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非接触

明日が準備運動をし始める頃
あなたとは何百年もの距離を実感する
1分は60秒というのは同じはずなんだけど
月が出て 陽が出て 繰り返し
少しずつ近づけていけたらと切望する

その繊細な睫毛を紅涙で濡らさないで
麗しい眼に僕が映らなくなる
視点は遥か 奥へ
徒情けだから自惚れることができた

月光が舞台の裾へ降りる頃
あなたとは幾層もの距離を実感する
1時間は60分というのは同じはずなんだけど
雲が出て 星が出て 繰り返し
少しずつ寵愛を受けれたらと渇望する

その豊潤な唇を緋色で絵取らないで
眩い輪郭に僕が滲まなくなる
実意は遥か 奥へ
徒情けだから自惚れることができた

時代に逆走できたら
短くて 脆い 恋という文学も
誰かの美徳になれたり

その繊細な睫毛を紅涙で濡らさないで
麗しい眼に僕が映らなくなる
視点は遥か 奥へ

その豊潤な唇を緋色で絵取らないで
眩い輪郭に僕が滲まなくなる
実意は遥か 奥へ

徒情けだから触れずに済んだ

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