【温故知新】創業者の遺した言葉を咀嚼・吸収してみる♪(12/30)
縁あってこの会社に入って、創業者が遺した多くの(多すぎるかも 🤔)言葉に触れた。私自身はそうでもないが、社員の多くの方はその言葉に心から共感していて驚いた。
折角なので、これらの言葉を私なりに&今の時代に照らすとどういう事なのかを考えてみる。それは私がずっと日系企業かついわゆる大企業と仕事をしている理由かも知れないが、日本はもともと創業者含めイノベーティブな起業家や企業が多く存在し、世界の生活を豊かにすることでさらに成長してきたのに今はそうできていないのはなぜか?もっとできるのではないか?に挑戦し続けているから。
ネタはここから。では、12個目。
これも比較的よく知られた創業者の言葉ですかね。ここ数年の経営で言われるようになった「心理的安全性」とも関連します。
創業者が言っているように「多くの人の意見を聞かずして、」というところがポイントではないかと思います。人間一人の持ちうる視点の数、経験の量には限界がありますし、常に不確実性の高い事案に対する判断が必要とされる経営においては、できるだけ多くの選択肢を持てること、そしてその中から選んで決断する事が大事になります。
特に新規事業開発などは特段に不確実性が高く、経営判断に必要な情報の変化の速度・量・頻度は大変大きいものになります。私はよく地図の例を使うのですが、それは、
既存事業はいわば三次元のリアルタイムで詳細な地図が用意されている中でそれを人々の興味の集まりを検知したり、事故情報や渋滞情報でUpdateしたりしながら、目的地を決め、計画を立て、その通りに実行する事が大事なので、リスクを取るとか、ミスする(予定とは違うことをする)とかはできるだけ避けるべき行為になり、やはり成果は目的地に計画通り到着する事なのです。
新規事業はいわば地図がない状態、あるとしても地形の輪郭があるくらい。その中でいきなり実行はリスクが高すぎるので、まずは探索を行い、自らの地図をつくる事から始めるので、あそこにこれがあるのではないか?と期待して行ってみたら無かったことは残念だが、無いと分かった発見が地図をつくるので、それは成果になるのです。
衆知を集める行動は特に後者のような活動において重要になると思いますが、前者のような活動でもこれまでの当たり前に安住せず新たなやり方を試す事をしてやっとこれまで通りくらいの競争力というのが今のビジネスの状況なので、やはり「多くの人の意見を聞く」必要は高まっていますね。
生成AIが登場して、この部分は大きく変わる部分かも知れません。多くの人の意見を格納した知識とデータの集積、そこから生まれるアイデアがまさに生成AIの価値ではないかと思います。経営の意思決定における多様な意見や選択肢を提供する生成AIの取締役とか役員とか出てきそうですね。
2つ目のポイントは、「社長一人で事を遂行することはできません」ですかね。意思決定をし、結果責任を取るのは経営だったとしても、決定事項の実行は皆で行うわけです。この決定事項の実行が”やらされている”のか”やっている”のかで結果は大きく変わりますね。私がよく意識するのは”Sense of Ownership”という事で、自分事感とでもいいますか、当事者意識といいますか、他の誰かが勝手に決めたことで自分はその意思決定に関わっていないと思うか、この意思決定に自分の意見も関係していると思うかで決定事項の実行の中身は大きく変わると思います。既存事業でも新規事業でも開発でも営業でも日々何か難しい事に直面するんですよね、それに対してどう考えて動くか、この1つ1つの積み重ねが後に大きな差になるという実感があります。筋トレとかもそうですかね、「限界だ!」と思ってからのプラス5回とかが伸びしろを広げてくれる感じ。これからの世界においてレジリエンスは多くの人、社会にとって1つの重要な要素になると思います。そのレジリエンスを高める為には、無意味そうに見える何かを意味あることにする能力が大事になってきます。そういう意味でやはり自分事感、当事者意識が必要ですね。”こなす=答え・選択肢を探す”仕事はどんどん生成AIなどにシフトすると思いますし、価値が低下していくでしょう。”より大事な問いを立てる”仕事が人間の仕事になる世界が来るとすると、やはりそこには”やりたい”とか”好き”とかいう自分本位の情熱とか動機が中心にくるんでしょうね。
次回は、「見えざる契約」を消化してみます♪
では、また~