村上春樹 街とその不確かな壁     読むこととは共鳴することでもある それを短い言葉にする

 1 p8~13
遥か見る 君の肩抱く 陽炎の街
 
 2 p14~17
君の視る 溢れる水と 高き壁
 
 3 p18~21
獣呼ぶ 文字の記憶と 角笛の叫び
 
 4 p22~27
透明の 手紙(ふみ)読む時間 影二つ
 
 5 p28~32
時止まり 夢読みの読みし 古き夢
 
 6 p33~36
写し夢 生身の我を 空にする
 
7 p37~44
壁 壁 壁 入ることを
      出ることを 拒む 
影のない街を 古き夢が語る 聞こえぬつぶやき

 8 p45~54 (1)
楽譜見る 君の背に触(ふ)る ピアニシモ
かげろうの 坂道のぼる 君を追う
 
 8 p45~54 (2)
自動書記  記録する夢
      捏造する夢
      誰のもでもない夢
 
 9 p55~60
360°の揺れる光
平面を歩む人と獣 影はなく
 
 10 p61~65
日時計の意味を問う 灰色の街 時を捨て
 
 11 p66~74
かげろうの 坂道のぼる 影を追う  
  追う 追う 追う ・・・
影だらけ 幻の予感
 
 12 p75~86
地図作る 脳細胞が 過去を呼ぶ
 
 13 p87~94
夢は見る 眠らない脳に踊らされ
     夢をおぼえているって、 夢を理解するって
     脳のたわごとだよ
 
 14 p95~107(1)
「意識は重い布袋となって、底も知れぬ深みに沈んでいった」
熱くて濃い薬草茶を飲めば、私も眠りから醒める
読み終えた古い夢に墓場はあるか?
 
 14 p95~107(2)
物理法則は影の分離を許さない だが
ありえない物語が続くことは許される
 
 15 p108~115
美しい川 古い時代からの壁の街 足りるということを知る人々、村上君 君の作り上げた壁の街はしかし生気がない 生きている喜びが見えない 
僕の街では人々は 集い 酒を飲みかわし 歌い 踊る。 喜びであふれる
 
 16 p116~128
6月4日天安門事件を覚えている 多くの学生が銃撃され戦車に轢かれた
香港はその記憶を消そうとしている 君の作った壁の街のようだ
この国もそれに近い 自らの意思を持たない単角の獣のようだ 単角の獣は我々だ
 
17 p129~134
おわりの朝 生きる日々に 意味を問う
 
 18 p135~139
影は 僕の未来
影の死は 時を止める
そして 繰り返し 他人(ひと)の夢(かこ)を読む
 
 19 p140~144
君の僕への想いは 君の脳が勝手に作り上げたものだ
最初の勘違いを 矛盾を避けて再生産したものだ
君はそれに気づいてしまった 君の脳と君がギシギシ音を立てて崩れる
そして僕の前から消える
 
 20 p145~151
壁の街 思考し、防御し、攻撃する細胞
壁の街 影は本体、本体は影
    夢読みは 死せる影(本体)の過去を読み 魂を鎮める
 
 21~22 p152~159
消えた君 16歳の夢に 手紙書く
泡となる 伝えたい思い 消える文字
 16歳君は15歳少女に会う 二人は恋をしたと思い それぞれ別々の物語を作る
 そして 物語は突然終わりをつげる
18歳君は、物語の続き夢見る
 
 23 p160~166
街にあふれる草食人間 男  仕事も女性も敬遠
45歳男 影のない少女の物語を作る
 
 24 p167~174
物語は整合性が重要だ 
それで自分も影と別れることにした 
影は分離するとやがて死ぬことにした 
16歳の少女の影のように 君の影も当然納得がいかない
 
 25 p175~179
この街の壁は幻影 
東ドイツの壁は現実 壁は消える 壁の意志は残る
 
 26 p180~184
君は壁の内に残る
 西は希望だった 西にあったのはもっと高い壁だった
 君は影のない君と 影のある君に 分裂 別々に生きる
 
 第2部 p185~276 (1)
いつの間にか寝ていた
本は276頁を示していた
私の頭には90頁分の空白が居座る
ふと左手の腕時計が目に入いる
時計には針がない
私は40年以上前に腕時計をするという習慣を捨てている
 
 第2部 p185~276 (2)
飯島耕一 を思い出す 詩の1節が共鳴する
 ぼくは暗の壁に囲まれた自分を感じる
中略
 ぼくらを圧す苦悩を入れる暗い通路に
 一つの夜に めぐっている暗い流れに
 遠ざかり近づいていく
 
 第2部 p185~276 (3)
時計は時を示す   時計は時を失う
 影を映す日時計    影を失った日時計
図書館は僕の希望   図書館は僕を拒否する
少女の淹れる薬草茶  私は飲んだ
 
 第2部 p277~385 (1)
子易氏の物語が説明調で続くので素直に読めない すり抜けていく
庄司沙矢香とイスラエルフィルのシベリウスのヴァイオリン協奏曲第2楽章を何度も聴きながらやっと385頁に辿り着く
 
 第2部 p277~385
薪ストーブにくめる林檎の木の薪
薪ストーブが暖かいのは知っている
広葉樹の薪 燃える消えない香り 父の思い出
 さくら焚き 炎に絡む ベニシジミ
 
 第2部 p385~598 (1)
私の誕生日は金曜日 Friday's child is loving and giving.
究極の個人図書館
脳の記憶容量はnot無限 
20ワットの消費電力
この図書館の利用は一人に限る 
サヴァンの脳は無限の記憶容量
 
 第2部 p386~598 (2)
影を失った世界と影ある世界は存在する
影を持つ脳と影のない脳が矛盾なく作りあげる 一人一人の脳が認識する世界 脳しか知らない世界
私はどちらの世界にそんざいするのか?
 
 第3部 一応読了 (しばらくしてまた読む)
ゲーテの詩を読む シューベルトのゲーテの歌曲を歌う
影はどちらにもある 壁はどちらにもない

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