二次元男性キャラクター談義

 ここ1、2ヶ月仕事が忙しすぎてストレスが溜まりに溜まり、時間があれば漫画を読んでいた。仕事で体力が赤色表示になっている時にぴったりなストレス発散方法は、やはり家から一歩も出ずに漫画を読んで現実逃避することだ。
 気が狂ったように電子コミックを買っていたが、気づけば読んでいるものがBL漫画だらけだった。BL漫画は基本的に単行本1巻程度で話が終わるのでとても読みやすい。疲れている時に壮大な長編ストーリーを背負える気概はない。
 BL漫画を読んでいると、必然的に男性キャラクターを多く目にすることになるが、当然ながら「このキャラいい男だな……」と思うキャラクターにも出会う。ただ、「いい男」と言えるキャラクターの条件は人によって大きく変わってくるのではないだろうか。ヘロヘロになりながら漫画を読んでいてふとそう思った。

 自分なりのいい男の条件。BL漫画を読んで思いついたことではあるが、BL漫画に限らず今まで様々な漫画、小説、ゲームを嗜んできた中で「こいつ、さてはいい男だな?」と思ったキャラクターの特徴を考えてみた。

注:全て二次元限定の話です。

 まず最初に思いついたのは「何かを諦めている男」だ。
 諦めている対象は何でもいい。恋人でも地位でも夢でも、何かしらを諦めている男性キャラは普段の表情にもどことなく憂いを帯びているような気がする。アンニュイというかダウナーというか、そういう負の気配を漂わせている男はいい。な、何が過去にあったの~!?と思わず興味が出てくる。そして過去の出来事を知って「なるほどね」となった後の充実感は他では得られない。気づいたら後方彼女面をしてしまいそうになる。
 男性の憂いは色気に繋がるような気がする。女性の憂いは個人的には色気というより美しさが際立つように思う。女性の場合の色気は、普段の何気ない仕草からにじみ出るように思うが、今回この話は置いておく。

 次は「長髪+銀髪」あたりだろうか。
 髪型で全てが決まるわけではないが、推しキャラを思い返してみると銀髪が多い気がする。それに加えて長髪でシュッとしている顔立ちで、敵キャラとか2番手の立ち位置にいればもう私的「いい男」にクリーンヒットだ。
 銀髪だと何となく怜悧キャラな印象を受ける。おそらく物心ついて初めてがっつりとハマった漫画「犬夜叉」の殺生丸の影響が大きいのだろう。寝ても覚めても殺生丸のことしか考えていなかった子ども時代。週初めの全校集会で、校長先生の話がつまらなくてずっと犬夜叉と殺生丸の戦闘シーンを妄想していたあの時代。殺生丸がいなければ、ここまで銀髪好きにはなっていなかっただろう。高橋先生、素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます。

 あとは「好きな人のために人知れず己を犠牲にしている」キャラもグッとくる。好きな相手にその事実をさりげなく隠しているその横顔がいい。好きな相手を想って身を削る苦しさを耐えている横顔がいい。とにかくいい。これは上述の「何かを諦めている男」にも通じてくるだろう。また、この2つの条件を重ねてみると、「秘密を抱えている男」というものが出てくる。これが最強のいい男ではないだろうかと、こうしてつらつらと書いている内に思い至ってきた。

 これは女性にも通じるものではないかと思う。秘密を抱える人間は性別問わず色気を帯びる。やはり人に言えない、言ってはいけない「秘密」というものは、隠されているからこその魅惑があり、他では味わえない危うさを孕んだ人間を生み出す。だから秘密を抱えがちな悪役を好きになることが多いのだろう。

 ただし、ここまで話してきたことは「全て二次元に限る」話だ。現実で秘密を多く持っているような怪しい人間にはあまり近づきたくない。気づいたら持ち金がなくなっていたり東京湾に沈められてしまうかもしれない。

 これからもずっと二次元でいい男を探し続けると思うが、その条件はきっと生きていく内に変わってくるだろう。今回書いた条件も、現時点で思いついたものに過ぎない。今までいい男とは思わなかったキャラクターに突如魅力を感じることもあるかもしれない。
 そんな変化を楽しみながら、今後も二次元ライフを楽しんでいきたい。

 

 

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