「 」

僕のこの手があれば
強引にも君を昏い澱から
連れ出してあげられるのに
君は何回その手に嘘をついた

形のない歌で埋め尽くした夜を
何度も越えては
形のあるものを探した
そんなの在るはずないでしょ

何かを求めては愚かになりすぎて
何も求めなくては無愛想になりすぎて
日々の片隅 取り残された僕を
嘲笑う朝日にくしゃみをした

夢が眩んだ 息は荒んだまま
滲んだ空の星を見ていた
霞んだ声は冷たくて触れたくないから
暗く沈んだ夜の方へ

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