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【夏のホラー淫ク☆リレー】  去年・一昨年繋がれたバトン 3日目(ネタバレ注意)

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記事の概要についてはこちらをご覧ください。



・2021年 3日目 虎の子兄貴『夢見がちな彼女』


ウヨーふ
くりーふ姉貴の右翼ネタを使ったイラストは定期的にTwitterで騒がれている

2022年でトップバッターを務めた虎の子兄貴がさっそく再登場です。
彼の作風については、0日目で述べた通りですので割愛します。

でも今回は(虎の子兄貴にしては珍しくヤジュUDじゃ)ないです。

今作では、鹿公園兄貴のBB劇場シリーズ「怪談声令和袋」(2019年5月2日~)で肉体派おじゃる丸やNKTIDKSGと共にレギュラーキャラとして登場するようになった(クッキー☆解説Wiki参照)くりーふ姉貴が登場し、肉体派おじゃる丸とのカップリングが見られます。

このカップリングは以降のリレー企画でも何度か登場しますね。


登場人物

下北沢のアパートで独り暮らしを始めた未成年の少女、栗府。(CV,くりーふ姉貴)
栗府がまだ学校に籍を置いていた頃、唯一彼女と接してくれていた坂之上おじゃる先生。(CV,肉体派おじゃる丸)

物語は、彼女らの計8通の手紙のやり取りが中心となっています。


あらすじ


手紙をしたためる秋吉

栗府と坂之上の二人の8通の文通について、不可解に思った秋吉刑事は坂之上先生が所属している学校にある手紙をしたためます。

一見、教師と生徒のごく普通の手紙のやり取りに見えますが、読み進めてみるとその異常さに気づかされます。


第一の手紙 四月二十一日 栗府より

下北沢で独り暮らしを始めた栗府

一人暮らしを始めてから約一年間の間、彼女は近況を誰にも報告していませんでしたが、生活にも慣れ、満を持して恩師の坂之上先生に手紙を送りました。

彼女は折り返しを待ちます。


第二の手紙 四月二十三日 坂之上より

やったぜ。
栗府の手紙に喜ぶ坂之上先生

坂之上は栗府からの近況報告に喜びます。

影ながら応援している旨を伝えたり、
なぜ一人暮らしをする街として下北沢を選んだのか?という疑問を投げかけたりもしました。
下北沢への熱い風評被害


第三の手紙 四月二十五日 栗府より

家出の理由を話す決心をした栗府

折り返しの手紙を受け取ったところで、栗府は家出の理由を打ち明ける決意をします。


隙あらばヤジュUD

学生時代、栗府に寄り添ってくれていたのは坂之上先生だけでした。
彼女は、彼だけには全てを打ち明けようという心持でいられたのです。


閉廷おじさんかわいそう
母の交際相手に戦慄する栗府

父が亡くなってから母が連れてきた男はとても節操のない男でした。

父が亡くなってから彼女は母が心の支えでしたが、こんな交際相手を選んだ母には絶望し、裏切られたような心持になります。


交際相手の娘を強姦する人間の屑

見かけ通り人間の屑そのものだったその男は、血縁関係がないことをいいことに、母がいない隙を狙って栗府を襲います。

それを契機に彼女は家出を決意したのです。



下北沢の魅力を綴る栗府

暗い話ばかりになってもよくないと思い、栗府は坂之上先生の「なぜ下北沢を選んだのか?」という質問に答えます。


ホラホラダンス
COAT座で特訓に勤しむ栗府

栗府は、演劇で盛んであるために下北沢という街を選びました。
特に彼女が所属するCOAT座はとても盛況でした。

公園を打てば常に満員御礼!看板女優(↑の一番左の女)は演劇の枠を超えて映画にテレビに引っ張りだこ!

今回の公演、『真夏の夜の夢』は全国を回ります。
シェークスピアに謝って、どうぞ


第四の手紙 四月二十七日 坂之上より

COAT座の噂は全国域

坂之上先生は栗府が『真夏の夜の夢』の高倍率のオーディジョンに受かるよう応援します。

栗府と坂之上先生の思い出の歌、ユーミンの『やさしさに包まれたなら』

緊張した時は思い出の歌を聴くようにとアドバイスをします。


第五の手紙 五月二日 栗府より

吉報を届けられた栗府

先生の応援の甲斐あって栗府はなんと主役に抜擢されることになりました。

!?
さらなる吉報が待ち受ける
潰れろこんな社名の会社
大手芸能事務所の社長のお目にかなった栗府

栗府はそれだけに飽き足らず、なんと大手芸能事務所の社長に声をかけられます。

とあるテレビ局の50周年を記念して、新人企画のドラマの撮影が企てられていたのです。
栗府はその主演のオーディジョンに誘われたのです。

この手紙(五通目)は、そのオーディジョンの本番の前に、気持ちを落ち着かせるために書いたものでした。

なので、オーディジョン後に書かれる六通目の一緒に五通目が届くことになります。



六通目 五月三日 栗府より



ハメられた!(二重の意味で)
トラウマを呼び起こす

オーディジョンと言われて栗府はまんまとハメられました。
母の交際相手にそうされたように、無理やり迫られ…


第七の手紙 五月三日 坂之上より

五月三日の坂之上先生の手紙

第八の手紙 五月三日 栗府より

五月三日の栗府の手紙


栗府は五月三日に自殺した

これらの手紙は、五月三日に投身自殺をした栗府の自宅から発見されました。

手紙の文字を見ると、これら8通の手紙は、全て栗府一人で書かれたものでした。

独り芝居をしていた栗府


他人を装って手紙を書き、自分で返信するという奇妙な点に加え、
手紙の内容に関して現実と一致しないところが多々見られました。

栗府が所属するというCOAT座は弱小グループだし、
彼女は脇役に割り振られ、主役に抜擢されてなどいないし、
オーディションを提案した社長は大手でもなんでもない弱小プロでした。


また、その社長の性的暴行についても事実無根でむしろ栗府が自らふっかけてきたことでした。

秋吉刑事はこれらの違和について突きとめるべく、栗府が過ごした下北沢のバイト仲間や親しく話していた客の証言から坂之上先生の所属する学校を特定し、事情を直接聞こうとしました。


イマジナリーティーチャーとか歪んでんなぁ

しかし、坂之上おじゃるという教師などいませんでした。

学校には、坂之上緩次郎、島田おじゃるという二人の教師(↑こいつら)がおり、
坂之上おじゃるは、そのそれぞれの姓名を組み合わせて作り上げた架空の教師ではないかという線が考えられました。


励ます島田先生
励ます緩次郎先生

緩次郎先生も島田先生も特別栗府と親しかったわけではありませんが、
一度だけ、栗府が職員室に呼び出された時に話をしたことがあります。

ユーミンのベストアルバム

そして、その時に職員室で先生が流していた曲が、栗府と坂之上おじゃる先生の思い出の歌という、『やさしさに包まれたなら』でした。

人の愛を知らなかった栗府

しかし、それだけのことに過ぎませんでした。
それだけのことでも、彼女の触れてきたやさしさの全てになりえるくらいには、栗府は愛情というものを知らずに育ってきたのでしょう…。


雑感

恐らくですが、支離滅裂な彼女の手紙の内容、作中でその点は明言されていませんが恐らく父親の死や、母の交際相手のレ○プの件に関しては本当にあったことなのかと想定されます。

故意に悲劇のヒロインを演出するミュンヒハウゼン症候群などによる虚言である可能性もなきにしもあらずですが、自分を死に追い込むまでに至るのであればその線は薄いと個人的に感じます。

また、二人の先生の言葉だけが拠り所になっているような節があったのを見ると、よほど凄惨な家庭に育って愛情を享受できなかった様子が伺えます。

その生い立ちの真偽の点をぼやかすのも、共感力を作っているように思います。


『夢見がちな彼女』というタイトルの通り、現実に苦しんだ彼女は仮想の現実を作り上げ、夢の世界に浸ります。
こうなったらいいのになという理想が、手紙の内容に反映されています。

そして、作品のモチーフとして出てくる、松任谷由実の『やさしさに包まれたなら』。”やさしさ”を享受できなかったであろう彼女にとってなんとも皮肉とも言える歌詞です。

「~なら」という、いわゆる仮定法にはいくつか種類があります。
今作の彼女を踏まえると、『やさしさに包まれたなら』の「~なら」は、
「~だったらな」という「I wish」の仮定法過去の用法での意味の側面があるという風にも考えられるかと思います。



オーディション男

また、こちらの動画、淫ク☆民ならわかるようなクスっと笑える細かい小ネタが面白い動画なので、ぜひ動画で見ることを強くオススメします。

ちなみに本作、原作が存在します。
劇作家や放送作家として著名な、井上ひさし氏による短編ミステリー小説、『十二人の手紙』の一編、『シンデレラの死』です。
それと合わせて見るのも面白いかもしれません。


・2022年 3日目 ホステク兄貴『岩場で野営したKMR』

まるで実写みたいだぁ(直喩)

卓越した映像表現で実写かのように錯覚させる動画を制作するホラー淫夢投稿者、ホステク兄貴による短編劇場です。

彼が手掛ける『怖淫夢』シリーズはホラー淫夢の中で最も注目を集めるシリーズの一つです。

カーセックスする屑共
怖淫夢 謎の鼻歌と腐臭:上

2022年の冬リレーではこの映像技術を以てその上で50分超えの長編のBB劇場を手がけました。

後日談『悪夢☆』のワンシーン

あらすじ


山で目覚めるKMR

KMRは、度胸を付けるためにどうすればいいかと先輩に聞くと「野営でもすればいいんじゃね?」と言われたので、その言葉に従って、一人でキャンピンググッズをこさえて印武山にやってきました。

一日目は難なく凌ぎますが、あいにくの雨に降られ、疲労します。

移動するのも億劫なので、たどり着いた近場の岩場での野営敢行を決めます。

しかし、眠っていると不穏な足音が近づいてきます。

足音を辿るも、姿が見つかりません。

いつの間にか、追いかけていた足音にいつの間にか追い立てられる形になり、そしてある高い場所で足音が止まります。
元の場所に戻るのも面倒なので、KMRはそこで寝ることにします。

目が覚めたKMR

目が覚めるとそこには絶景が広がっていました。
足音はどうやらここに連れてきたかったようです。


もう野営なんてしない

それはそれとして、怖い思いをしてKMRは懲り懲りでした。


MURに印武山でのことを話すKMR

その後、MURとドライブに出かけたKMRは野営のことを話します。

すると、車のラジオからあるニュースが流れます。
なんとKMRが野営をした日、印武山で土砂災害が起こっていたのです。

KMRは、足音が誘導してくれたおかげで助かっていたのです。


雑感

あらすじはコンパクトな話ですがこちらの動画はそれ以上にやはりホステク兄貴の持ち味である映像表現がずば抜けている作品です。

映像体験として、高画質の綺麗な自然の光景が映し出され、目の保養になります。

背景の色使いだけでなく、淫夢のBB素材の動きを拓みに組み合わせた細かい所作の作り込みが飛び抜けて上手いです。

水筒に反射するKMRの顔、合成でここまで自然にできるのがすごいし、視線までぴったりなのが素晴らしい。
gifの仕様上、効果音まではここで入れられないのが心苦しい

これこそまさに映像で見るべき作品なので、絶対に動画を見てくださいね。

ホステク兄貴は今年も参加されているので楽しみっすよ。


次回予告

明日は4日目。

2021年は勇隣堂兄貴の『怪談魑魅袋「幸せをあなたに」』
2022年は水膨張満、茶碗の欠片兄貴の『神隠しの噂 -真夏の夜の夢に取り残されて-』、ジャク兄貴の『Ave Maria Dominus tecum』です。

明日は正念場です。
恐らくホラーリレーどころかホラー淫夢・ホラークッキー☆という枠組みの中なら最高傑作と言って差し支えない名作、『神隠しの噂』が登場です。

なんとか頑張ります。

それではまた明日。今日もリレーは廻る。


今年繋がれたバトン

3日目A ネアンデルターレンシス兄貴『怪異温泉

3日目B しーくりっく兄貴『駑馬亜村にて


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