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嫁の不発弾

夕食を終え、子供達と嫁が遊んでいた。
よほど楽しかったのだろう、テンションが上がった4歳の長男が嫁に向かって走っていき、嫁が受け止めようと差し出した両手をすり抜けて、嫁の腹部に思いっきり頭突きを喰らわした。 

うめき声の後うずくまり、駆けつけると下腹部を抑えて悶絶していた。

激痛の場所を聞くと恥骨に当たったらしく相当痛いらしい。
すると

「いや恥骨盛り上がってるで余計痛いねん」と言った。

そうやったかな。と思いながら嫁の恥丘を頭に浮かべて、今まで見た他の恥丘と即座に比べてみたものの今ひとつピンとこず、
「いやそうなん?わからんけど。」と素直に言った。

しばらくして痛みが引いて余裕が出てきてのか、妻がおもむろに、
あの時肯定されても、否定されても嫌な気分やったわ。 と告げられた。

むっず!  突然のテスト。 

まぁとにかく紙一重でかわせていたらしい。

嘘をついてもダメ。 素直過ぎてもダメ。

これは一重に素養のお陰だ。

つまり親の教育、いやその親を教育した祖父母、或いはさらに祖父母を教育した、、、、と。さらにのどかな田舎の地元など。

先祖に感謝するとはこういう時なんだなとふと実感した。


そして顕になった恐らく嫁のコンプレックス。
こんな身近にプチ地雷があったなんて。 
出会って約15年。
届く範囲は踏み尽くしたと思っていたのに。


遺跡発掘中の不発弾発見みたいでもある。
結婚生活は常に相手を掘り下げ何かを見つける発掘ともいえる。 

或いは痛みによる怒りによって再び目覚め動き出した地雷なのか。  

ならばそのテリトリーは恐らくこれから先もう俺しか踏まないじゃないか。。


とりあえず学んだ。


きっと余裕のない時には普段は思いやりなどで隠せている物がパッと放たれて怒りと共に僕の目の前に現れる事があるのだと。   

頭突きで飛びでた不発弾

しかし、今日で確実に不発弾の信管は外せたはずだ。


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