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c-wealthの草おじさん・2023春のボヤき- 辛口ver (塩崎さわ)

こんにちは、C-wealthの園芸担当塩崎さわです。自宅で育てている桜も開花し始め、春の鼻歌が聞こえ始めるこの頃いかがお過ごしでしょうか。
先日、3月14日〜21日に咲くやこの花館にて「春のラン展2023」が開催されました。


そこで昨年に引き続き同時開催という形でベゴニア展も開催されました。私は日本ベゴニア協会関西支部に所属しており、今回も10点ほど展示株を出品しました。

こちらの記事では今回私が出品した一部のベゴニアについて軽く説明をしていきます。なお、この記事は一般向けの記事であり学者様や植物オタク向けでは無いため、説明の省略や簡略を多分に含みます。また、筆者はアカデミックサイドの人間では無いため、間違いを含む可能性があります。

ここで、まぁ居るわけがないとは思いますが、そもそもベゴニアとは何ぞやなどと宣う輩にベゴニアについて軽い説明を一応させていただきます。


この記事におけるベゴニアとはシュウカイドウ科(Begoniaceae)に分類される植物の総称ですのでHillebrandia属やsymbegonia属なども含めます。(今回の記事には登場しませんが…)
ベゴニアは2000種を超える原種がオーストラリア大陸を除く熱帯から亜熱帯に広く分布し、それらを交配して生まれた園芸品種は10000種を超えるとも言われます。


まずはこちら


Begonia hydrocotylifoliaです。
こちらは今回の人気投票にて第3位をいただきました。ありがとうございます。
本種はメキシコ南部の湿潤な急斜面に自生している横走性の根茎性ベゴニアで、1840年代にドイツのベルリン植物園に導入され、1982年に命名されました。種名はチドメグサ属を意味するhydrocotyle属に似たという意味です。
葉は分厚く直径300mm程の円形で表面にロウの層があるような見ためで、表面に僅かに毛を纏いますが葉が展開しきると毛は茶色く枯れます。花は根茎から花茎を高く200mm程伸ばし、2枚の白〜薄いピンク色の弱く波打つ花弁を持ちます。
性質としては育成においてはやや気難しく、成長もゆっくりであるため、草姿が乱れやすいこともありベテラン向けと言われます。乾燥に強く高い湿度も必要ではありません。
私は本種はベゴニア協会関西支部の例会にて5cmほどの根茎を譲り受け、夏は最高30℃冬は最低11℃、湿度は60~80%程の環境で約1年半育成し、ちょうど展示会期間中に満開になるタイミングで開花しました。
増殖については本種は基本的に株分けで行っています。葉片挿しは可能ではありますが、葉が分厚く水分量が多いため、腐りやすく成功率は振るいませんでした。

次にはこちら


Begonia isoptera
本種はインドネシア産の叢生型の木立生ベゴニアです。
主にジャワ島の中部から西部の標高500~2000メートルにかけて広く分布しております。
葉は縦に細長く明るいグリーンの葉には赤い縁どりがあります。同種ではありますが、葉が少し広いタイプもあります。
雄花は白からうす緑のカプセルのような花弁を持ち、葉と同様に赤い縁どりがあります。雌花は3~5枚の先が尖った花弁を持ちます。
本種は兵庫県加西市の兵庫県立フラワーセンターの苗販売コーナーにて春頃に購入した株を、夏は最高30℃冬は最低11℃、湿度は60~80%程の環境で約1年育成し、ちょうど展示会期間中に開花し始めました。
増殖についてはpetermannia節のベゴニアであるため木立生でありながら葉片挿しで容易に増やせます。


Begonia Shihou(紫峰)


本種は茨城県の園芸業者である永花園の永木静雄氏がBegonia Eureka BonanzaとBegonia Marmadukeを交配して産出した根茎性ベゴニアで、全体に毛を持っています
葉は長柄で長さ約150~200mm、幅約100~150mmで浅裂し、明るい緑と黒に近い紫の模様が斑にでます。
花は白〜薄い緑でがく側に赤く短い怪我数本見られます。
葉の濃い蛍光グリーンと紫のコントラストが特徴的な本種は筑波山(紫峰)をイメージして名付けられました。非常に丈夫で成長も早く大型の大変育てやすい種であります。

私はベゴニア協会関西支部の例会にて秋頃に8センチ程の根茎を2本譲り受け、最低11℃、湿度は60~80%程の環境で約半年育成し、展示会期間前に花芽をあげました。
増殖は葉刺し、株分けで行います。今回のベゴニア展の葉挿し講習の挿し穂としても使いました。


Begonia U-444


本種はアメリカベゴニア協会がUナンバーで管理しているブラジル原産のベゴニアです。
ブラジル原産の多肉茎木立性ベゴニアらしく、花は花芽を高く揚げ、集散花序の白い花を沢山咲かせます。
葉はやや長柄で互生し、4~5個に中裂し、葉縁は不規則な鋸歯状となり、葉全体に光沢があります。
増殖は挿し木で行います。多肉性故に分岐性はあまりよくありませんが成長が早いため、子株は沢山作れます。こういうブラジル系多肉茎ベゴニアは花芽が着いたらシュート(根元から出る新芽)が伸びるのが特徴です。
本株は展示期間終了後咲くやこの花館へ寄贈しました。

Begonia Bebe


こちらはBegonia lanceolataとBegonia Persian Brocade 交配種です。
葉は短柄で互生し、長さは50mm幅は15~20mm程の長楕円形のオリーブグリーンで先端は尖り、葉縁には鋸歯が入り、1~2mm程の毛が生えます。Trachelocarps節の特徴を引き継いでおり節の間は非常に狭くなっています。花は短い花茎の先に直径5mm程の花をつけます。色は白から赤のグラデーションです。
今回、鉢受皿で仕立てたものを展示しました。この管理は水やりに気を使うので展示会向きではないかなと反省しています。

以上で今回の説明とさせていただきます。私のほかの出品株や先輩方の株もまだまだ紹介したいものは多いのですが記事がかなり冗長になってしまうのでここまでです。
また秋頃に展示会がありますのでご都合がよろしければお運びください。
拝読頂きありがとうございました。

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