星空でビックバン







夜空に光る星と隣の君。
それ以外ないこの空間は特別だ。
どこまでも広がるこの夜の闇にいっそこのまま呑み込まれてしまえば僕と君は決して離れない永遠の存在になれるんだ。
君の真っ白な手を握ってあの一番大きな星まで飛んでいけたらどんなに素敵だろう。


なんてロマンチックなことばっか考えている自分に一人勝手に恥ずかしくなった僕は思わず隣の君に助けを求める。

「どう? プラネタリウム」

彼女とニ人で過ごす三回目の場所はプラネタリウムと決めていた。
今日の第一声は大事に大事に発したかった。
でもこの広大な煌めく夜空の下には今君と僕だけなんだと思ったらあまりにも耐えきれなくなって気晴らしの言葉をかけてしまった。
隣の君の方を見ると一個、また一個と無限に光る星を小さく声に出しながら数えていた。
横顔が美しかった。
暗闇に照らされていつにも増して綺麗に映る彼女の輪郭を上から目でなぞる。
やがて僕の視線が彼女の口元に落とされた瞬間に、彼女は一言「綺麗」とだけ言った。

僕は思わず息を呑んだ。
時が止まった。
全ての感覚が研ぎ澄まされた。
彼女の輝く音だけがした。
その輝きはこの夜空の無数の星の輝きをもってしてもきっと到底敵わないほど綺麗で透き通っていた。

「綺麗」
「綺麗だよ」

もっている彼女への気持ち全てを詰め込んだ今の僕の渾身のセリフがこれだった。
できるだけ伝わるようにといつもよりも少し大きな声で放たれたはずの僕の告白は、この大きな大きな宇宙の大気と身体中に帯びた高すぎる熱に封じ込まれてしまった。
丁度良かった。
そうでなきゃ、僕のこの熱が君に伝わって今にも君が消えてしまいそうだった。






































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