何がいいかもわからないので
本を探しているときに、ふと気づいた。
効果を求めているなと。
自分がこの本を読んで、何か知識を得られたり、人生に影響を与える感動を抱いたりできるかもしれないと。それもコスパよく得られたらいいなと思ってしまう。
サプリを選んでいるのと同じである。
ビタミンEや鉄分を選ぶのと同じように、感動のために小説を、自分を見つめるために哲学書を選ぶ。
その選択をしても、何かしら得られるかもしれないが、自分が想定する以上のものは得られない。
何かを得ようとしているその姿勢からは、本当に大事なものは得られない。
むしろ、何も求めない姿勢、全ての知識と感動に開かれた姿勢にこそ、学ぶ本質はあるのかもしれない。
その意味で、自分が学びたいこと以外を「とりあえず」勉強してみることが必要になってくる。
偏食をしないことが求められる。
学生の間であれば、学校に行き、つまんないと思う友人と付き合い、しょうもないと感じる先生の説教を聞き、使うはずもないサ行変格活用を覚える。
学校を出た後であれば、人がなんとなく勧めてくれた本を読んだり、お薦めしてくれた場所に行ったりして、自分の世界を広げる。
自分が心地よいと思う場所を離れることにより、学ぶことが始められるのかもしれない。
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