「50人増やしました」
グループ面接で勉強になることがあった。
受験者3人と面接官の方2人の面接。
自己PRや挫折経験やらを話していくのだが、うち1人の話し方が非常に「ためになった」。
サークルでの新刊や企画で、人を集めることに苦心したことを話していたのだが、具体的な数値を挙げて筋道を立てて伝えていた。
あたかも何回も練習したように。
練習感が伝わるが、それでも澱みなく話せる、そのくらいのレベルまで磨いていた。
僕は、斜に構えているから、あえて数値的なことを言わなかったが、こういう人が就活に適しているのだと、社会では気に入られるのだとつくづく感じた。
そうであるならば、評価されずとも良い。そうも感じた。
嫉妬のようでもあるが、就活とはこういうものだと勉強になったという実感のほうが大きい。
彼はすごかった。
彼は、少なくともそのとき彼ではなかった。
その会社に適合させた彼であり、自分をその会社に完全に適合させていた。
キャラクターを完璧なまでにつくっていた。
その姿を見て、自分の落ち度を感じた。
自分はこういう人間だという頑固さが邪魔をしたなと。
その会社にうまくあった自分を選ぶ。
そういう姿勢が足りなかったなと。
なんかすごいなと思った。