2023年6月24〜25日 プレイヤーズコンベンション幕張 ジャッジレポート
はじめに
ジャッジの皆様、お久しぶりです。愛知L1のそーすいです。
今回のプレイヤーズコンベンション幕張におけるいろいろ反省点・気付き・裁定などを共有できればいいなと思い、横浜以来の備忘録としてのレポとなります。
拙い文章ですがご容赦いただけますと幸いです。
前回の横浜のときのレポはこちら
今回の目標
前回の横浜のレポでも軽く触れましたが、私の今年の目標は2023年のうちにL2になることであり、L1のうちに苦手な分野を克服しておきたいというのが最優先事項となります。
かねてより、メンターのL2若松さんから「とにかく実践に出てみましょう。実践から得られる養分はいいぞ」(意訳)とのお言葉をいただいていたので、行ける範囲の大型イベントはとにかく応募していこうと考えておりました。
その上で、実は以前より何度か店舗大会でのデッキチェックを触らせていただいたことがあったのですが…
・時間内に終われないことがある。
・自分の中での状態のセーフ/アウトの基準に自信が持てないor気付けないことがある。
という点で、非常にデッキチェックに対して苦手意識を強く持っていました。
そのため、今回の幕張を応募するにあたりカバーレターに「デッキチェックが苦手なので、実戦で自信をつけたい」と送って応募したところ、1日目にデッキチェックで参加する運びとはなりました。
この場を借りてBIGMAGIC伊藤様にはこちらの意向を汲み取っていただき、感謝の意を伝えさせていただきます。
1日目:Openモダン DC
さて、実践編です。
事前にdiscord内にいろんな資料やコマンドが配布されていたので一通りは目を通したのですが、前回使い方がちんぷんかんぷん過ぎてドロップ処理すら怪しかったmtg meleeを用いての操作ときいて早くも不安がものすごかったです…
当日朝集合して、担当の牧田さん、バディを組んでいただいた大角さんからmeleeの使い方、ピックアップの手順、discord上で記入すべきことのレクチャーを受け、その数分後にはミドルチェックを開始してました。
細かいことを書き始めると冗長になるので、以下要点をまとめて書いていこうと思います。
できたこと
・確認事項があった卓を除いて目標時間の7+3の10分以内に収めることに成功した。
・meleeおよびdiscordで打ち込むべき内容を理解して(多少間違えたりはしましたが)実行できた。
・ハンド対象のテーブルで取り逃がしをしなかった。
反省点
・1件大角さんからおそらくスリーブがオーバースリーブとサイズが合致していないためにスリーブが全体的によれている件を自分では判断できずに指摘していただいて警告を出した。
・逆に傷が固まってるかな?と思い牧田さんに確認していただいたが混ぜてもピックアップできるほどではなく、区別できるカードの判断がまだまだできていないことを痛感した。
1日目まとめ
以前に比べると「デッキをハントして登録リストと照らし合わせる」という部分に関しては(まだまだ速度を出さないといけないとはいえ)なんとか基準内にはできるようなったと日頃の練習の成果を実感できました。
その一方で、「自分でスリーブの状態やカードの状態になんらかの問題がある/これぐらいであれば問題はないという判断を下す」という部分がまだまだ未熟であり、ここに関してはさらに実践での訓練が必要だと感じる結果でした…
今後も競技のイベントに関わり続ける限りデッキチェックは必ず行うものになるので、また実践の場が来たら逃げずに挑戦しようと思います。
2日目:サイドイベント
2日目は横浜でも参加させていただいたサイドイベントでした。
前回は久々の大型大会、およびジャッジ活動自体のリハビリでもあったためいろいろ反省点が多かった(前回レポ参照)ので、今回はそのあたりの反省点を踏まえてしっかり実践していくことにしました。
1日目同様、要点をまとめて書き出していきます。
できたこと
・前回課題であった「列の後方までアナウンスが聞こえてなくて、ゲーム開始をわかっていなかった人がいたり、終わった後の景品の受け取り方法を改めて聞いてくる人がいた」問題の対策として「アナウンスを"この向きでしゃべれば全員が聞き取れるであろう"ブロック数個に分けて行う旨を伝えて、全てのアナウンスが終わるのを数分程度待ってもらい、ゲーム開始の合図だけ統一して行う」という手法を採用。
参加者の方から後々アナウンス内容についての再問い合わせもなく、他のブロックへのアナウンス中そのまま待っていただけたので、今後もこの方式でやっていくのはアリかなと感じました。
・フロアジャッジ中にある程度視野を広く保って、自分だけではなく他の担当の領域までコール対応にいけるよう立ち位置や視点の工夫。
反省点
・プレイヤーのイレギュラーな行動に対する対応が後手に回ってしまったことが2度あった(後述事案A.B)
・ラウンド開始時にトラブルがあった場合の優先順位のつけ方に少し問題があったように感じた。(後述事案C)
・↑にも関係するが、コール対応で慌ただしくなってしまったときにdiscordにおける報告漏れが何度かあった。
・2回目の休憩を担当2つ目の3本目が始まったらだと勝手に思い込んで休憩に入ってしまった。ご迷惑をおかけしました…
発生した事案
A.
HJ担当のサイドイベントに幼稚園児〜小学生低学年程度の子連れで参加しているプレイヤーがおり、プレイヤーが対戦中子供が後ろで覗き込んだり歩き回ったりしていた。
別のジャッジの方が椅子を持ってきて頂いて座るように誘導して落ち着いたが、私自身はそこまで気が回らなかった。
今後このようなプレイヤーが現れたときは同様の対応で大丈夫なのか…椅子を増やすことで通路を塞いでしまうので、身障者対応と同じく別スペースに対戦卓をずらすことも検討すべき??
B.
対戦中に対戦相手が会場内の抽選に当たってすぐに受け取りに行くと言い残して、デッキ含めて全てを放置したまま席を立った。
→6分後に戻ってきたので、トイレとかのやんごとない理由なら許すんだけど…これ許すか怪しいな??と思いつつもまあ10分以内に戻ってきたから次からは必ず席を立つならジャッジコールしろと厳重に注意。
10分超えるようなら問答無用でMLだったんですが、そもそも席を立った理由が理由だけに帰ってきた段階でML出すべきだったのかもしれない…
あまりに過去にも聞いたことのない例すぎて判断がつかず追加時間と注意だけで済ませましたが、どうすべきだったかアドバイスが欲しいです。
C.
3回戦目が発表されてプレイヤーが着席、マリガンまで進めてもらっている中でジャッジコールがあり、「先程の対戦相手が自分のクリーチャーにエンチャントしたカードが混入していました」とのこと。
discordでプレイヤーの前マッチの対戦相手を調べてもらう間プレイヤーにはラウンドの開始を2分ほど待ってもらう形を取ったが、後々冷静に考えてみると「とりあえずゲームを開始して、その後にプレイヤーが分かり次第デッキの未確定部分に混ぜる」という形でよかったことに気づき、全体の進行を遅らせてしまった点はミスだったと感じた。
(競技なら回収を忘れたプレイヤーにDLP?)
D.
スタンダード3ラウンド目にて、2つの卓でプレイヤーが入れ違ったまま2人が対戦しており、その事実が結果送信時に判明した。
小町さんが対応していただき、間違えていた2人を遅刻扱いでMLになることを担当HJだったため承認。(遅刻の項目にある「座るべき卓を間違えていた」の事例を初めて見た…)
スリップがなくなってから、紙に書いてる名前と勝利点が確認できなくなったため今後もあるかもしれないので、アナウンスに「卓番号、対戦相手が間違っていないか確認してください」をいれるべきかは悩んでいます。
(小町さんからはこの2卓以外では発生しなかった事件であり、起こる確率を考えれば不要ではないか?という考え方もしっくりはきてます。労力を取るかプレイヤーの常識に任せるかの境界案件かなとは思います)
2日目まとめ
前回に比べてイレギュラーがそれなりに発生したため、元々メインイベントよりも対応力を問われるサイドイベントの中でも今までで一番初めての事案を踏んだ回だったと感じています。
その中でも大きな事故やトラブルなく終われたのでそこは自信を持って次に挑めそうです。
今回の経験について
冒頭触れた通り、デッキチェックにおいては苦手だった部分の半分である速度は(まだ練度が足りないとはいえ)一定の成長はみれた一方で、自己判断能力がまだまだ力不足であったので、また次のPCでは改めてデッキチェックに入りたいと思っています。
裁定や懲罰について、もう少し自信を持って答える訓練をしておかないと、ジャッジが不安げだとプレイヤーにも伝わってしまうので、「わからないことは調べます、わかることは自信を持って裁定を出す」を心がけるようにします。
最後に、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
また次のPCで皆さんとお会いし、共にジャッジができる日を心待ちにしております。
(番外編)出した裁定まとめ
【モダン、競技】
・NAP「APが白緑フェッチ切って森を出してヘリオッドを唱えたが、直後に森をもう一度戻して平地に変えた。これは許していいのか」
→盤面に影響はないし罰則は出さないけど、不正に取られかねないプレイだし気をつけてねで注意
・3本目が相打ちになったんだけど4本目先手はどっちから?
→3本目と同じ(ちなみにmeleeには4本目の記入欄がない3本目扱いにすることも伝える←わからなくて大角さんからフォロー)
・≪表現の反復≫で≪激しい叱責≫を追放した、これはエンドフェイズに使える?
→表現の反復の使用可能期限はターン終了=クリンナップ処理、よってエンドフェイズに唱えることはできる
・≪万物の姿、オルヴァール≫が対戦相手の効果で手札から捨てられた時の処理は?
→墓地で誘発して対象を取る>解決したらコピートークンを生成する。ベイロスなどにありがちな「手札から捨てられるなら、代わりに〜」ではないので置換で何かするわけではない。
・クリーチャーのコピートークンの生成に対して≪神聖な月光≫を唱えた。トークンはどうなる?
→置換で追放される。
・APは山3枚をコントロールしており、2マナから≪焼尽の猛火≫を上陸を達成した状態でNAPおよびNAPの≪ヴォーデイリアの呪詛抑え≫を対象に唱えた。
対応してNAPが焼尽の猛火を対象にヴォーデイリアの呪詛抑えの能力を自身をサクリファイスして起動した。このときAPはヴォーデイリアの呪詛抑えの効果に対して1マナ払うことで焼尽の猛火は3点をNAPに与えることはできる?
→できる。基本的には対象は1つでも生きていれば可能な部分で解決する。
(なお僕自身は「これは答えたらAP側は有利な選択が出来てしまうので答えないほうがいいのかもしれない」と判断してそばにいた大角さんに確認したところ、答えてしまっていいとのこと。)
【一般】
・裏面デニックが他の生物と死んだ
→トークン出ません(頻出)
・≪熊野の食刻≫の「このターン」っていつ?これが出たターンしか追放にならない?(双方の場にこのカードがある状況でのコール)
→赤の火力での死亡を想定した表現なので、「感覚的にはあなたのクリーチャーとの戦闘とかスペルでダメージを受けたクリーチャーが何らかの理由で死んだら追放。黒の直接的に破壊するやつでもダメージ与えてから殺したら追放」って言ったら納得してくれた。
・≪運命に導かれしもの、ケイリクス≫の能力で作られるコピーは唱える?
→生成なので唱えない、直接場に出る
・トークンをフェイズアウトさせると帰ってくる?
→今は帰ってくる。昔と違うので注意
・APの≪黙示録、シェオルドレッド≫を追放しているNAPの≪粗暴な聖戦士≫を、APが≪復活したアーテイ≫の2つ目のモードで殺したらどうなる?
→破壊からのドローなので、破壊した段階でシェオルは場にいるためNAPのドローで2点ルーズが発生する。
・≪粗暴な聖戦士≫をフェイズアウトした、追放されてる生物は帰ってくる?
→帰ってこない。フェイズアウトは戦場を離れた/出た時の効果は処理させない(402.26d)
・≪希望の翼、ジアーダ≫がいるときに≪集合した中隊≫から天使が2体同時に出た。ジアーダの他に天使がいないならカウンターはそれぞれ何個?
→1つずつ。中隊で出る2体は同時に出るが、ジアーダによるカウンターは置換効果のためそれぞれ直前にとるであろう状態を見て天使は1体のみなので1つずつ乗って出てくる。
・パワー3の「このクリーチャーは可能ならばブロックされなければならない」と「このクリーチャーは自分よりパワーが高いクリーチャーではブロックされない」を持つクリーチャーが殴っている状態で、パワー5のクリーチャーは他の攻撃クリーチャーをブロックできる?
→できる。ブロック禁止はブロック強制より優先されるのでパワー5のクリーチャーはその攻撃クリーチャーをブロックできないため、別の生物のブロックに入ることができる。
・≪静寂をもたらすもの≫がいるときに≪フェイン・デス≫を解決したクリーチャーが死亡した。カウンターは乗って出てくる?
→そもそもフェイン・デスは生物にPIGを付与するカードなので、静寂をもたらすものがいるなら誘発しないので戦場に戻ってくることもない。
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