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LMEの4公演を配信で視聴して最悪"とも"思った【それは茶室】
283 Production LIVE Performance [liminal;marginal;eternal]を全4公演見た。
市場商品として終わってはいるんだよな〜!!!
不完全で不平等な商品なんだもん。
じゃあ完全で、永遠で、平等な体験に価値などあるの?と言うのが今回の演出面のテーマなのでこれは確実に確信犯(だと思われる)
だから運営は作りたいものを作り、顧客に提供できている。
良いものを悪い商品として販売し、それで最高の体験をした人と最悪の体験をした人が居るだけだと私は考えています。
ちなみに私は前者寄りでありつつも、「最悪なことをしたな」という認識です。
あと、ライブ映像自体は最高品質のものであったと言うことも初めに記しておきたい。だがあえてそれには触れません。
まず、このライブはイマーシブ体験を販売しているのか、ライブ体験を販売しているのか、と言う点ですれ違いがある。
今回のライブの批判されるべき点
ライブ体験を期待させチケットを販売している(当然のことである)のに、完全なライブ体験を提供しない。
七草にちかのワンマンステージを「無価値」とも「代替品」とも「最高」とも「到達点」と捉えるひとがいてもそれは当然否定されるべき物ではない、でも確かにそれは「期待されるステージ」とは異なっていた、一種の詐欺的行為ではある
そして、このようにライブ体験を不完全にしているのは、ライブ特有の偶発性ではなく、主催者側の「意図」だ。
不完全なものを提供することを決定した上でチケットを同一の価格で販売している、不誠実な運営だ。
それは茶室かもしれない
良い例えが浮かばないが、こう言うことだと思う
古茶室に入り、欠けた古美術の椀で茶を出されて
「味があるね」と言うか、
「普通に失礼すぎるだろ!」と怒るか。
我々は茶室に入れられたのか、それとも美味しい茶を飲みにきたのかと言う点で根本的にすれ違っている、そもそも二分される物でもないだろうと思う。自分がどこに立っているかで感じるものも別々なはずだ
それでも「欠けた椀を顧客に提供した」という批判すべきポイントはどうやったって消えない。
だがこの欠けた椀でなくては今回の茶室の情緒、「味」は完成しなかった、とも言えるのが難点だ。
その「体験」を否定するのは難しいし、
当然肯定もできない。
だからこそ「欠けた椀」を真の意味で批判するのが難しい。
「欠けた椀」によって、今回の「ステージ」は完成した
七草にちかがシーズを背負い込み、シーズの2人の関係性が一歩前に進んだ、そのような物語へのイマーシブ体験という「茶室」に今回の「欠けた椀」は確実に必要で、大きすぎる価値を持つ。
確かに物語的価値があった、情緒があった、だがそれを理解してやる義務は観客にはない、それを期待して会場に来た人間も、そんなものを期待しないで来た人間も居ただろう(前述の通り、ライブ体験を期待した人もいるのだから)
この欠けた椀が「不要だった」とするのも、「必要だった」とするのも難しく、最悪で最高なライブだという感想に至ってしまう。
不完全なものでなければ、今回のライブ体験は完成し得なかった。
だが、その不完全性ゆえにライブパフォーマンスとしての一面は瓦解している。
意図は十分に理解できる。
商売人として0点、創作者として90点
それはそれとしてこんな商品を売るのは商売人としてやべえ事してるよ、創作者として最高かは置いておいて。
アイマスおじさんの「アイマスという看板に傷をつけた」という意見も当然のことだ。
アイマスは物語でありながらも、キャラクタービジネスだ。確実に何かを損なったライブとはなっている。
事実としてセンセーショナルでスキャンダラスな今回の一件は界隈外にも広まっている。
それでもシャニマスに期待したい、"信者"なので
ライブ体験として100点、イマーシブ体験として100点で商品としても創作物としても満点、シャニマスにはそこを目指してほしくはある(LIVEFUNとか凄かったね)
少なくとも自分は今回のこれを最高の商品だとは思っていないけれど「想像以上の体験」を出してきた点で高く評価している。
運営は要反省であるが、「やめる」という選択をとってほしくはないと個人の感想としては思う。
このような「イマーシブ体験」はシャニマス独自のものであり、「新曲披露会じゃんw」などという批判の中で磨き上げたシャニマス独自のスキルのうちの一つだ、自分はこれが最高だと信じてやまない。shiny storiesで流した涙と同じ涙を他のコンテンツでは流せない。美琴のMCほど耳を傾けたMCもない。
さまざまな意見を糧に多少失われた商売人としての信用を取り戻していけばいい、美琴と一緒だ。
おわりに-それはそれとして怒らせてくれ-
メタ的な言い方になって嫌だけれども、運営は我々の好きなアイドルを「所有」し「動作」させる「責任者」だと思う。
同時に、傲慢ながらそのアイドルは我々と共同所有しているものだと思う、我々は彼らにアイドルを託している、だからこそコミュの展開や発言で失望させられることもあるし、CMのやり方や提供されるものの完成度に絶望することもある。
今回はやり方で絶望させられた人が一定数いる、その事実から目を背けないでほしい。人によっては最悪なライブを見せられただけでなく、共同所有物である宝物を弄ばれたのだ。当然「外野」でもなんでもない、被害者だ。
界隈では高山Pの「毒か薬か」という言葉が取り沙汰されている。事実として99人を満足させても1人は不満を持つだろう、それでも作るべきものを作ると言う覚悟は凄まじい。
しかし、その言葉にかまけて顧客を切り捨てる、(あるいは界隈がファンを追放する)と言う態度は「シャニマシズム」シャニマスがコミュを通して表現してきたものと真逆の態度を行くものだと思う、そんなシャニマスは大嫌いだ。(これは本当に大嫌いで最悪だ。裏も表もない)
「毒か薬」を作ってしまっても「もっと良い薬を作れたらなぁ」と高みを目指す態度を最も評価したい。けっして「毒になる薬」の現状だけを評価しているわけではない。
シャニマスの求める"極地"がこの円環を抜けた先にあると言うのならば、そこにより多くの人を乗せて連れて行ってほしいと思う。今回のライブで「純粋にライブを見にきた人」を裏切ったとも言えるし、物語体験を期待してきた人ですらも「失望させられた」人も一定数いることだろう(そもそも降板の理由が病気なのも心配やトラウマが勝る人もいると思う。)
それらを否定せず、手を取り合えたなら。
1ユーザーとしての願いである。