結局暑い

 ズボンのポケットの中に煙草を入れていたら、箱がぐっしゃぐしゃになっていた。

 最近は一生暑い。梅雨明けしたとか、しないとか、したとか聞いた。なんでも、今週末の気温は三十度を超えてくるらしい。

 梅雨の前から、ところによっては三十五度超えていて、雨が降っている間も気温が下がりはしたものの、体感温度は全く変わっていない。湿度が上がって、暑さの種類が変わっただけだ。

 太陽が出ていなければ蒸し暑いし、出ていれば直射日光でクソ暑い。意味が分からん。

 そんなこんなで今日は死ぬほど汗を掻いた。

 普段からポケットの中にはスマートフォンと煙草(加熱式煙草デバイスと共にポーチの中に入れている)が入っているのだが、モノの重みでズボンが太腿に貼りついてきて全く歩きにくい。残念なことにどちらも必需品なので、出す選択肢はない。

 汗だくになり、冷蔵庫で冷やしておいたお茶を飲んでから、さて一服……とポケットからポーチを取り出したところ、ポーチがしっとりしている。

 当然、汗のせいだなと思った。暑かったし、ポーチがこうなるのは仕方がない。

 そして、チャックを開いたところ、煙草の箱、そして中身が潰れていた。

 箱はともかく、中身は案外無事だった。箱が変形したせいで、多少薄めに潰れてしまっていたが、デバイスにはちゃんと刺さる。フィルターも潰れて、ほんのちょっと穴が開いていたけれど。

 箱は全く潰れていた。湿気を帯びまくって、しなしなだった。

 大きな問題か、と言われれば、まあ煙草自体は吸えるので我慢できる程度だ。しかしこの潰れた箱にずっと入れていたら、その内煙草自体も湿気ってくるだろう。箱を捨てて、ポーチの中に直接ぶち込んだら、今度こそ煙草が球状になってしまうだろうし。

 そんな折、いつぞやのハンドメイドマルシェで購入した、煙草ケースの存在を思い出した。

 プラスチック製の物で、デザインが煙草箱を模している。紙巻の箱パッケージと同じくらいのサイズで、ソフトパッケージならそのまま入れられる。色とデザインが可愛くて、ハンドメイドマルシェで初めてお見掛けしたお店だったが、即決で購入してしまった。可愛いんだ、煙草ケースやMDキーホルダーが。

 PloomX専用煙草は、紙巻よりも丈が短いので少し取り出しにくいが、これで湿気でぐっしゃぐしゃになった箱と共に煙草が潰れたり湿気ることはない。多分。

 プラスチックの分、湿気を吸ってくれなくて、水滴塗れの余計に酷いことにならないことを祈っている。神頼み。

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