体癖論

今まで類型の中でもマイナーな部類であった体癖論が名越先生監修の簡易診断テストによって、ようやく日の目を見ることが出来たような気がしている。
だが、依然として情報が錯綜しているのは変わらず、そもそもの体癖論自体が未完ということもありサイトによって書かれていることもバラバラである。
そこで今回は私の知る体癖論の概要について語っていこうと思う。

体癖論について

まず体癖とはなんだろう。

体癖(たいへき)とは、野口整体の創始者である野口晴哉がまとめ上げた、人間の感受性の癖を表す概念。身体の重心の偏り・腰椎のゆがみと個人の生理的・心理的感受性(体質、体型、性格、行動規範、価値観など)が相互に作用していることを野口は診療から見出し、その傾向を12種類(10+2種類)に分類した。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/体癖

要は身体の重心の偏りや腰椎の歪みがその人の性格とリンクしているよ、ということである。

体癖には10種類のタイプがあり、それぞれが
上下型(1種,2種)、左右型(3種,4種)、前後型(5種,6種)、捻れ型(7種,8種)、開閉型(9種,10種)というふうな名称がつけられている。
11種と12種については無視してもらって構わない。

各体癖の感受性


上下型・・・善悪
左右型・・・好き嫌い
前後型・・・利益得失
捻れ型・・・勝ち負け
開閉型・・・愛憎

奇数種はその感受性に対して肯定的、信頼的であるが、偶数種は否定的、懐疑的といった違いがある。
例えば、3種は自身の好き嫌いに対して肯定的、信頼的である。3種は自らの感情に素直に従い、自らが嫌うものは断固として行わず、好きなことだけをやる。
4種は自身の好き嫌いに対して否定的、懐疑的である。
4種は自らの感情で動くことを嫌い、自身の嫌いな相手に優しくするなど、矛盾した行動を取ってしまう。
また、7種は勝ちたい、8種は負けたくないと称されていることがあるが、これだけでは説明があまりにも不十分すぎる。
私のこの観点からいえば、7種は勝ち負けに肯定的、信頼的であるため、人間関係を非対称的(上下関係があるもの)なものとして捉えている。しかし、8種は勝ち負けに否定的、懐疑的であるため、人間関係を対称的(対等なもの)なものとして捉えている。だからこそ8種は自らが下に見られることを嫌う、なぜなら8種の価値観として、自身と相手は対等で無ければならず、相手が自身のことを下に見るというのは許すことの出来ないことであり、それが結果的に"負けたくない"に見られるのだと思う。

奇数体癖/偶数体癖

奇数体癖は鬱散要求型、偶数体癖は集注要求型とされており、それぞれで方向性が異なる。
そのため、同じ〇〇型の奇数,偶数でも全くもって似て非なるものである。
鬱散要求型は余剰エネルギーを発散していく。集注要求型は余剰エネルギーを自ら発散することはなく、エネルギーが欠乏すると周りの関心を集めようとする。
環境に左右されにくいのは鬱散要求型(=奇数)、左右されやすいのは集注要求型(=偶数)である。
タイプ間の相性にもいつかは纏めようと思っているが、基本的にタイプ間の相性にて優位的に立てるのは奇数種である。
また、感受性が同じであるからこその弊害というものがある。これについてもいつかは纏めるつもりだが、ソシオニクスの鏡像関係に通ずるものがあると思う。

各体癖の関連する臓器

上下型・・・大脳
左右型・・・消化器
前後型・・・呼吸器
捻れ型・・・泌尿器
開閉型・・・生殖器

奇数種は緊張すると関連する臓器がよく働き、偶数種は働かなくなるという特徴がある。
例えば、1種は大きな壇上に立ってスピーチをするときに大脳がよく働くため、前もって準備をしていなくてもなんとかなるかもしれない。けれども2種はそういかない。彼らは緊張すると大脳が働かなくなり、言いたいことがまとまらず、頭の中で情報がごっちゃごちゃになってしまう。するとその頭の中でまとまらないのが体の異変(胃痛など)として現れる。
他の型にも奇数種と偶数種で違いがあるので、そこはまた纏めようと思う。

複合体癖について

これについては体癖論に言及している人によって内容が最もバラバラで、最も理解が困難になるであろう部分だと感じる。
うだうだ言っても仕方が無いので、私が知っている複合体癖の規則性についていくつか上げていこうと思う。

ⅰ,複合体癖は2つの体癖の組み合わせによって成る
ii,2つの体癖の組み合わせは奇数同士、偶数同士でも成る
iii,表と裏という概念がある
ⅳ,同じ〇〇型の奇数種、偶数種がペアになることは無い

順番に"複合体癖は2つの体癖の組み合わせによって成る"について話していこうと思う。
これについては3種類の体癖から成るというものから触れた人からは理解が難しいかもしれないが、私が勉強した体癖論の中では、人は2種類の体癖を持つというふうに定義されているだけである。
次に"2つの体癖の組み合わせは奇数同士、偶数同士でも成る"についてだ。これは私の経験則に加え、体癖下巻に1種-3種についての記述があるためだ。そのため、片方が奇数だからといってもう片方が必ず偶数になるということは無い。
そして"表と裏という概念がある"についてだ。表は制服やスーツなど外行きの服で、裏は家で過ごす時に着る普段着だと思ってもらえればよい。
X(旧Twitter)のアカウントをどのように運用しているかでもそのアカウントにて表・裏どちらの体癖が出ているのかを考えることが出来る。
最後に"同じ〇〇型の奇数種、偶数種がペアになることは無い"についてだ。これも単純で、1種-2種というペアになることはなく、3種-4種といったペアになることは無いということだ。
これに関しては単純で、2つはそれぞれ陽と陰であるためだ。方向性が相反する2つのタイプ、体型がひとつの身体に内包している状況の方が奇異に思う。
また、最近では1.5種や、2.5種などの1種・2種の複合体癖、3種・4種の複合体癖などの概念が散見されるが、私の立場からすればこれは全くもっての誤りであり、そういったものは存在しない。これに関しては体癖に対する考え方、解釈の違いだと思ってもらえればよい。基本的には私の語る体癖論と、それらは全くもって別の理論であり、くれぐれも混同することなきようにお願いしたい。

体癖論とその他類型論との相関・因果関係について

当たり前だが、これに関しては少なからずあると思う。
特にエニアグラムでは幼少期に無意識に親から受け取った親からのメッセージによってタイプが確立されるため、体癖論における感受性の違いによってどういったエニアグラムのタイプになるのかは因果関係が取れるかもしれない。しかし、いずれにせよサンプル数が少なすぎるためそれを実証する方法は無いのが現状である。

以上で今回の記事を終えようと思う、思っていたよりも文量が少なくなったので初めて体癖論に触れた人でも概要だけは掴めたんじゃないだろうか、というか掴めていてほしい。
それぞれの体癖に関する詳細な記述、体癖間の相性などについてはモチベがあれば纏めるつもりである。

また、この記事を読んで質問があればX(旧Twitter)のDMに来てもらえればいくらでも回答するので気楽に質問してきてほしい。

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