下着の中


朝ゴミ箱の中
僕の捨てた僕が乾涸びる
朝独り天井を仰ぐ
何処にも行けない癖に
「何処にも行きたくない」なんて

朝冷めた部屋の中
喜びなんて僕の手に無くて
夜閑静な住宅街の中
本当の悲劇は僕の知らない内に

君の横顔 眼にチラつく度
僕は不甲斐なくなって
その流れる瞼の中
袖から見える下着の中
どれもこれも知りたくて

朝僕だけが居ない街を
ぼんやり眺めて溜息をついて
夜独りきりの街の中
溜息すら出なくって

そんな僕の最近の命題は
君の隠す悲劇で
僕が知らない所で生まれて
知る由もなく傷は死んでいって
君はその死骸をなぞって
今日も朗らかに嘘をついて生きて居たんだろう

君の下着の中傷が見えた
僕が知らず知らずのまま深く傷をつけて
ただ夜が爆ぜる少し前に
全て解った気になって
茶色が滲んだ下着の染み
なんだ僕と一緒じゃないか
これ以上ない程悲しい顔で俯く君を
僕はそれ以上に不甲斐ない笑顔で
それ以上ないほど痛い傷を

逃げることは悪いことじゃない
優しい君は自分に傷を付けたんだろう
逃げられない朝 塞ぎ込んだ夜
いつも君の下着の中に

君の下着の中傷が見えた
僕が知らず知らずのまま深く傷をつけて
ただ夜が爆ぜる少し前に
全て解って不甲斐なくなって
茶色が滲んだ下着の染み
なんだ僕と一緒じゃないか
これ以上ない程悲しい顔で俯く君を
僕はそれ以上に不甲斐ない笑顔で
それ以上ないほど痛い傷を

君が夜を越えた証を


《セルフライナーノーツ》
生々しいのはご了承下さい
んでも、凄い良いのが作れたと思います
後から嫌になるかもしれないけれども

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?