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セレッソ大阪 第2節 vs湘南ベルマーレの振り返り

セレサポの皆さん、お疲れ様です。
ダービーから一転して、しんどい試合となりました。
が、こんなときこそ振り返ってみる勇気が必要かと思い、書いていきます。
内容的には悪い試合だったと思いますが、下を向く必要はないとも思ってます。


vs湘南のミドルプレス

スタメンはこんな感じ。開幕節の11人が継続。控えに目を向けると中村拓海がベンチ外。奥埜が入った。

開幕節で鹿島を倒しているだけあって、かなり厄介な相手だった。
監督は変わらず、ハードワークという下地はあり、選手個々は着実にレベルアップをしている。厄介な要素しかない。特にセレッソのように、チームを作り替えている真っ最中のチームには余計に効く。もっと言うと、セレッソのように「ボールを持ちたいけど完成度はまだまだです」なんてチームにはかなり効く。
そんな印象を受けた。

ベルマーレのプレスは主に2パターンあったかと思う。
まずはセレッソの右サイド、ベルマーレの左サイドで多く見られた、IH平岡が進藤へ、WB畑が奥田へ当たって、後ろはスライドするというもの。

このとき鈴木章と福田もしっかりと真ん中を消し続ける献身性を見せたこと、そして奥野が颯太を終始捕まえ続けたことがセレッソにとっては状況を難しくしたかなと思う。

セレッソは進藤や奥田から颯太へ当てて、颯太自身が前を向くか、あるいは落としを拾って攻撃を展開していくかというところが狙いだったかと思う。が、そもそも颯太が受けられるスペースがないし、奥田も圧のあるプレスを受けているのでなかなか思うようなキックが蹴られない。
ベルマーレの強力なプレスの前に、ボールを前進させることすらままならない状況だった。

対してセレッソの左サイド、ベルマーレの右サイド。こちらはIH小野瀬が舩木へ当たり、WB藤井は中間ポジション、後ろは4枚でスライドしてくる形が多かったように思う。

ここでも颯太は奥野に捕まえられるし、もし奥野のマークから外れようとさらにサイドへ逃げたとしてもそこには藤井がいるのでフリーにはならない。

ちなみに32分のベルマーレ先制点はこの後者にあたる、セレッソの左サイドでボールを失ってからの流れによるもの。

小野瀬が背中で真司を消しながら舩木へ出ると、舩木は阪田へパス。待ってましたと言わんばかりに鈴木雄と藤井で阪田を挟み、さらに鈴木章までもがプレスバックしてきてボールを奪う。

奪ったボールは小野瀬から、裏のスペースへ走る福田へ。福田が収めて、落としたところに鈴木章が走り込んできてシュートを沈められた。

阪田が失った場面は彼のミスというよりもベルマーレの狙いにハマってしまったことが原因だし、失ってからセレッソが帰陣するよりも鈴木章が走り込んでくる方が早く、そこをケアしきれなかったというところで、チームとして完全に上回られた場面だったかなと思う。

こうして、真ん中を消されてサイドへ誘導され、サイドへのパスを合図に一気に嵌め込まれてしまう相手の策に、残念ながら何もさせてもらえない前半だった。

あと相手の攻撃も厄介だった。
後方では相手の3バックに対してセレッソは誰がどうプレスに出るのか定まらなかったし、両WBの畑と藤井は噛み合わせの問題もあるが終始フリー。阪田やルーカスが下がって対応せざるを得ず、セレッソとしてはかなり後ろ重心になってしまい、相手にボールを持たれる時間も長かった。

そして仕上げに出てくるのは福田、鈴木章の強力2トップ。2人とも攻守に渡って一切サボらないし、確実にフィニッシュへと絡んでくる鈴木章と、縦横無尽に動いて起点を作りながらフィジカルとテクニックでセレッソ守備陣を圧倒した福田。本当に手がつけられないコンビだった。

2人ともヤバいけど特に福田はエグい…(語彙力)

出来ることはあったか

後半はセレッソが修正を加えてきたので流れは変わるんだけど、その前に前半セレッソとして何か出来ることはなかったか?について考えてみたい。

まずはこの試合の前半、裏を狙うパスが本当に一本もなかったと思う。動き出しだって多くはなかった。特にハットンは自分がどこへ立つべきか、見つけられないままプレーしていたように思う。

ダービーがそうだったように、やっぱり裏を狙うからこそ手前が空くし、相手を間延びさせることも出来るので、そこはチームとして手前手前ばかりではなく裏への意識も持ってほしかったかなと思う。

あとはパスが各駅停車になっていたことも気になった。
こういうコンパクトな相手にこそ一つ飛ばしのパスで一気に裏返していきたい。もちろん難易度の高いことなので、そうポンポンと一個飛ばしで繋げはしないが、時折そういうプレーを見せてもよかったかなと。

時系列は前後するが28:00〜のシーン。
例によって平岡が進藤、畑が奥田、福田が駿汰へ当たってボールを失いそうになるも、間一髪で進藤からジンヒョンへ繋ぎ、サイドを変える。
このとき、ジンヒョンから畠中を飛ばして一気に舩木へと出す。するとさすがのベルマーレもスライドが間に合っておらず、奥野が颯太をケアすべきところ一瞬遅れてしまい、舩木→颯太へのパスが通るとこの試合の前半で唯一、颯太が奥野を外して前向きでボールを持つことに成功した。

そこから相手陣内へ攻め込むものの得点には至らなかったが、セレッソとしては相手のプレスにも怯まずこういう場面をもう少し作りたかったなという印象。

たしかに相手はコンパクトで堅かったけど、セレッソとしてももう少し工夫は出来たかなとは思う。
ただその辺はセレッソの選手達が試合後のコメントで反省の弁を述べていたので、あまり心配はしていない。次回の改善に期待したい。

後半の修正

後半に入るとセレッソベンチが動く。
ハーフタイムに阪田→柴山の交代。その柴山は右に入り、ルーカスが左へ。


そして中盤の形も修正。前半は真司・駿汰のダブルボランチに颯太のトップ下という形だったが、これを駿汰の前に真司と颯太を並べる433のような形へ。

後半始まってすぐ、陣形を変えたことでボールを持てるようになったものの、効果が出る前に2失点目を喫してしまう。これは痛恨だった。

50分。ハットンがボールを失うと(ファールもらいにいった?)ベルマーレのカウンター。人数を掛けていた分、後方は進藤・畠中と鈴木章・福田の数的同数。進藤と畠中は相手を迎え撃つ体制すら整っておらず、小野瀬から鈴木章へのパスで間を割られるとそのまま失点。
ちょっとお粗末な形での失点だった。

だけどおそらく今季はこういう形の失点は一定数出てくると思う。
前へと出る分、後ろは手薄になる。後ろの人数を確保するのではなく、悪い形で失わないこと・失ってもカウンタープレスに出ることを求めていくんじゃないかなと。で、それが出来なければこういう失点になる。見ている側としても、覚悟はしておいた方がいいかもしれない。

後がなくなったセレッソは54分に2枚替え。ハットンに替えて元彦、真司に替えてブエノ。それぞれ同じポジションに入り、より433の色が強い形へと変化していく。
さらにルーカスと柴山の位置を再度入れ替えたが…ポジションを入れ替えていた時間があまりにも短くて狙いは分からなかった。(もしかしたら、サイドで相手を背負った状態でボールを受けてIHへ落としやすくするために逆足サイドへと配置した?)

433になってボールが持てるようになったのは、颯太・ブエノのIHが、相手のIH小野瀬と平岡の背後に陣取り、なおかつ奥野の両脇を突くことで、ここが気になる小野瀬・平岡の両IHがセレッソの両SBへ気軽にアタックできない状況を作り出せていたからだと思う。

実は2失点目を喫する前、49:45あたりの場面で、颯太が平岡の背後に陣取ることで奥田へのプレッシャーが弱まり、奥田が前半に比べると余裕のある状態でボールを持てる場面もあった。
残念ながら奥田からパスを受けた柴山のところで失ってしまったものの、その柴山からは颯太もハットンも受けられる位置にいたので、あと一本通れば…というところまでは来ていた。

もちろん、2点目を奪ったベルマーレからすれば無理に前へと出ていく必要がなくなったという見方もあるだろうけど、個人的にはセレッソベンチの修正も良かったというか、そのおかげでボールを持てる時間は長くなったと思う。

そして直後の57分、セットプレーから進藤のゴールが決まり一点差。残り時間を考えてもまだまだ分からない展開へとなっていく。

しかし次の一点が遠かった。

ボールを握って攻め込むセレッソと、カウンターに賭けるベルマーレというハッキリした構図になるが、両者とも決め手を欠く。

77分のCK明けからベルマーレは541へ布陣変更し逃げ切り体制。
83分からは柴山が再び右へ移り、チアゴが左へ。両者目まぐるしく配置を変えてくる。
85分セレッソは奥田に替えて上門を投入。中村拓海不在の影響からか、スクランブル体制。守備時は4バックの右SB、攻撃時は中盤に入る変則的な3バックで最後の反撃に出る。

90分にはベルマーレがCBを2枚追加投入してくるという執念を見せ、そのまま試合終了。

颯太やブエノ、元彦に決定機はあったものの、最後まで同点には届かなかった。

最後に

完敗と言っていいと思う。前半は悪かったし、後半は見事に修正したものの相手の牙城を崩すには至らなかった。悔しいが相手が上だった。

試合前から、ベルマーレというチームの性格からして組織的なプレスで戦ってくるんだろうなと予想は出来たし、警戒すべきはそこで失ってからの強力2トップの決定力だなと分かっていたけど、その通りのことをやられてしまった。

でも相手は昨季からの継続路線で、こちらは大きく作り替えている最中。仕方のない部分もある。

冒頭にも書いたように、「ボールを持ちたいけど完成度はまだまだです」っていうチームにこそ、この日のベルマーレのような戦法は効く。術中にハマったという表現をすると印象が悪いが、言い方を変えると乗り越えなければならない壁であるということ。

シーズンが始まってまだ2試合。そりゃ失敗だってする。試行錯誤だってまだまだ続くだろう。

だけどそれも仕方のない部分だってある。
良くない試合だったことは間違いないが、この1試合で判断するのも早計だと思うので、もう少しの間は見守りたいかなと思う。

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