っていくらぐらいですか」
私は
「それに答える義務はないですね、知りたいならご自身でお調べになって下さい」
「それに以外に質問はありますか?」
男は
「ないです」
私は男に
「慰謝料ですが、一括か分割どちらですか」
男は
「一括で支払います」
私は
「そうですか…」
こうして全ての書面にサインと押印が終了し、話し合いは終了し、それからは不倫に至った経緯などを聞く。
聞きながら私は思った。
何故私はこんなにも冷静に話しを聞けるんだろう?
ひとつの答えが出た。
私は不倫をした事に怒ってるんじゃなくて、子供達を裏切った事を許せないんだ…
私は笑顔で唐突に
「でもすごいですよね、いやー凄いと思いますよ」
男は
「何がですか?」
と言う
私は
「いや人の家庭を壊しておいて謝罪の一言も無いなんて、凄い人だと思いますよ」
と言うと
男は
「今回は申し訳ありませんでした」
とやっと謝罪を行う。
1時間程度で全て終了。
次は妻だ、こっちは時間がかかりそうだ。