狐のためいき

狐は深く溜息をついて
辺りは次第に暮れていって
下らぬ日々を騙し騙し
化かし繕うこの頃 毎日

今日も今日とて肴を釣りに
夜市へ彷徨い足を掬っては
次の獲物に眼を光らせて
今宵も眠らない街にて

美しいあの娘は全て知っている
化けて化かして破って奪って
さぁさぁ今宵も眠らない街にて
精々どんな馬鹿をやろうか

踊れ 間抜けな顔でさ
別にあんたに正しさを求めてないのさ
その糞みたいな性根を
嗅ぎ回って酒の肴にでも

馬鹿だ 澄ましたふりをしてるなよ
それでも化けたつもりかい?
馬鹿みたいにふざけて叫んで踊れよ
どうせ夜は長から


あなたは深く惚気をついて
また嫌悪に浸って虚ろ嘆いて
こんな日々はもう沢山だなんて
何も手に入れてない癖して

昨日手に入れたお土産話を
一つ荒屋に火を焚いて
次第に化かされ嘆いて意識は朦朧
今宵も眠らない街にて

惨めなあの娘は全て知ってる
滑稽も醜さも日々の下らなさも
眼を光らせどそれに気付かないほどに
馬鹿に光り輝く街にて

歌え 間抜けな顔でさ
別にあんたを欲しがっちゃないのさ
その上辺だけの道徳なんてもう
身を投げて死んでしまえ

阿呆だ また平気なふりをしてるなよ
それでも騙せたつもりかい?
そのカスみたいな理性も捨ててさ
まだまだ夜は続くから

踊れ 間抜けな顔でさ
別にあんたに正しさを求めてないのさ
その糞みたいな性根を
嗅ぎ回って酒の肴にでも

馬鹿だ 澄ましたふりをしてるなよ
それでも化けたつもりかい?
馬鹿みたいにふざけて叫んで踊れよ
どうせ夜は長から

踊れ 格好つけてないでさ

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