増えすぎた大卒人材
昨日、今日は大学入学共通テスト。国立大学を志望する学生とそのご家族は緊張するイベントであるに違いない。自分も20年ほど前に体験したので、その緊張度合いはよくわかる。
苦労して大学に入学しても、2,3年後には就活が待っている。この30年で高卒就職は7割減り、大卒就職は4割増えた。世の中は大卒人材が余っている。ホワイトカラー事務職の椅子の数に対してそれを希望する大卒人材の方が多いので人手過多の状態だ。
まぁ事務職って、企画とか広報とか、本社オフィスの内勤でコーヒーでも飲みながらやれる仕事ってイメージだろう。丸の内のオフィス街を、パリッとした服で、カツカツ歩いて、受付で社員証をピッって感じの。実際そんな甘くはないのだが。
事務職の席が足りない一方で建設、製造、運輸などの現業職は人材不足で困っている。ここで問題になるのは事務職で職に就けなかった人達が現業職には行きたくないということだろう。せっかく苦労して大学に入ったのにブルーカラーなんてやってられるか、と。気持ちはスゲーわかる。
自分は理系技術職として採用されたので、机上の仕事もあれば工場や工事の現場での仕事もある。入った業界が社会情勢の動向で縮小したり、会社の経営状態の変化で事業がなくなったり、自分の立ち位置を変える必要に迫られることが幾度もあった。何度か業種や職種を変えることもあった。
就活も同じで上手くいかない時に自分の経歴や希望に拘り続けていたら、ドツボにハマることがある。自分は比較的高学歴な方で、就活していた時期も売り手市場なところはあったが、そういう人を何人か見てきた。
拘り続けるのもいいんだけど、上手くいかないなら方向を変えてみるのも良いんじゃないかなと、オジサンになった今、就活生にはそんなことを思う。社会や政治なんてものは自分でどうしようもないし実はそんなに影響はないので、自分で変えられることに意識を向けた方が成功しやすいよとアドバイスしたい。