恋というもの

会えるかわかんないのに、新しいスーツケースを買ってしまった。
良いよね、安かったし、機内持ち込みのスーツケース持ってなかったし。
会えなくたって1人で旅行すればいいだけ。

会えるかなんてわかんないのに、ワンピースを探してる。
彼と付き合っていたときは、ショートヘアーだったから、スカートなんて持ってなかったけれど、
彼と別れてから随分、髪が伸びた。
巻き方も散々練習したし、お団子だってできるようになった。
ワンピースを着て、女の子らしくして、会ってみたいな。
変わりすぎて、引いてしまうだろうか。
やっぱり、いつものカジュアルな私の方がいいんだろうか。
ワンピースに合わせる靴も欲しいな。
流石にお揃いのスニーカーを履くことはできないからさ。

会えるって期待したくないのに
いつもの安い美容室じゃなくて、おしゃれな美容室を探してる。
いつもより少し髪色を明るくしてみようかな。
暗い方が好きだろうか？
エステにも行ってみようかな。。。

恋の力って凄すぎる。

年末に少しだけ電話をすることができた。
30分だけ。でも1年前に別れてからこんなに話したのは初めてだった。
楽しくて、楽しくて、どうしてこの人、面白くない話ばかりするのに、話すと楽しいんだろう。
どうしてこの人、高くて掠れていて早口で、いわゆるイケボというやつには程遠いのに、どうしてこの声を聞くと落ち着くんだろう。
私の友達には「オタクみたい」と笑われていたこの喋り方。聞いてるだけで可愛いと思う私はもう頭がおかしいんだろうか。

電話が終わった後に話題に出た共通の知人の写真を送った。
そこに写る笑顔の私に、「メイク変えたね。マットになってる！」と返信がきた。
そうそう。付き合っている時から、彼はアイラインの色を変えたのに、すぐに気づく人だった。
嬉しかった。嬉しいじゃん。辞めてよ。喜んじゃうじゃん。

どうしてこの人は他の人とこんなに違うんだろう。

「1月に遊びにいくつもりなんだ、会おうよ！」と言ったら「予定が空いてたらね。」
と言っていた。
そして、また少しラインをして、また既読無視状態。

果たして、私は会いに行けるのだろうか。
そして会えない現実を悟った時に、立ち直れるのだろうか。。。

そして今日、また彼に会った夢を見た。
もういい加減、泣かせてくるのは辞めてほしい。
彼は気まずそうな顔をして、私の隣を歩いていた。
決して、手は触れなかったけれど、雑踏の中、身を寄せてチラチラと私の顔を見てくるのだ。
ねぇ、今、何考えてるの？言おうとして飲み込む。
もう会わないなんて言われたらどうしようと思った。
そんな夢。

私が勝手に振り回されてるだけだろうけど、きっついなあ。