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【出産レポ】妊婦から母へ…!【妊婦エッセイ#10(出産当日)】

妊婦エッセイ第10回は、出産当日について書いていく。
ついにこのエッセイも最終回。ハイリスクで不安の大きい手術だったが、果たしてどうなるのか…?!

(前回の妊婦エッセイ#9はこちら↓)
※なぜハイリスク?と思った方、こちらに書いてるのでぜひご覧ください。

妊娠37週5日目、ついにその時を迎える。

いよいよ手術…!

予定帝王切開での出産は、当たり前だが計画どおりに進んでいく。私の場合は朝イチの手術だったので、9時には手術室に入れるよう、朝早くから準備が始まった。

せっかくなので、当日の様子を時間ごとに記録していく。リアルなタイムスケジュール、公開。

6:30

入院中のルーティンである、体温・血圧・赤ちゃんの心拍の計測。そして手術に備えて、看護師さんが排便を促す坐薬を入れてくれる。(どうやって入れるの…?と思ってたから、やって貰えて助かった)

坐薬を入れると、お腹が膨らむような感覚があるのだが、30分位待ってからトイレに行くよう言われたので耐える。これが地味に辛かった(笑)。

7:00

ここから絶飲食となる。ここから丸一日位、お水も飲めなくなるので、喉が渇いて辛いんじゃないかと心配になる。

7:30

坐薬のおかげで無事にお通じがくる。トイレから戻ったら、最後のモニターチェック。赤ちゃんは今日も元気に動いていた。よし。

7:45

絶飲食してるので点滴が入る。何気に点滴も初めてなのでこんな感じか〜となぜか感慨深くなる。薬が入るとき、ひやっとするのね。

8:50

トイレを済ませ、いざ手術室へ。車椅子に座り、看護師さんが押してくれる。

病棟を出ると、夫と両親が既に来てくれていて会うことができた。手術前は会えないと思ってたので、思いの外嬉しかったし、なんだか安心した。

手術室のあるエリアに到着すると、入室前に担当の先生や看護師さん達が挨拶してくれた。産科だけでなく、麻酔科の先生も手術中いてくれるようだ。

事前に説明を受けていた、手術の同意書を見せてもらい、再度確認を受ける。

9:00

ついに入室。色んな機械や手術台、照明などがあってザ手術室といった感じ。

まずは手術台に座り、シーツを前に被せた状態で、着ていた手術着を後ろから脱がしてもらう(つまり何も着ていない状態)。仰向けに横たわり、血圧計や点滴などが身体にどんどんつけられていく。

続いては麻酔。帝王切開の場合、下半身麻酔で終わるのが一般的。赤ちゃんに麻酔がかからないようにするためらしい。

でも私の場合は大量出血のリスクが高く、もし出血が止まらなければ全身麻酔に切り替えると言われていたので、半身と全身両方の準備がされた。

どちらにせよ麻酔は背中から入れるので、台の上で横向きになり、背中を丸くするよう言われる。お腹が大きいので苦しいかと思ったけど、私はそうでもなかった。(マタニティヨガで背中のストレッチしたからかも?)

背中に痛み止めの注射をしてから、まずは全身麻酔を追加するための管を入れる。もう一度痛み止めをして、今度は下半身麻酔を入れていく。麻酔が入ると、すぐに足先がポカポカしてきた。

横向きから仰向けに戻って、手術間近の準備。私の目の前にタオルがかかった衝立が置かれたり、冷たい物をあてられて麻酔が効いてるかチェックされたり。

麻酔が効いてきて、ほとんど何をされてるか分からなくなってきた。いよいよ始まるんだな〜と思ったとき、急に肩がガタガタ震えてきた。止めようと思っても全然止められない。焦る。

手術への緊張や怖さが、身体に現れたんだろう。こんな経験はじめてだったから、驚いたしどうなっちゃうのかと怖かった。

9:30

手術を始めるとアナウンスがあった。耳元で麻酔科の先生が「始まりましたよ〜」と教えてくれたが、麻酔のおかげで切られてるような感覚は全くない。あったら怖いけど、不思議な感じだ。

ただ、お腹を押されたり引っ張られたり、お腹の上にメスとか?を置かれたりする感覚だけはあった。ちなみに、手術が始まると身体の震えはいつの間にか収まっていた。

そして手術中も赤ちゃんは元気に動いていたらしい。看護師さん達が「可愛い〜めっちゃ動いてる〜!」と教えてくれた。私は麻酔で全く胎動感じなかったけど(笑)。

9:57

そして突然「産まれましたよー。9時57分ね」という先生の声だけがした。

あれ、思ってたのと違う。

予想ではオギャーと声が聞こえて、赤ちゃんの姿が見えて、おめでとうございますと言われるはずだったのに。なんで?

「蘇生必要です。小児科呼んで」と鬼気迫る声。

え、、

産声は聞こえないまま、手術は進んでいく。赤ちゃんどうなったの?ねえ?私に何かあったとしても、赤ちゃんは大丈夫って思ってたのに…

ものすごい不安を覚えながら、私はひたすら出産後の後処理にバタバタし始めた様子だけを感じ取っていた。

10:00

大量出血になったら全身麻酔と言われていたが、それは赤ちゃんが出てからの子宮の収縮具合による。

赤ちゃんが産まれると、胎盤が排出される。胎盤が剥がれた箇所から出血が起きるのだが、胎盤の位置が正常なら子宮収縮によって出血が止まっていく。

しかし前置胎盤の場合、出血箇所への収縮が上手くきかず、大量出血に繋がりやすいそうだ。そのため、この手術の佳境は赤ちゃんが産まれたあとから始まる。

私は赤ちゃんへの心配と、自分の子宮への心配で、心臓が押し潰されそうになった。

しばらくして…

遠くの方でオギャーという声が聞こえた。もしや!

「赤ちゃん無事ですよ〜!」と声がかかり、勝手に涙が流れた。ほんとうに良かった。心から安堵した。看護師さんが「不安だったよね、良かったね」と優しく声をかけてくれたのがじんわりと沁みた。

後で聞いた話だが、赤ちゃんより先に胎盤が出て来てしまい、一時的に赤ちゃんの呼吸が苦しくなったようだ。(前置胎盤の場合、そういうリスクがあるとは聞いていた)

10:30

あとは私の処置が無事終わることを祈るのみ。手術の様子に耳をすませていると、先生の「(子宮の)収縮いいよ!」という言葉があって少し安心。

途中で、看護師さんが赤ちゃんを連れて来てくれた。触れることは出来なかったけど、近くで見れて、ようやく会えた喜びを噛み締めることができた。

布でくるまれた姿はとても小さく見えて、ほんとうに可愛い。実は最後まで「多分女の子」と言われていて性別が不確定だったのだが、実際に女の子だと判明。

やっぱりそうだったか〜! どっちでも良かったけど、女の子と思い込んでいたから嬉しかった。

赤ちゃんとの対面を果たしたあと、先生から「出血そこまでしてないからね〜」と声かけが。結局、少し多めではあったが大量出血にはならず、下半身麻酔で済むこととなった。

11:00

その後の処置はなかなか時間がかかったものの、手術は無事に終了。

結果的に心配していた事態にはならなかったので、私も安心したし、手術室全体がなんだか良かった〜という空気に包まれていた気がする。

麻酔で気分が悪くなったりもしなかったので、蓋を開けてみればかなりスムーズに終了したのだった。ただ、緊張で身体がガチガチだったので、どっと疲れたけど。

妊婦から母へ

こうして無事、出産を終えた。「母子共に健康」という言葉の重さを感じた1日だった。

最後まで色々あったものの、順調に手術が終わり、その後も色々大変ではあったものの、順調に術後も経過していった。

なにより、妊婦だった私は、母となった。帝王切開なので産むのにかかった時間は一瞬でも、人生最大の変化だ。

その変化をちゃんと受け入れるまでには結構時間がかかったけれど、執筆現在、ようやく子育てを楽しめるようになってきた気がする。

無事に出産を終えられたことに感謝して、今後も我が子と向き合っていきたいと思う。

あとがき

この#10を書くにあたり、今までの妊婦エッセイを読み返してみました。

不安と不調に向き合った妊娠初期、安定期なのに波乱だった妊娠中期、出産準備のワクワクと手術へのザワザワを身をもって感じた妊娠後期。

正直色々ありすぎた妊娠期間でした(笑)。

でも決して大変なだけではなく、新しい命を迎える準備ができた幸せな期間であったことは確かです。

妊娠出産は大きなライフイベントで、その分心配ごとも多い。だからこそ、このエッセイで書いてきたことが、他の妊婦さんや今後妊娠を希望する方の参考に少しでもなったなら光栄です。

ちなみに、今後は育児エッセイも書いていきたい気持ちはあるので(笑)、また覗きにきてもらえると嬉しいです。

長くなりましたが、これにて妊婦エッセイを締めたいと思います。

ここまで読んでくださった方、ほんとうにありがとうございました!このnoteから見たよという方、良かったら以下からバックナンバーもご覧になってくださいね。

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