税理士事務所の仕事

一番の課題はインボイスである。
課税事業者のお客様には、迷うことなくインボイスの登録を薦める。しかし、これで終わるわけではない。
仕入控除をするためには、取引の相手の登録番号を取らないといけない。
登録番号がないと仕入税額控除ができないので、その分の税負担が増える。簡易課税制度を使っているなら影響はないが、そうでないなら区分けしなければならない。経過措置として3年間は登録番号のない取引先との仕入税額控除の80%は控除することができる。

問題は税負担だけではない。消費税申告書を作成するにはインボイスの有無を確認しなくてはならない。その上で、仕入税額控除の積み上げをしていく。
ただでさえ、消費税の取引には課税、軽減、免税、不課税、輸出などさまざまな取引形態の登録が必要である。これにインボイスの有無が影響する。作業の手間は半端なく増える。
全ての取引がデジタル化されれば簡単だというが、現実にはデジタル化は遅々とした進行だ。
軍事費は簡単に増額しても、国家の根幹である租税の仕組みは事業者の負担と気合いを強要するのが財務省。
事業者も大変だが税理士事務所も手間がかかってしかたがない。作業にかかるコストが嵩む。最低賃金も上がるし、電気仕掛けのデジタル仕組みに電気代の高騰は痛い。その他、いろんなコストが影響して経営もたいへんだ。

デジタル化を前提とした仕組みは社会のインフラが整ってからにしてほしい。早く実績を作りたい官僚に振り回される下々の者の苦労を誰か思いをよせてくれるのだろうか?


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