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アーユルヴェーダ・リトリート in スリランカ 15

買い物が終わると夫が待つラウンジに戻り、少し休む。

アーユルヴェーダ滞在施設で、質のいいものばかりを食べていたせいで、ラウンジの食事が気になって仕方なかった。普段ならそんなことを気にしないのだが、ラウンジには、レトルトっぽい中華みたいな料理が多く、スリランカカレーは全くなかった。普通に地元の料理を出してくれればいいのに、と私は思った。
夫はそういうところは敏感で、料理には一切手をつけなかった。クルミとチーズと果物(どれも素材そのもので、調理されていない)とサンドイッチだけ食べ、あとはビールを飲んでいたようだ。彼は昔から、食べ物の質にこだわるところがある。高級なものでなければならない、みたいなことは一切ないが、質の悪いものを、時として極端に嫌うのだ。
ちなみに日本に帰ってから、私はしばらくの間、おつとめ品を買わなくなった。これまでは、賞味期限が迫って割引されている品があると、すぐ使うものなら喜んで買っていたほうだ。賞味期限はあくまでも「賞味」期限なので、たとえ過ぎても食べられるからだ。
しかし、おつとめ品は、要は古いんでしょ? と思ってしまい、買う気になれなくなってしまった。しばらく経ったら、結局またおつとめ品も買うようになったのだが。

せっかくこの日は、壊れたスーツケースから取り出したコンタクトレンズを、スリランカに来て初めてしていたのに、私はフライト前にラウンジのトイレで、メイクを落として顔を洗い、コンタクトを外した。そもそも夜行便だし、乾燥する機内でコンタクトだとつらいのだ。また眼鏡生活に逆戻りだ。そんなことをしているうちに、搭乗時刻の午後6時50分が近づいてくる。

出発は7時50分なので、1時間前に搭乗なんて、気が早すぎるのではないか。そう思ったので、6時50分に搭乗口に行けばいいや、とたかを括っていた。
夫は搭乗前にタバコを吸いたいと言って、喫煙所に向かった。その間に私は、画面の搭乗案内をなにげなく見てみた。
さっきラウンジ内で見た時は、私たちが乗る便はnow boardingと書いてあった。出発1時間半前くらいだったので、ずいぶん気が早いな、と呆れていた。
ところが今度は画面には、成田行きがfinal callと書いてある。そんなバカなことがあるものか。出発1時間前にfinal callだって?? 
しかし私は居ても立っても居られなくなって、喫煙所の中に夫を迎えに行く。事情を話して、まだタバコを吸い始めていなかった夫を、無理矢理喫煙所から連れ出した。

ところがゲートに入る前に、またしても手荷物検査がある。一体何回検査すれば気が済むんだ? そんなことをやってるうちに、搭乗時刻の6時50分はゆうに超過する。
ところがゲートを通ったあと、今度はそこでひたすら待たされる。ひたすらと言っても15分まで待っていないと思うが、そんなに待つならタバコを吸えたではないか! おまけにそこにはトイレさえない。ラウンジでビールを飲んだ夫は、トイレに行きたいと言うが、我慢するよりほかない。

さんざん待った後、飛行機行きのバスに案内される。しかもゲートから飛行機までが、ほんのすぐそこ、というのではなく、やたら遠いのだ。バスで5分は走ったと思う。全員が搭乗を終えたのは、出発時刻の5分前だった。これだからこの便は、やたら搭乗時刻が早かったのだ。

出発した後は飛行機は無事進んで、無事成田に到着した。機内でもある程度眠ることができた。荷物も無事出てきた。ありがたいことだ。(16に続く)

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