初老なお洋服日記 2024.1.1〜1.7
🕯️1.1
元旦生まれのわたしは、
オートマティックに55才となった。
初詣や初売りなぞ興味無く
ただ、運動不足にならぬように、と
ウォーキングへ出かけた。
初空の下、20分ほど歩いた時、
父が入所している施設から、
父が39度近く発熱していると
連絡が途中来て、
元旦、とは
愛でたさでシールドされた
穏やかな日である
という、思い込みは
あっさりと破られた。
コロナかインフルエンザか、と
そうなったら、体力の無い父は…
と、不安になる。
不安のなか、もう20分程歩き、
元旦もいつものように
営業していたコメダ珈琲店へ入り、
ミルクコーヒーを飲む。
帰宅し、手を洗っていると
テレビを観ていた夫から
能登に津波警報が、と声がした。
元旦なのに、と、
わたしは、言った。
誕生日だったのに、とも思った。
🕯️1.2
パートはじめ、の日。
エプロンの上に
赤い半被、のようなものを着て
いらっしゃいいらっしゃい、と
陽気に働く日、である。
弁当をつくり、休日ダイヤの
バスに乗り、仕事場へ。
あけましておめでとうございます
ほんねんもよろしくお願いします
と、誰彼と言い合う。
能登の地震は、
甚大な被害が出ている。
1.3
引き続き、パートの日。
弁当をつくり、出勤する。
箱根駅伝の中継が終わる、と
お客さまが増える。
が、16時を過ぎて、
寒くなると、ぱたり引いていく。
冬休み中の夫が
パート先の近くまで
迎えに来てくれる。
夜ごはんは、
つくっておいたカレーと
春雨サラダにした。
🕯️1.4
引き続き、パートの日。
弁当をつくり、働きに行く。
正月に働くのは、好きだ。
今年こそは〇〇したい、などと
目標を立てる暇もなく、
親族と集まることもなく
淡々と、日常のなかに
浸っていられるから、だ。
主婦が正月に働いて大変だね。
ダンナさんに叱られない?
と、ご自身も
正月から働いている男性、
数人に
労りの言葉をいただいたが
わたしは首を振った。
仕事を終え、
電車に乗り、町に出た。
夫は、グループホームにいる
義母へ面会のため、
栃木へ行ったので、
仕事帰りの娘と待ち合わせて
初買い、などをした後、
食事をした。
若い背の高い店員さんが
案内してくれた
薄暗く居心地の良い店で
ビールを飲み、
スパゲティを食べた。
娘もわたしも、
労働の後の空腹を
満たすべく、無言で食べ、
帰宅すれば、弁当箱を洗い、
それぞれに化粧を落とし、すぐに眠った。
🕯️1.5
休日。出勤の娘に弁当を持たせ、
溜まっていた家事を半分だけして、
図書館へ。
クリスマスごろに借りた本を返却。
新しく、小川洋子さんの密やかな結晶と
堀江敏幸さんの河岸忘日抄を借りる。
スーパーマーケットへ行き、
肉や野菜を買う。
帰宅して、しばし昼寝。
初老は、カラダを休める、が大事。
夜21時ごろ、夫が帰宅。
なんとなく、
疲れた顔をしていたので
おむすびを握って出したら、
とても、喜んだ。
あとは、チキンと野菜のシチューを
温めて、出した。
1.6
友人に誘ってもらい、
車に乗り、ガーデン雑貨店の
初売りSALEへ。
車中、さまざまに、
友人のハナシを聞く。
細やかな優しいひとは
こんな風に、ご自分を
感じていらっしゃるのか、と
改めて、ひとはひとりひとり
それぞれだ、と、感動する。
主婦目線で、女性特有の感性で、などと
ときどき、職場で意見を求められるが、
そんなの無いなあ、と、やっぱり思う。
わたし自身は、
それを言われると、
わたしは変わってますから、
当てにしないでください、と
前置きする癖がついた。
あなたはどう思う?どう感じる?
と、問われないこと、不思議だ。
雑貨店では、贅沢に買った。
わくわくする買い物、だった。
夕方、夫と近所の居酒屋へ。
石川の酒を選んで、飲んだ。
🕯️1.7
すこしく、朝寝坊して
文字の作業をして
おやつ用に、
林檎とクリームチーズの
マフィンを焼いて、
午後からは、歩きに出かけた。
途中、公園に寄り、池を見たり
観察中のヤドリギを見たりした。
30分歩いてから、
コメダ珈琲店へ
普段のキブンで寄ってみたが、
(わたしは歩いた日は、
ここに寄るのが習慣となっている)
待ち合いのソファや椅子からも
ひとが溢れて、
外にも、待つ人がいたので
びっくりしながら、退散した。
そうか、まだお正月だった、
冬やすみだった、と
頭をかきながら、帰宅した。
夕飯は、キーマカレー。
ナンを焼いたら、夫は喜んだ。
図書館で借りた本を
眠くなるまで、読んだ。
🕯️来週へ続く。