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3日目|施工:鉄筋工事(組立・配筋のポイント)
〜鉄の守護者を配置せよ〜
建物の強さを支える「鉄筋」。これはまさに建物の“骨”であり“鎧”です。特に二級建築士試験では、配筋の種類・かぶり厚さ・検査ポイントなどが頻出です。今日は「鉄筋工事」のポイントを、試験対策を交えながら解説していきます!
[ 鉄筋工事は3ステージで攻略せよ!]
鉄筋工事は主に「組立」「配筋検査」「コンクリート打設前の確認」の3段階。この流れを覚えるだけでも、試験問題の半分は攻略できます。
ステージ1|組立:鉄の鎧を組み上げろ!
鉄筋は建物の骨格です。まずは「どの鉄筋が何の役割か?」を理解しましょう。
主筋
⚪︎ 建物の「背骨」。主に引張力を受け持つメインの鉄筋です。
⚪︎ 柱・梁・基礎に必ず配置されます。
⚪︎ 試験では「主筋は引張力を負担する」とよく問われます。
あばら筋(腹筋/スターラップ)
⚪︎ 「肋骨」のように、主筋を取り囲み、せん断力(斜めの力)に対抗します。
⚪︎ 梁などで特に重要です。
帯筋
⚪︎ 柱の主筋を取り囲み、崩壊を防ぎます。柱専用の“ガードリング”です。
補強筋
⚪︎ 忘れられがちですが、角や開口部など、特に力が集中する場所に追加されます。
▷試験に出る!組立時の重要ポイント
☆ 「主筋は引張力を負担する」←基本中の基本!
☆ 「柱には帯筋、梁にはあばら筋(スターラップ)」をセットで覚える!
☆ 「角や開口部には補強筋」←よく出る盲点!
ステージ2|配筋検査:鉄の鎧に弱点はないか?
組立が終わったら、必ず「配筋検査」が行われます。ここで試験に直結する「かぶり厚さ」のチェックは必須です。
かぶり厚さとは?
⚪︎ 鉄筋が外気や水分から守られるために必要な「コンクリートの厚み」のこと。
⚪︎ 鉄筋は酸化(サビ)すると強度が落ちるので、必ず規定の厚さを確保します。
▷試験で問われる「かぶり厚さ」の基準値(RC造)
☆ 基礎:40mm以上(よく出ます!)
☆ 柱・梁など主要部材:30mm以上
☆ スラブ・壁など:20mm以上
かぶり厚さの語呂合わせヒント
「基礎はシッカリ(40)、柱や梁はミニマム(30)、壁はフワッと(20)」
配筋検査でよく見るチェックポイント
✔︎ 鉄筋の径や本数は設計通りか?
✔︎ あばら筋(スターラップ)のピッチ(間隔)は正しいか?
✔︎ 定着長さ(鉄筋がコンクリ内にしっかり埋まる長さ)は足りているか?
ステージ3|コンクリート打設前の最終確認
配筋検査が終わったら、いよいよコンクリートを流し込む前の最終チェックです。ここでのポイントは「型枠と鉄筋の隙間」と「鉄筋の浮き」です。
✔︎ スペーサーは設置されているか?
鉄筋が型枠にくっつくと、かぶり厚さが不足してしまいます。そのため「スペーサー」で鉄筋の位置を固定します。
✔︎ 結束はしっかりされているか?
鉄筋がぐらつくと、コンクリート打設時にずれてしまいます。「結束線」でガッチリ固定します。
まとめ:試験で狙われる鉄筋工事ポイント
1. 鉄筋の種類と役割
☆ 主筋:引張力を受ける
☆ あばら筋(スターラップ):せん断力を防ぐ
☆ 帯筋:柱を補強する
2. かぶり厚さ(RC造)は絶対暗記!
☆ 基礎:40mm以上(頻出)
☆ 柱・梁:30mm以上
☆ 壁・スラブ:20mm以上
3. 配筋検査の確認ポイント
☆ スペーサーでかぶり厚さ確保
☆ ピッチ(あばら筋間隔)の確認
☆ 結束線で鉄筋を固定
次回予告|4日目:型枠工事の工程と注意点
「型枠は建物の“鋳型(いがた)”」――型枠がズレれば全てが台無し。材料、工法、そして試験で狙われるポイントを徹底解説します!