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-番外編-梅の木と。
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平山旅館では、有機JAS認定を受けた、オーガニックの圃場にて旅館で提供される野菜を栽培している。 その圃場の中に、梅の木が78本植っている圃場がある。
先代女将の宏美さんが豪快な方で、一息に梅の木を植えたそうだ。
平山旅館の壱岐ものやで、青梅の出荷用として、梅干しや、梅酒などの加工品として栽培されている。
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この梅の木が立派なもので、でも78本の木を旅館や壱岐ものやの業務と並行してするのが難しく、また梅の木はいっぺんに実がなり、収穫期が短い果実なのでちょっと管理のお手伝いに入らせていただいた。
少し元気がなくなっている気がすると言う声を聞いたので、原因も手探りで調査してみた。
元気がなくなっている原因の一つとして、虫が心配な声が上がっていた。
オーガニックの圃場なので、当然農薬をまいていない。 木の幹から、ぴょんぴょんと紐状の虫のようなものがぶら下がっているのが見えたので、それが元気のない原因なのではないか、ということだった。
最初は、梅の木イコール、シャクガかなぁ?(梅の木の葉っぱをもりもりたべちゃう蛾)かと思ったのだけど、探せど探せど正体が分からず、昆虫に詳しい友達に画像を送ってみたところ、キクイ虫のフラスと言う現象だと言うことがわかった。
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木の食べかすと、虫のふんが混ざっているもので、虫本体でないことがわかった。
それでも、正体がわからず、闇雲にオーガニックで使われる虫が嫌がる何かを使う気にはならずに、関連する単語をネットで調べに調べた。が、、わからない、、笑
壱岐の振興局の農業担当の方がとても親切な方で、自分にはわかりかねるけれど、虫を連れてきてくれたら県の調査機関に出してくれるといってくれていたので、持ち込んで見ることにした。
改めて、ちゃんと観察してみると、滅多に動いていないひものような先が少し動いている。
潰さないように気をつけて、振興局に持ち込んでみた。
その日にたまたま、虫に詳しい方が来ていると言うので、幸運だった。
その日のうちに、正体は、『ヒモミノガ』です。
梅の木には、何も害がない虫です。との連絡をもらった。
絶っったいに、木を弱らせていると思い込んでいたので、正体がわかった嬉しさとともに、衝撃だった。
ヒモミノガは、地衣類(苔とか菌の仲間)を食べているだけで、弱った木に発生しやすいらしい。ちなみに千葉県のオーガニック圃場のレモンの木にもいたし、一旦この虫が気になりはじめたら壱岐の、いろんな木にくっついているのを見かけるようになった。
人間にとって害があるかどうかなんて、気にして自然は生きていないのだ。
虫じゃないなら、元気がない原因はなんだろうと言うことで、次は剪定が原因かな?
と、思いはじめた。
虫を調べながら、枝が混み合っていること、風とうしが悪いのが原因かもしれないと、思いはじめた。
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『桜切るバカ、梅切らぬバカ』と言う諺があるぐらい、梅の木にとって剪定が重要であるらしい。
梅の木は、枝は、毎年、グングン伸びる。
中でも内側に伸びる、徒長枝は木が成長にパワーを使う割に実がつかなかったり、他の枝に陽が当たらなくなったり、風とうしを悪くしたり、アブラムシの格好の餌食になったりと良いことがない。
事実、この徒長枝に、6月に中旬入って一斉に、アブラムシがつきはじめたのだ。
観察していると、自然は足並みを揃えるようにできているんだな。と思うことが増えた。
5月の下旬から、6月下旬までの間に、梅の木は一斉に実をつけてくれて、旅館のスタッフさんや、壱岐ものやのスタッフ、島民のボランティアさんや、旅館のお客様と一緒に、梅を手もぎしていった。
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梅の香りと、大きさをみながらちぎっているとあっという間に時間が過ぎる。
最初は恐る恐るだった私も、後半には梅の実の種類と大きさがわかるようになっていた。
収穫の時に、すごい収穫量だったのは、料理長の周太郎さんと子供たちである。
周太郎さんは、さすが、ラスト縄文人の息子さん!と言う感じで無双モード? 短時間でとりすぎて壱岐ものやスタッフにおこられていた笑
子供たちには、大人が入れない木の中に入ってもらい、梅の実をちぎってもらった。
木の外側の見えるところは、とってしまっていたのと、木の中に入れてもらう体験、木に登る体験を味わってもらいたかった。
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予想以上に子供たちは、自分から木の中に入っていって、チームであっという間に大量の梅をとってきてくれた。
最後にボランティアの方には、温泉券と、梅の実を差し上げているのだが、子供たちもみんな梅仕事を楽しんでくれたみたいだった。
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自然のサイクルは一年で巡っている。
当たり前のことだけれど、木と向き合うと実感する。
そして今年のアクションが、来年の梅の木に結実にどう影響するか、日本蜜蜂たちが活躍してくれているのでたくさんの実がつくだろうけれど、どきどきしながら見守っている。
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